しっかりとしたタンニンと樽香、ボリューム感を楽しめる伝統的なリオハワイン しっかりとしたタンニンと樽香、ボリューム感を楽しめる伝統的なリオハワイン

しっかりとしたタンニンと樽香、ボリューム感を楽しめる伝統的なリオハワイン

なめらかなタンニンとコク、樽由来の厚みのある香りと複雑さ。伝統的なリオハ(Rioja)の赤ワインといえば、このような特徴が挙げられるのではないでしょうか。

近年では、樽を使用しないフルーティーなタイプの赤ワインも多く造られており、伝統と革新が融合しているものリオハワインの魅力です。

スペインで最も有名なワイン産地といっても過言ではないワインの地リオハ(Rioja)に、伝統的な製法と最新の醸造技術を融合させたワイン造りを行うワイナリー、ヴィニャ・ブハンダ (Viña Bujanda)はあります。

今回は、ヴィニャ・ブハンダ (Viña Bujanda)が手がける、D.O.Ca.リオハ(Rioja)、ヴィニャ・ブハンダ クリアンサ(Viña Bujanda  Crianza)をご紹介します。

 

リオハ(Rioja)で樽が使われたきっかけ

ワイン造りの歴史は古いリオハ(Rioja)ですが、かつては木樽ではなく石で出来た発酵槽を使用してワインが造られており、味わいも重厚感のあるものではなく、軽い早飲みタイプのワインが主流でした。

リオハ(Rioja)で樽が使用されるようになったきっかけは、19世紀にフランスを襲った「フィロキセラ」という害虫の被害がきっかけです。

この小さな虫がブドウにつくと、数日のうちにブドウの樹を根から枯らしてしまい、当時対策を持たなかったフランスでは瞬く間に広がり、甚大な被害を及ぼしたのです。

特に被害の大きかったボルドーでは大幅にブドウの収量を落としてしまいます。窮地に陥った仲買人たちは、ブドウを調達するための候補地として、まだフィロキセラの被害に見舞われていなかったリオハ(Rioja)に注目しました。

こうしてボルドーからやってきた技術者によって、ボルドー式の製法がリオハに伝わります。石だった発酵槽は木製の大きな発酵槽となり、鉄道の便が良かったことから、輸送容器としての役割を持つ「木の小樽」に詰めて熟成させる、という「ボルドースタイル」がリオハ(Rioja)のワイン造りの新たな主流となりました。

ボルドーの技術によって品質が大きく向上したリオハワインは、スペイン全土に広がっていきます。その後も伝統は引き継がれ、リオハ(Rioja)は現在のようなスペインを代表する名釀地となったのです。

 

樽熟成の役割は風味の向上のため

木はわずかに空気を通すため、空気と触れることによって味わいに深みを与えることができ、木樽に含まれる香りの成分がワインに溶け出すことによって、味わいに一体感と複雑さを与えることができます。

新樽を使用する方が樽の香りをワインに移しやすいのですが、樽香を前面に出さずに、厚みと複雑さを加えるため古樽を使用するという生産者もおり、目指すワインによっていろいろな樽が使われているのも面白いポイントです。

樽の容量にも種類があるのですが、D.O.C.a.リオハ(D.O.C.a.Rioja)では、樽熟成には主にアメリカ産オークやフランス産オークから造られた樽が用いられ、熟成期間によってラベルにCrianza(クリアンサ)、Reserva(レセルバ)GranReserva(グランレセルバ)などの表示をすることができます。

使用されるのは、「ボルドー樽」と呼ばれる225Lの樽で、Crianza(クリアンサ)では少なくても2年以上の熟成期間を設け、そのうち最低12ヶ月は225Lのオーク樽での熟成が義務付けられています。


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ヴィニャ・ブハンダ クリアンサ【Viña Bujanda Crianza

 

【商品情報】 

商品名

ヴィニャ・ブハンダ クリアンサ(Viña Bujanda Crianza)

生産者

ヴィニャ・ブハンダ (Viña Bujanda)

地域

ブドウ生産地:ラ・リオハ州

D.O.Caリオハ(D.O.Ca Rioja)

ビンテージ

2020

生産国

スペイン 

ブドウ品種

テンプラニージョ(Tempranillo) 100%  

認証・規格

 

おすすめ料理

赤身肉のステーキ、魚介のトマト煮込み、ラタトゥイユ、ナチュラルチーズ など

発酵容器

ステンレス・スティールタンク

発酵期間

14日間

発酵温度

27°C

度数

13.5%

テイスト

ミディアムボディ

飲み頃の温度

14~16°C

容量

750ml

 

ヴィニャ・ブハンダ クリアンサ (Viña Bujanda  Crianza)について

ヴィニャ・ブハンダ(Viña Bujanda)は、カルロスとラピール・マルティネス・ブハンダ夫妻の出身地である、オヨン(Oion)の町で始まりました。ヴィニャ・ブハンダ (Viña Bujanda)を所有するワインメーカー、ファミリア・マルティネス・ブハンダ(Familia Martínez Bujanda)は、スペイン国内4つの州に5つのワイナリーを構え、リオハ(D.O.Ca.Rioja)には127ヘクタールのブドウ畑を所有しているワインメーカーです。

