スペインを代表するワイン、カヴァ(Cava)。カヴァは瓶内二次発酵という本格的な製法から生まれる豊かな泡立ちと、スペイン固有の品種が持つ華やかな香りと味わいが人気で、世界中で愛されているスパークリングワインです。
D.O.カヴァ(D.O.Cava)はスペイン国内の7つの州で生産が認められており、中でもカタルーニャ州(Cataluña)のペネデス(Penedès)は全体量の約90%を生産していることから「カヴァの聖地」と言われています。
そんな「カヴァの聖地」ペネデス(Penedès)に、スペイン王室が「王女の結婚式のために最もふさわしいスパークリンワイン」として選んだ、特別なカヴァを造るワイナリーがあるのをご存知ですか?今回は、ペネデスで最も影響力があると言われている生産者、カヴァ・マスティネル (Cava Mastinell)が手がける、カヴァ ブルット レアル グラン・レセルバ (Cava Brut Real Gran Reserva)をご紹介します。
規定の約4倍の熟成期間を経て出荷される貴重なカヴァ
マスティネルのカヴァは、ワイン法に定められた期間よりも長い熟成期間を経て出荷されます。
カヴァではグランレゼルバ(Gran Reserva)と名称を付けるには、最低30か月の熟成期間が必要となりますが、カヴァ ブルット レアル グラン・レセルバ (Cava Brut Real Gran Reserva)は、120か月(10年)の熟成を経ています。収穫年によって熟成期間に差はありますが、最低72〜84か月(6〜7年)の長期熟成を行います。
理由は2つあり、1つ目は36ヶ月(3年)以上熟成させたカヴァは香りがより複雑味を帯び、焙煎香が引き立ちます。味わいにもふくよかさが増し、きめ細かく繊細な泡立ちとなるためです。
2つ目の理由はブドウ自体が高樹齢(30年以上)であり、凝縮されたブドウは通常よりも長期熟成に耐えられるだけのポテンシャルを持ち、テロワールを表現する方法としてもっとも適している為だといいます。
長期熟成に耐えられるブドウを育てる、テロワールと人の力
ペネデス(Penedès)の気候は温暖な地中海性気候で、その中でもサン・パウ(Sant Pau)の丘は日照に恵まれ、粘性質の高いローム土壌と、その下は石灰質土壌で水捌けが良く、ブドウ栽培に適した環境です。カヴァ ブルット レアル グラン・レセルバ (Cava Brut Real Gran Reserva)は、平均樹齢30年のマカベオ(Macabeo)、チャレロ (Xarelo)、パレジャーダ (Perellada)という3種のスペイン固有品種から造られています。
できる限り人の手を介入させずにブドウが持つ力を最大限に引き出すため、畑に除草剤は使用せず植物防疫製品(殺虫剤)の使用も最小限に制限しています。ブドウは全て手摘みで収穫し、それぞれの株から最高の房だけを選び出します。
ペネデス(Penedès)の恵まれた気候と人の手によって、カヴァ ブルット レアル グラン・レセルバ (Cava Brut Real Gran Reserva)の奇跡のような長期熟成のスパークリングワインは造られています。
カヴァの製法や熟成期間について詳しく知りたい方はこちらの記事で詳しく解説しています。
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【カバ ブルット レアル グラン・レセルバ】
【商品情報】
商品名 |
カヴァ ブルット レアル グラン・レセルバ (Cava Brut Real Gran Reserva) |
生産者 |
カヴァ・マスティネル (Cava Mastinell) |
地域 |
カタルーニャ州(Cataluña) |
ビンテージ |
2011 |
生産国 |
スペイン |
ブドウ品種 |
マカベオ(Macabeo)40%、チャレロ (Xarelo)40%、パレジャーダ (Perellada)20% |
おすすめ料理 |
シーフードのマリネ、イカのフリット、白身魚の香草焼き、ピクルス、レモンパイなど |
発酵容器 |
ステンレススティールタンク |
発酵期間 |
15〜20日間 |
発酵温度 |
14℃ |
度数 |
12.5% |
