夏の旅行シーズン。海へ山へ、リゾートとさまざまな旅行先がありますが、ワイン好きな方にぜひ、行っていただきたいのがホテルを併設しているワイナリーです。
今回はホテルを併設しているワイナリーの特徴やメリットについて解説するとともに、ワインツーリズムやホテルを備えたスペインワインのワイナリー「マスティネル」とそのワインの紹介をします。
ホテルを併設しているワイナリーの特徴やメリット
ホテルを併設しているワイナリーの特徴やメリットには以下のようなものがあります。
ドライバーもワインが飲める
ワイナリー滞在の醍醐味はワインのテイスティングです。ホテルを併設しているワイナリーの特徴として、ドライバーも心置きなくワインのテイスティングやワインと食事が楽しめる点が挙げられるでしょう。ゆっくりとワインを味わい、ワイナリー併設のホテルで一晩を過ごせば帰りの運転に支障がありません。
ワイナリー見学をしてもドライバーはテイスティングを我慢しなければならないケースがあることを考えると、ホテルを併設したワイナリーはワイン愛好家のカップルやグループの旅行にとって最高の旅先、と言えるでしょう。
美しい景観とともにワインの試飲や食事が楽しめる
ホテルを併設しているワイナリーの大半では美しい景観とともにワインの試飲や食事が楽しめます。広大なぶどう畑が広がる、ヨーロッパ風の田園風景がホテルのレストランの席から楽しめるのを売りにしているワイナリーが少なくありません。美しい風景とともに美味しいワインとディナーが楽しめる、そんな最高のひと時を叶えてくれるのが、ホテルを併設しているワイナリーなのです。
地元の食材とワインのペアリングを楽しめる
ホテルを併設しているワイナリーでは地元食材を使った料理とワインのペアリングが楽しめるレストランでの食事が大きな魅力です。現地でしか楽しめない、新鮮かつワインによりそう食材の料理はワイナリーのレストランだからこそ味わえるもの。ワイナリー併設のホテルを利用するなら、レストランの食事のクオリティはどうか、地元の食材を使っているかをぜひチェックしてみてください。
ワインツーリズムを本格的に楽しめる
ホテルを併設しているワイナリーでは宿泊するホテルがあるワイナリーだけでなく、その周辺にあるワイナリーの見学も楽しむことができます。ぶどう畑を見学すればぶどうが育つ環境を知ることができますし、ワインの製造工程、発酵による味の変化を知れば、ワインへの理解が深まってさらにワインを楽しむことができるでしょう。スタッフの案内付きで近隣のワイナリー巡りができるガイドツアーを利用すると、手軽に本格的なワインツーリズムが楽しめます。
ラグジュアリーな旅が楽しめる
ワイナリー併設のホテルでは、快適性を重視した、ラグジュアリーなホテルも少なくありません。設備・サービスともハイクラスで、ファッショナブルなワイナリー併設ホテルを利用し、リゾート滞在を楽しむ旅は最高の思い出になることでしょう。
ワインツーリズムやホテルを備えたスペインワインのワイナリー「マスティネル」とそのワインの紹介
マスティネルの創立は1980年。ペネデスの原産地呼称（D.O)地区の中心に設立されたマスティネルは、家族的な地中海精神に溢れる小さなワイナリーとして誕生しています。
マスティネルがあるのは、カタルーニャ（Catalunya）・アルト・ペネデス（Alt Penedès）の州都、ヴィラフランカ・デル・ペネデス（Vilafranca del Penedès）です。ヴィラフランカ・デル・ペネデスは、紀元前からぶどう栽培が盛んで、カタルーニャで初めてワイン醸造が工業化された歴史ある町で、地中海の中心地、バルセロナ（Barcelona）からわずか60kmのところに位置しています。
マスティネルがワイン造りとワインツーリズムを統合する計画をスタートさせたのは、2005年のことでした。その目的は、5つ星ホテルを作ってその利用者にペネデス地方全体のアピールをおこなうこと。そして、カヴァとワインを楽しみながらも五感が刺激される旅を経験してもらうことでした。