ヴィニャ・ブハンダ クリアンサ(Viña Bujanda  Crianza)は、リオハ・アルタ(Rioja Alta)のログローニョ(Logroño)と、リオハ・アラベサ(Rioja Alavesa)のオヨン(Oion)のふたつの畑から収穫したブドウを使用。

収穫後、除梗、圧搾された果汁は温度管理されたステンレス・スティールタンクで14日間にわたって発酵が進められ、発酵後のワインは225Lのアメリカン・オーク樽に移され、12ヶ月間静かに熟成させます。

凝縮感のあるブドウと樽熟成によって、しっかりとしたタンニンと、樽の香りが楽しめるボリューム感のあるワインが生み出されるのです。

 

味わいの特徴

紫がかった濃い色調で、グラスに注いだ瞬間にブルーベリーやブラックベリーのような黒い果実の香りと、チョコレートやインク、樽を思わせるクローブやシナモンの香りを感じ取ることができます。

後に黒コショウなどのスパイシーな香りと、口に含むと心地よい渋みと果実味、ボリューム感ある余韻が広がり、しっかりとした味わいの飲みごたえのある赤ワインです。

 

おすすめのペアリング

しっかりとしたタンニンと樽香、ボリューム感を楽しめる赤ワイン、ヴィニャ・ブハンダ クリアンサ(Viña Bujanda  Crianza)には、牛肉や子羊などの赤身肉のローストなどのお肉料理や、ハードタイプのチーズなどが合うでしょう。

スペイン北部の郷土料理である、カツオやマグロ、サーモンなどの魚のぶつ切りをトマトで煮込んだマルミタコ・デ・アトゥン(Marmitako de Atún)やスペイン風のブイヤベース、サルスエラ(Zarzuela)など、お肉料理以外にも、トマトを使った煮込み料理とも大変相性が良いのでおすすめです。

タンニンがしっかりとしており、樽熟成による複雑味とボリュームを感じられるワインなので、少し高めの温度で大ぶりのグラスで飲むと、よりワインの特長を楽しむことができるのでぜひ試してみてください。

 

ファミリア・マルティネス・ブハンダ(Familia Martínez Bujanda)について

ファミリア・マルティネス・ブハンダ(Familia Martínez Bujanda)は5つのワイナリーを所有するワインメーカーで、創業者であるホアキン・マルティネス・ブハンダは、1889年アラバ州オヨンに最初のワイナリーを設立しました。

マルティネス・ブハンダ家は、ラ・リオハ州のフィンカ・ヴァルピドラ(Finca Valpiedra)、ルエダ州のフィンカ・モンテペドロソ(Finca Montepedroso )、ラ・マンチャ州のフィンカ・アンティグア(fincaantigua)の土地に加え、リオハ(D.O.Ca.Rioja)に127ヘクタールのブドウ畑を所有しています。

クリアンサとレセルバをベースとしながら、伝統的なリオハのDOCaワイン(赤、ロゼ、白)を忘れることなく、より伝統的なリオハ・ワインの表現をする、というコンセプトのもと、ファミリア・マルティネス・ブハンダ(Familia Martínez Bujanda)のワインは造られています。

 

ファミリア・マルティネス・ブハンダ(Familia Martínez Bujanda) 5つのワイナリー

ワイン法上の分類

ワイナリー

開園

アラバ州

I.G.P. Vinos de la Tierra de Castilla

コセチェロス・イ・クリアドーレス
(Cosecheros y Criadores)

1951

リオハ州

D.O.Ca.Rioja
127ヘクタールのブドウ畑を所有

フィンカ・ヴァルピドラ(Finca Valpiedra)

1997

ヴィニャ・ブハンダ (Viña Bujanda)

2009

ラ・マンチャ州

D.O.La Mancha 

フィンカ・アンティグア(fincaantigua)

2003

ルエダ州

D.O.Rueda    

フィンカ・モンテペドロソ(Finca Montepedroso )

2012

 

 

まとめ

今回は、ヴィニャ・ブハンダ (Viña Bujanda)が手がける、ヴィニャ・ブハンダ クリアンサ(Viña Bujanda  Crianza)をご紹介しました。

ヴィニャ・ブハンダ (Viña Bujanda)が創業以来守ってきた、「極力人の手を加えない製法」で、名釀地リオハ(Rioja)の伝統的な味わいを楽しむことができるワインです。

空けた瞬間の香りがとても若々しく、すぐに飲んでも楽しめるワインですが、長い熟成に耐えうるポテンシャルを感じるワインですので、少し寝かせてから飲むのも良いと思います。熟成感のある味わいがお好みの方はぜひ試してみてくださいね。

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