テイスト |
極辛口 |
飲み頃の温度 |
6∼8℃ |
容量 |
750ml |
味わいの特徴
輝きのあるゴールドの色調。10年の熟成を経てもグラスの底からは豊かな泡が立ち昇っています。フレッシュな柑橘系のアロマにリンゴや洋梨のような香りが広がり、口に含むと柔らかな泡立ちと爽やかな酸味、樽を思わせるコクを感じられます。微かにフェンネルのようなハーブ香もあり果実味とのバランスが良く、フィニッシュはキレもありながら長い余韻を楽しむことができる上質なカヴァです。
おすすめのペアリング
飲み口は極辛口でありながら、柔らかな泡立ちと奥行きのある香りの「カヴァ ブルット レアル グラン・レセルバ (Cava Brut Real Gran Reserva)」には、シーフードや野菜、香草を合わせていただくのがおすすめです。
旬の魚介を使ったシーフードのマリネやピクルスなど、爽やかな酸味を生かした料理との相性は抜群です。このほか、イカやエビ、ホタテのフリットも好相性。香草をふんだんに使った白身魚や豚肉のローストなどもよく合うでしょう。柑橘系のフルーツとも相性が良いので、食後にフレッシュな柑橘やレモンパイなどを合わせてみても良いでしょう。
カヴァ・マスティネル (Cava Mastinell) について
“マスティネルは小さなワイナリーで、地中海のエスプリに溢れたカヴァとワインを生産し、サン・パウの丘は畑を北風から守り、カヴァとワインに最適な気候を作り出しています。
この地域の伝統にふさわしいワインとカヴァを造るためには、革新と創造性に加えて土地の伝統への敬意と調和させる必要があります。 この粘り強さが、ペネデス地区で最も名声のあるカヴァのトップ10に入るという、多くの人が到達できない高みへとワイナリーを押し上げました。“
カヴァ・マスティネル (Cava Mastinell)は単なるワイナリーではありません。マスティネルはアルト・ペネデスの州都ヴィラフランカ・デル・ペネデスにあり、この地域はフェニキア時代からワイン栽培が盛んで、カタルーニャで初めてワイン醸造が工業化された場所でもあります。
1980年、ペネデス(Penedès)の原産地呼称地域の中心に設立されたマスティネルは、家族経営の小さなワイナリーとして誕生しました。 マスティネルはサン・パウ(Sant Pau)の丘のふもとという恵まれた場所に位置し、そのテロワールのおかげで豊かなブドウを育てることができ、ワインとカヴァの品質を保証するのに役立っています。 サウ・パウに見守られながらカヴァ・マスティネル (Cava Mastinell) は40年以上にわたり国内外で数々の賞を受賞してきました。
ワイナリー併設のホテル カヴァアンドホテル マスティネル (Cava&Hotel Mastinell)
ワイナリーには、地中海の風を浴びながらワインと共にゆっくり過ごすことができるホテル「カヴァアンドホテル マスティネル(Cava & Hotel Mastinell)」が併設されています。カヴァとワインの世界をイメージしてデザインされた客室からは、ブドウ畑とワイナリーが一望でき、カヴァ・マスティネル (Cava Mastinell)のワイン造りを体感できるワインツーリズムに参加することも出来ます。
カーヴの中で熟成の時を刻むカヴァのボトルをイメージした建物は、建築家アントニ・ガウディをオマージュした抽象的なモザイク画のトレンカディスの技法で、波打つ屋根の上に蛇行するカヴァのボトルの列をイメージしたものです。素晴らしいサービスはもちろん、建築デザインも注目されているホテルです。
スペイン王室が認めるワインをぜひ一度味わってみて
瓶の中の熟成期間が長ければ長いほど高級とされるスパークリングワインですが、熟成期間が長くなるほど香りには華やかさが加わる一方で、泡立ちは落ち着いてくるのが一般的です。
カヴァ ブルット レアル グラン・レセルバ (Cava Brut Real Gran Reserva)は10年という熟成期間を経ても豊かな泡立ちを維持していることも魅力ですが、高級シャンパーニュでもここまで長い期間熟成させるものは珍しく、大変貴重なカヴァだと言えます。ご興味のある方は王室が認めたカヴァをぜひ一度味わってみてください。