ワイン用ぶどうに適した気候やそれぞれの特徴について解説! ワイン用ぶどうに適した気候やそれぞれの特徴について解説!

ワイン用ぶどうに適した気候やそれぞれの特徴について解説!

「良いワインは良いぶどうから」というように、品質の良いぶどうかどうかがワインの質に大きく影響します。そして、品質の良いワイン用ぶどうを作るのは当然、どんな場所でもいいわけではありません。気温、日照量、降水量など、さまざまな条件のもと、品質の良いワイン用ブドウが栽培されるのです。 

今回はワイン用ぶどう栽培に適した気候などの条件やワインベルト、気候区分によるそれぞれの特徴について解説し、おすすめのスペインワインも紹介します。ワインについてより理解を深めていただける内容となっておりますのでどうぞご一読ください!

 

ワイン用ぶどう栽培に適した気候などの条件とは?

 

ワイン用ぶどうの栽培には、次のような条件が適しているとされています。

 

気温

一般的な生食用ぶどうは年間平均気温1020℃が栽培に適しているとされていますが、ワイン用ぶどうでは1016℃とされています。さらに、ぶどうの開花時には1525℃、枝が伸びる生育期や実が成熟する時期は2025℃が適しているとされています。

また、日中の寒暖差が大きいことも糖度の高いぶどう を育てる条件として重要です。日中たっぷりと日光を浴びたぶどうは糖度をあげますが、もしそのまま夜間も気温が高いままだとせっかく蓄えた糖分が果実から出て行ってしまうのです。

 

日照量

ぶどうの糖度が十分に上がるためには、開花から収穫までの日照時間が年間12501500時間以上必要だとされています。

 

降水量

ぶどうの生育には適度な水分が必要ですが、雨が多すぎると病気のリスクが高まったり、樹勢が強くなりすぎて凝縮感のある果実が採れなくなったりします。

ぶどうの栽培には500900mmほどの年間降水量が適しているとされます。また、開花後や結実後、収穫時期に雨量が多すぎると果実が病気になったり、成熟した果実を採ることが難しくなったりします。

 

土壌

一般的に、ワイン用ぶどうを育てるのに適した土壌の条件は痩せていること、とされています。その理由はぶどうの根が地中深くまで張るようにするためです。ぶどうの根が十分に深く張らないと果実に栄養分を集めることが難しくなります。

また、ぶどう栽培には水はけの良い土壌が向いています。水はけの良い畑で育つぶどうは地中深くまで根を張り、果実にたっぷりと養分を蓄えることができます。そのため、ぶどう畑は傾斜地に作られることが多いのです。また、傾斜地は水はけがいいばかりでなく、十分な日照量を得る上でも非常に効率の良い畑となります。

 

ワインベルトとは

ワインの産地として有名な国として、フランスやイタリア、そしてスペインなどが挙げられます。また、他にもドイツ、オーストリア、ギリシャ、オランダ、ポルトガルなど、ヨーロッパ諸国には古くからのワイン産地があります。さらに、ロシアや中東、カナダ、アメリカなども含めた地域は北半球の「ワインベルト」と呼ばれます。

また、チリ、アルゼンチン、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカなどのワイン産地は南半球のワインベルトに位置します。このワインベルトは北半球は北緯3050度、南半球は南緯2040度に位置しています。この地帯はワイン用ぶどうの栽培に適した気候条件を有しているため、ワインベルトと呼ばれるのです。しかし、ワインベルトは地球温暖化などの気候変動により、少しずつ変化しはじめているとされます。

 

気候区分によるそれぞれの特徴

世界各地にはさまざまな気候の種類があり、ワイン用ぶどう栽培に適した気候には以下のようなものがあります。それぞれの気候のもとで育ったぶどうから造られた、おすすめのスペインワインとともに解説していきましょう。

 

  • 大陸性気候

大陸性気候は大陸内部や大陸に近い島に分布する気候で、降水量が少なく晴天率は高く、湿度が低いのでからっと乾燥しています。気温の日較差、年較差が大きく、暑い夏の後秋になると急激に気温が下がるため、晩熟のぶどう品種の栽培には向かない傾向にあるようです。また、ヴィンテージによるワインの個性がはっきりと出るとされる気候でもあります。

大陸性気候の代表的なワイン産地には以下のようなものがあります。

フランス/ブルゴーニュ地方、ドイツ、アルゼンチン、ニュージーランド/セントラル・オタゴなどです。

また、スペインの中央部も大陸性気候で、ラ・マンチャ、ラ・リオハ、ナヴァラ、アルランサなどのワイン産地があります。

 

 

  • 高山性気候

標高が高い土地に特徴的な気候です。基本的に冷涼で、気温の日較差が大きいのが特徴。温帯地方で2000m超の場所の気候であり、夏は短く、冬は非常に寒くなります。ただし、斜面を利用したぶどう畑を作ることができるため、日照量は十分に確保できます。

代表的な産地はフランス/ジュラ地方・サヴォワ地方です。

 

  • 海洋性気候

海洋の影響を大きく受ける気候で、気温は年間を通して高めです。海からの温暖な風の影響によって気温差が少なく、湿度は比較的高めの気候です。また、秋は長く穏やかなため、ぶどうがしっかりと成熟するのを待ってから収穫が可能なため、晩熟型のぶどう品種の栽培に適しているとされます。ただ、収穫時期に雨や雹(ひょう)に見舞われる年があるようです。

代表的な産地はフランス/ボルドー地方、チリ、ニュージーランドなどです。

また、スペインのカスティージャ・イ・レオン州など、スペイン北部、北西部には海洋性気候に属するワイン産地があります。

 

海洋性気候で造られたおすすめのスペインワイン

セニョール・ダ・フォジャ・ベルデ(Señor da Folla Verde)

色合いは明るいレモンイエロー。熟したりんごやハチミツの甘美なアロマが楽しめます。

フレッシュかつ肉感的な味わいで、いろいろな料理とのペアリングが可能です。

 

  • 地中海性気候

ヨーロッパの地中海沿岸部に分布する気候です。年間を通して温暖、夏は非常に乾燥しています。また、日照量が多く安定していて、冬は降水量が少しあります。日照量に恵まれてぶどうの成育期間中に雨が少なく、病害のリスクが少ない点でぶどう産地として非常に優れています。

代表的な産地はフランス/プロヴァンス地方、スペイン南部、イタリア、カリフォルニア、オーストラリア南部です。

 

地中海性気候で造られたおすすめのスペインワイン


マルケス・デ・グリニョン レセルバ カタルーニャ(Marqués de Griñón Reserva Cataluña)

余韻も楽しめるヴィーガン認証の赤ワインです。色合いは濃く光り輝くブラックルビー。赤系果実や熟した果実の豊富なアロマがありつつ樽の味わいもあり、香りがバランスよく全体を包んでくれます。舌触りはとても滑らかでありながら、甘く柔らかいタンニンも感じます。 余韻は長く続くため、使用されているぶどう品種のそれぞれの良さをとらえられる、高級感たっぷりの赤ワイン。

 

まとめ

ワイン用ぶどう栽培に適した気候などの条件やワインベルト、気候区分によるそれぞれの特徴について解説し、おすすめのスペインワインも紹介しました。

さまざまな気候のもとで造られたワインを飲み比べることで、さらにワインの奥深さを知ることができるはず。ぜひ、お試しください!

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