花見とワインについて解説 花見とワインについて解説

花見とワインについて解説

3月中旬に入ると気になるのが桜の開花予報です。美しい桜を愛でる花見は日本ならではの風物詩です。とは言え、3月の野外はまだまだ寒く、「花冷え」という言葉もあるほどです。それでも、桜の美しい姿はほんの限られた期間だけのもの、ゆっくり花見をしたいですよね。そんな時は、美味しいワインで心と体をあたため、花見を楽しんでみてはいかがでしょうか?

今回は花見とワインの相性について解説し、花見におすすめのスペインワインと花見スポットを紹介します。

 

歴史とともに変化してきた花見とワインの相性

春爛漫の頃に咲く、桜。その美しい姿を愛でる花見の歴史は奈良時代のことに始まったと言われています。当初は中国から伝わった梅を見ながらの貴族の歌詠みの会でしたが、平安時代になると眺める対象は梅から桜へと変わりました。その後は武士階級にも桜を愛でる花見の習慣が広まり、豊臣秀吉が奈良の吉野山や京都の醍醐寺で花見を催した記録が残っています。

その後、江戸時代になると一般庶民が花見を行うようになりました。徳川吉宗が飛鳥山や御殿山、隅田川土手などに桜を植え、庶民に開放したのがきっかけです。吉宗が庶民に親しみやすい花見の場を提供したあとは、花見は現在のように桜の下で宴会をするスタイルになりました。

江戸時代後期になると庶民の間に花見弁当が広まるようになります。日本酒と一緒に重箱を収納して持ち運びできる「提げ重」を持って桜の下に出かけたのです。重箱の中には卵焼きや季節の魚などたくさんの種類のおかずが入っていて、海老や紅餅などが桜のような色合いで彩りを添え、花見の雰囲気を演出していたようです。

近年、春が来ると桜を思わせるような色合いのロゼワインが店頭に並び、花見の季節を知らせるようになりました。桜のような色合いとお酒、の組み合わせはある意味、ロゼワインが1本あればほとんど成立しているようなもの。長い歴史を持つ花見の文化は現在、ワイン文化と合流し、新たに花開いている、と言えるのかもしれません。

 

花見におすすめのワイン

花見の席にぴったりのスペインワインを紹介します。

 

パシオン・デ・ボバル ロサード(Pasión de Bobal Rosado)

桜のようなピンク色が花見にぴったりのヴィーガン認証ロゼワインです。さくらんぼやラズベリーのような赤系果実のアロマに、ジャムのようなほんのり甘いニュアンスが楽しめます。果実味とぶどうらしい骨格があり、花見にぴったりのちらし寿司ともよく合います。

バレンシア県(València)ウティエル・レケーナ(D.O. Utiel Requena)にある家族経営のボデガ・シエラ ノルテ(Bodega Sierra Norte)が情熱(スペイン語でPasión)を惜しみなく込めて造ったワインです。絶滅寸前だった古代の土着品種、ボバル(Bobal)を100%使用した高品質のロゼで、ハートをモチーフにしたエチケットとともに、花見の席をロマンチックに演出してくれるでしょう。

 

エステバン・マルティン ロサード(Esteban Martín Rosado

きれいなピンク色が桜を思わせる、チャーミングな辛口ロゼワインです。新鮮な果実やキャンディのような甘いアロマで、口当たりは軽く、八角や烏龍茶のようなエキゾチックなビターさも感じられます。酸味もちょうど良く、渋みは控えめながらしっかりとしたコクもあります。

醸造元はアラゴン州(Aragon)サラゴサ県(Zaragoza)カリニェーナ(D.O.Cariñena)のボデガス・エステバン・マルティン。ぶどう栽培からワインの瓶詰めまでを一貫して行うシャトースタイルにこだわり、2003年に設立された家族経営のワイナリーです。醸造所がぶどう畑の真ん中にあり、収穫後のぶどうを新鮮なまま仕込むことにより、フレッシュで香り高いワインを造っています。

 

 

