スペインの自治コミュニティからなるカリニェナというワイン産地をご存じでしょうか?日本ではまだ、カリニェナという名前を聞いたことのある人は少ないかもしれませんが、実はヨーロッパの中でも最も古いぶどう栽培地域の一つであり、ここ最近で急成長を遂げている注目の地域です。
今回は、そんなカリニェナで造られるワインの特徴と、D.O.カリニェナのおすすめスペイン白ワインについてご紹介します。
D.O.カリニェナについて
カリニェナとは、スペイン北東部のアラゴン地方にある村であり、1932年にD.O.カリニェナとして原産地呼称名称を獲得しました。
1990年代には、小規模のワイナリーと地元の協同組合が合併したことで、ワイン市場が加速。1995年以降では輸出量はそれまでの4倍にもなり、短期間でワイン市場が急激に変化した地域ということでも有名です。
また、この地域から生まれた固有ぶどう品種に「カリニャン」があり、名前の由来はカリニェナから来ていることでも知られています。カリニャンは、スペインに限らず、フランスやイタリア、カリフォルニアなどで幅広く栽培されています。
カリニェナの特徴
カリニェナにあるぶどう園の多くは、標高400〜800mの高い標高にあります。エブロ川の平原に沿ってぶどう畑が広がっており、西野シエラデアルガイレン山脈の斜面にまで続いています。
典型的な大陸性気候であるカリニェナは、年間降水量は少なく、比較的乾燥しており、一日の中でも極端な気候変動があることにより、色が濃く凝縮した味わいを持つ高品質なぶどうを栽培することができます。
カリニェナワインについて
カリニェナのワインは、オーク樽を使用した熟成赤ワインからマカベオを使用したフレッシュな辛口白ワイン、フルーティなロゼワイン、甘いモスカテルまで多種多様なワインスタイルを持っています。品質が高いワインが次々につくりだされている一方で、安価なワインが多く、コストパフォーマンスの高さはカリニェナワインの最大の特徴です。
カリニェナワインの歴史
この地域でのワイン造りは、紀元前3年ごろのローマ時代からはじまります。この時代の人々であるカラエ(現代のカリニェナ住民)がハチミツとカリニェーナワインを飲んでいたことが記録されており、1696年になると、ぶどうの樹の法令がカリニェナで発足されます。さらに1932年になると、スペインで公式にD.O.カリニェナが原産地呼称名称に認定されました。
そこから、大きな発展はありませんでしたが、1990年に入り、ワイン市場が飛躍的に発展していきます。現在は、カリニェナから数々の賞を受賞する高品質なワインが造り出されており、知る人ぞ知る注目のワイン生産地となっています。
カリニェナの主なぶどう品種
栽培されているメインのぶどう品種はもちろん名前の由来ともなった「カリニャン」と言いたいところですが、実はカリニェナで最も多く栽培されているのは「ガルナッチャ」です。
さらに、テンプラニーリョ、モナストレルから国際品種であるカベルネソーヴィニヨン、メルロー、シラー、シャルドネなどが主体となっています。
カリニェナワイン味わいの特徴
カリニェナワインは、かつて酸味とアルコール度数が高いことで知られていましたが、現代的な適応のため、ここ10年間でワインの製造技術が大幅に成長しました。
今では、消費者の好みに合わせたフレッシュ&フルーティーで軽く、飲みやすいバランスの取れた白ワイン。赤ワインでは、熟成向けの洗練されたエレガントな味わいを得意としています。
D.O.カリニャンから生まれたおすすめ白ワイン「Esteban Martín Blanco(エステバン・マルティン ブランコ)」
【商品情報】
商品名 |
エステバン・マルティン ブランコ(Esteban Martín Blanco) |
生産者 |
ボデガス・エステバン・マルティン (Bodegas Esteban Martín) |
ビンテージ |
2020年 |
設立 |
2003年 |
おすすめ料理 |
魚介のマリネ、エスカベッシュ、生牡蠣、シメサバ、貝類のワイン蒸しなど |
生産国 |
スペイン |
地域 |