マスティネルのホテルはサン・パウの丘に8年の歳月をかけて愛情を込めて建てられ、2013年に「Cava & Hotel Mastinell」としてオープンしました。カーヴ（Cave/蔵）とその中で静かに熟成の時を刻むカヴァのボトルをイメージしたユニークな造形は、面を覆う破砕タイル仕上げによるアントニオ・ガウディ(Antoni Gaudí)の建築技術「トレンカディス（trencadís）」による波打つ屋根に覆われています。
ホテルに隣接するのが、美食の殿堂、エン・リマ・レストラン(En Rima restaurant)です。控えめで豪華な空間からはぶどう畑を静かに見下ろすことができ、ワインツーリズムと素晴らしい食事を楽しむことができます。
マスティネルは単なるワイナリーではなく、訪れる人々にさまざまな経験を提供するワイン文化の発信基地であり、この地域の重要な場所となっています。サン・パウ（Sant Pau）の丘のふもとという恵まれた場所にあり、スタッフは愛情を込めて土地を耕し、高品質なワインとカヴァを造っています。マスティネルはサン・パウに見守られながら40年以上にわたり、スペインだけでなく、フランスやベルギー、イギリスや香港などでも数多くの賞を受賞し、多くの人に愛飲されるワインを造ってきました。
マスティネルのおすすめワインを紹介
カバ ブルット ロゼ レセルバ（Cava Brut Rosé Reserva）
滑かな口当たりが上質の証の、華やかで繊細な泡立ちのロゼカヴァです。色合いは輝きのあるローズピンク。泡立ちはきめ細やかで華やか。新鮮なラズベリーやブラックベリー、ピーチなどの魅力的なアロマに、ドライな味わいでありながらほのかな甘みと酸味のバランスも良く、エレガントで上質な余韻も楽しめます。
カバ ブルット レアル グラン・レセルバ（Cava Brut Real Gran Reserva）
爽やかで果実味豊かな厳選された上質カヴァです。色合いは輝きのあるゴールド。泡は繊細でスムースに立ち上ります。フレッシュな柑橘系のアロマから始まり、りんごや洋梨のような果実味もあって、さらにコクも感じられる逸品です。かすかにフェンネルなどのハーブも感じられ、最後はキレもありながら上質な余韻も堪能できます。
グラン・カヴァ （Gran Reserva）の名称を付けるには最低30か月の熟成期間が必要ですが、こちらのブルット レアルは、120か月（10年）の熟成期間を経ています。収穫された年にもよりますが、最低72〜84か月（6〜7年）の長期熟成をおこなう理由は２つあります。1つ目は36ヶ月（3年）以上熟成させたカヴァの香りはより複雑味を帯び、焙煎香が引き立つこと。そして、味わいにもふくよかさが増し、きめ細かく繊細な泡立ちになるのです。2つ目の理由はぶどう自体が高樹齢（30年以上）であり、凝縮されたぶどうであるため通常よりも長期熟成に適していて、ヴィラフランカ・デル・ペネデスのテロワールを表現する方法としてもっとも適しているためです。
カバ カルペ ディエム グラン・レセルバ（Cava Carpe Diem Gran Reserva）
芳醇でクリーミー、長期熟成ならではの奥深いスペシャルなカヴァです。色合いはきらびやかなゴールド。繊細でクリーミーな泡はゆるやかに立ち昇ります。フローラルなアロマはシトラスのような爽やかさと白い花を思わせます。また、ブリオッシュなどのバター香やナッティーなニュアンスもあり、口に含むとエレガントな泡が優しく広がります。グラスは大きめを選びしっかりと余韻も楽しむことをおすすめします。グランレセルバならではの味わいに思わず笑みがこぼれてしまうでしょう。
まとめ
ホテルを併設しているワイナリーの特徴やメリットについて解説するとともに、ワインツーリズムやホテルを備えたスペインワインのワイナリー「マスティネル」とそのワインの紹介をしました。
ぜひ一度、ホテル併設のワイナリーへの旅をお楽しみいただければと思います。