マルケス・デ・グリニョン カバ オーガニック ブルット ロゼ ラ・ヴィ・アン・ローズ(Marqués de Griñón Cava Organic Brut Rosé La Vie en Rose

キラキラした美しいローズピンクの、花見の席にふさわしいカヴァです。赤系果実の新鮮なアロマに、バラのような香り、キャンディやフルーツのようなほのかでポップな甘いニュアンスが楽しめます。口当たりは優しく、味わいはドライで余韻は華やかに広がります。オーガニック認証のカヴァなので、健康や環境問題に意識の高い方にも喜んでもらえることでしょう。

「ラ・ヴィ・アン・ローズ(薔薇色の人生)」とは、生産者のグリニョン伯(Marqués de Griñón)カルロス・ファルコ(Carlos Falcó)氏の人生訓。華やかな花見の席にはぴったりのネーミングですね。

 

おすすめの花見スポットTOP5

お酒が飲めて無料で花見が楽しめるおすすめスポットTOP5を紹介します。

 

目黒川

800本ほどからなる桜並木が目黒川添いに約4km続く、東京で大人気の花見スポットです。沿道にはレストランやカフェなども多く、花見シーズンには魅力的な露店も多数登場します。おしゃれなお店が多いので、花見を楽しみながらショッピングするのもおすすめです。

アクセス:JR山手線「目黒駅」、東急目黒線「不動前駅」から徒歩約10分、東急東横線・地下鉄中目黒線「中目黒駅」、東急東横線「池尻大橋駅」から徒歩約2分。

 

大阪城

大阪城は約3,000本もの桜が植えられた大阪随一の花見スポットで「日本さくら名所100選」にも選ばれています。とくに西ノ丸庭園は天守閣をバックに300本ほどの桜が咲き乱れる様子が楽しめます。(西ノ丸庭園は入園料大人200円。)また、玉造口では八重桜を4月中旬まで楽しめます。

アクセス:JR大阪環状線「大阪城公園駅」、JR大阪環状線・Osaka Metro中央線・長堀鶴見緑地線「森ノ宮駅」・Osaka Metro中央線・谷町線「谷町4丁目」・Osaka Metro堀鶴見緑地線「大阪ビジネスパーク駅」から徒歩約18分、JR東西線「大阪城北詰駅」から徒歩約21分、Osaka Metro谷町線・京阪電車「天満橋駅」から徒歩約19分。

 

円山公園

円山公園は京都随一の花見スポットで、しだれ桜の「祇園の夜桜」で知られ、八重桜は4月中旬過ぎまで楽しめます。京都市最古の公園で、大きな池を中心とした回遊式庭園になっていてさまざまな見所があります。

アクセス:阪急「河原町駅」から徒歩約15分、京阪本線「祇園四条駅」から徒歩約11分、

京阪本線「清水五条駅」からまで徒歩約23分。

 

吉野山

奈良県の吉野山は古くからの桜の名所で、日本一を誇る3万本もの桜が植えられています。豊臣秀吉は吉野山で5,000人規模の贅を尽くした花見の宴を開き、身分の低いものが高いもの、身分の高いものが身分の低いものの仮装をした、大コスプレ大会をしたそうです。さぞかし大盛り上がりだったことでしょう。吉野山で花見宴会を楽しむなら、中千本エリアがおすすめ。

アクセス:(中千本)近鉄吉野線近鉄「吉野駅」からロープウェイで約3分 「吉野山駅」下車徒歩15分、近鉄吉野線近鉄「吉野駅」から臨時奈良交通バスで約15分 中千本公園下車すぐ。

 

掃部山(かもんやま)公園

掃部山公園は横浜屈指の桜の名所で、池を配した和風庭園や広場、能楽堂、横浜開港に貢献した井伊直弼の銅像などがあります。ランドマークタワーをバックに満開の桜が楽しめる、横浜らしい花見宴会が楽しめるでしょう。

アクセス:JR線「桜木町駅」から徒歩約15分。

 

まとめ

花見とワインの相性について解説し、花見におすすめのスペインワインと花見スポットを紹介しました。ぜひ、ワインとともに素敵な花見を楽しんでいただければと思います。

関連記事