D.O.カリニェーナ(D.O.Cariñena) |
ぶどう品種 |
シャルドネ 70% マカベオ 30% |
発酵容器 |
ステンレス・スティールタンク |
熟成方法 |
熟成なし、瓶詰め前に濾過 |
発酵期間 |
1ヶ月 |
度数 |
12.5% |
テイスト |
ドライ |
飲み頃の温度 |
8~10℃ |
容量 |
750ml |
今回は、D.O.カリニャンの味わいの特徴であるフレッシュでフルーティ、さらに華やかなフローラルさも持ち合わせている「Esteban Martín Blanco(エステバン・マルティン ブランコ)」をご紹介します。全体的に調和の取れた、ビーガンフリーなおすすめのスペイン白ワインです。
Esteban Martín Blanco(エステバン・マルティン ブランコ)
エステバン・マルティン ブランコには、標高600〜800mの高地で栽培される樹齢20〜65年の上質なシャルドネとマカベオのぶどうを使用しており、下層に岩石で水はけの良い地層、上層部には粘土石灰質の土壌からできるぶどうは香り高く、引き締まった酸、凝縮した味わいのワインになります。
また、醸造、熟成の過程でステンレスタンクを用いることにより、ぶどう本来が持つ豊かな風味をストレートに表現していることもワイナリーこだわりのポイントです。
味わいの特徴
明るいレモンイエローの色調。柑橘系のフレッシュな果実味に溢れており、とても滑らかな質感、ほのかなりんご、マンゴーやパイナップルを思わせるトロピカルフルーツのアロマを特徴としています。豊かな果実味の広がり、とっても爽やかな余韻をお楽しみいただけます。
果実の甘みとともに、引き締まった酸味が感じられるフレッシュでフルーティーな辛口白ワインです。
おすすめのペアリング料理
心地の良い酸味とドライな味わいは、魚介類の料理(シーフードパスタ、魚介のマリネ、エ生牡蠣、シメサバ、貝類のワイン蒸しなど)からサラダなどの前菜、鶏肉料理、クリームソースの料理、さらにタイ料理やお寿司との相性も抜群。
適度な酸味と、クセのない爽やかな味わいを持つエステバン・マルティン ブランコは、料理を選ばず、国際色豊かな幅広い料理と合わせることができます。お寿司にも合うワインということで、日本でも大変高く評価されています。
受賞歴
エステバン・マルティン ブランコは、Selection Mondiales des Vins Canada(ワールドワインセレクション カナダ)やSAKURA AWARD 2021(サクラアワード2021)にて金賞を獲得。その他にも多数賞を受賞している実力派スペイン白ワインです。
【エステバン・マルティン ブランコの受賞歴】
- Japan Wine Challenge 銅メダル
- SAKURA AWARD 2021 金賞
- Selection Mondiales des Vins Canada2016 金賞
ワイナリーについて
2003年に設立された家族経営のボデガス・エステバン・マルティン (Bodegas Esteban Martín)は、カリニェナ地域において、200ha以上もの土地を持つ大規模なワイナリーです。
伝統を大切にしつつも最新の技術を取り入れ、スペイン伝統品種であるガルナッチャやマカベオから、カベルネソーヴィニヨン、シャルドネといった国際品種まで多様なぶどう栽培を行っています。
ボデガス・エステバン・マルティンで造られるワインは、果実味豊かで完熟したぶどうの特徴であるアルコール度数がやや高めのワインに仕上がります。ワイナリー設立以降、多くの国内および国際的な賞を受賞しており、その質の高さを証明しています。
まとめ
ヨーロッパで最も古いワイン生産地の一つであるカリニェナの特徴やカリニェナワインの魅力についてお伝えしました。
また、今回ご紹介したおすすめのスペインワイン「エステバン・マルティン ブランコ(Esteban Martín Blanco)」は、カリニェナが持つ魅力を最大限活かした大変高いクオリティのワインにも関わらず、スペインらしい大変コストパフォーマンスの高いワインに仕上がっています。