樹齢40年のテンプラリーニョを100パーセント使用し樽、瓶内熟成合わせ40ヶ月という長い期間を経て作られるワイン。エルノガル。
リベラ・デル・ドゥエロの、新進気鋭のワイナリー。
リベラ・デル・ドゥエロは
標高約800m前後とかなりの高地にある。土壌は白亜質の石灰岩と泥炭土の混合土壌で、ドゥエロ川の近くでは砂質を多く含む。
夏季・冬季の寒暖差が非常に激しく、夏は40度に達することもあれば、冬だけでなく春先に霜が降りることすらあるという。
こうした厳しいテロワールが、リベラ・デル・ドゥエロのぶどうに頑強さと凝縮した味をもたらすのだろう。
大陸性気候の影響を受けるため、春と秋の降雨量が多い一方で、ぶどう生育中の夏季にはほとんど雨が降らないのも特徴。
そのなかでもこのワイナリーの区画はペドロサ・デル・ドゥエロと言う高品質のブドウがとれる地域の近くに位置しており、世界的にも注目されているワイナリー。
エル・ノガルとは、”クルミの木”の意味。
葡萄を収穫する区画に植えられることが多いらしい。
時には休憩の人々の昼食時の拠り所に、夏の猛暑には日陰にもなる。
人々に、畑に寄り添うクルミの木。
それが名前の由来だそうだ。
エル・ノガルに使われるブドウはアロマやタンニンを凝縮させるため、7000kg収量規定のところ厳選し、4000kgに抑えている。
樽もフレンチオークの新樽だが、なんと6か月おきに移し替え、22ヶ月熟成させるというこだわり。
今まで飲んできたスペインワインとは全く違う風格。
自身のスペインワインのイメージは陽気で骨格がはっきりしたものだったが、こちらは少し憂を帯びた色気のあるエレガントさ。
開けた瞬間から果実の華やかさを放ち、コレがテンプラリーニョ?と疑うほど。
ブラインドで出されたら間違いなくテンプラリーニョとはわからないくらい、繊細かつ、エレガント。
新樽のフレンチオークでの熟成とは思えないくらいに香りが馴染んでおり、熟成させたブルゴーニュかと見紛うアロマとポテンシャルがあるとかんじた。
寒暖差のあるリベラ・デル・ドゥエロの特徴か、
アメリカンチェリーやカシス、コンポート系の熟した果実感に、カカオ系のビターアロマ。
重心は重めなのに飲んだ瞬間に華やぐフラワリーな香りとコク。
熟度はあれど、タンニンもスムース。とても滑らかでなじみ、酸も角が丸くなっており、熟成感を感じるが、まだまだ寝かせても良いかもしれない。
ラムロースト、フォアグラのようなフレンチや、煮込み系にも合わせやすく、その土地のジビエなどとも合わせていけそう。
レストランでは13度くらいから徐々に温度感を高め香りを放ち飲み続けたいワイン。
しっかりした味わいは秋冬向き。
キャンプに持って行くなら森の中、飲む時間帯は夕方から夜。焚き火を見ながらゆっくり静かな夜を楽しみたい。
今現在でフレッシュ感と、果実感、華やかさを楽しめるが、おそらく10年寝かせるとまた高貴な雰囲気になり、最高の飲み頃を迎えるのではないだろうか。
CAMP WINE 松原杏奈