ブラックフライデーとは?解説します ブラックフライデーとは?解説します

ブラックフライデーとは?解説します

アメリカ発祥のブラックフライデーは今や世界的な流行になり、日本にも浸透しつつあります。今回はブラックフライデーについて、その由来や歴史、世界各国のブラックフライデー事情などについて解説していきます。スペインワイン愛好家のみなさんにも参考になる記事となっておりますので、どうぞ最後までご一読ください。


ブラックフライデーとは

ハロウィーンが終わり、次なる大きなイベントはクリスマス、というイメージは日本にもかなり浸透してきているのではないかと思います。しかし、アメリカにはハロウィンとクリスマスの間、11月には別のビッグイベントが待っています。

それは感謝祭、毎年11月の第4木曜日の祝日、サンクスビギング(Thanksgiving Day)です。感謝祭はアメリカ大陸に渡った清教徒達が、初めての収穫に対し捧げ物をし、感謝したことに端を発しています。現代では、家族や親戚が集まり、七面鳥を中心とした夕食をとるのがメインイベントで、七面鳥の日(Turkey Day)と呼ばれることもあります。また、テレビで放送されるアメリカンフットボールの試合をみんなで観戦する家庭も多いようです。

そして、感謝祭翌日の金曜が、ブラックフライデー(Black Friday)。アメリカで最も消費が伸びる日です。チェーン店では期間限定の特別価格でさまざまな商品を売り出し、たくさんの消費者を店舗に呼び込みます。また、オンラインストアでも同じようにセールをおこないます。このセールは1日だけではなく週明けまで、または1週間続くこともあります。ちなみに、感謝祭からの休暇明け、月曜日は職場や自宅に戻ってオンラインで買い物をする人が急増することから、「サイバーマンデー」と呼ばれます。

 

ブラックフライデーの由来、歴史

そもそも「ブラックフライデー」という言葉は、1869年、ウォール街での大規模な金融危機を指して使われ始めた言葉です。そして、1929年の「ウォール街大暴落」から、株価が急落した曜日に合わせ「ブラックマンデー」「ブラックチューズデー」と報道されるようになりました。

そして、現在のように、感謝祭翌日の金曜日をブラックフライデーと呼ぶ習慣が誕生したのは1950年代のフィラデルフィアです。当時から感謝祭の翌日はクリスマス商戦の始まりの日でした。また、感謝祭用の商品の売れ残りを処分するため、大規模セールをおこなう店舗も少なくありませんでした。また、そのうえ、連休も関係し、道路と店舗で大渋滞やトラブル、事故が多発していたようです。さらに、年によっては次の土曜には陸軍対海軍のアメリカンフットボールの試合がおこなわれ、さらなる大渋滞や盗難などが発生しました。そのような大混乱をフィラデルフィア警察が「ブラックフライデー」と呼んだのです。

その後、1975年にはニューヨークタイムズ誌に「フィラデルフィアで最も買い物客と交通が大渋滞になる日」としてブラックフライデーの名称が初めて掲載されました。そして、1980年代から現在の11月の大セールを、アメリカ全土でブラックフライデーと呼ぶことにつながったのです。

金融危機や交通渋滞など、ネガティブな意味で使われていたブラックフライデーという呼び名に対し、「ブラック」を「ビッグ」に変えようという動きも一時期ありましたが、結局は浸透しませんでした。むしろ、現在では小売店が1年に1度の大黒字を生み出す日として、ポジティブに受け取られています。ただ、アメリカではブラックフライデーのセールに熱中するあまりの事件がいくつか発生しています。ブラックフライデーをアメリカで過ごす機会がある場合は気をつけたいものです。

 

世界各国のブラックフライデー

ここからは、世界各国のブラックフライデー事情を紹介していきましょう。

 

イギリス

イギリスでは、クリスマス翌日からの大規模セール、のボクシング・デー(Boxing Day)という年末商戦があります。しかし、イギリスでもボクシングデーの約1か月早く始まるブラックフライデーが浸透しつつあります。

 

カナダ

カナダもアメリカと同様、感謝祭翌日の金曜が、ブラックフライデーとして年末商戦を開始します。また、多くの店舗ではブラックフライデーに先駆けたフライングデーとして、11月中旬くらいからセールをおこないます。

 

スペイン

スペインでは2010年代頃まではセール、スペイン語でレバハス(Rebajas)は夏と冬の2回だけでした。しかし、ここ最近はブラックフライデーも定着し、何日間も大幅なセールをおこなう店舗がたくさん存在します。

 

フランス

フランスでもアメリカのブラックフライデーは2013年に導入され、その後の5年間でブラックフライデー期間中の売り上げが34%伸びたという報告があります。

 

ドイツ

ドイツでは2000年代からブラックフライデーの盛り上がりが大きくなっています。ある調査では2017年にはブラックフライデーを知っているドイツ人はすでに77%でしたが、2019年には94%が知っていた、という結果が出ています。

当初、ドイツではオンラインでのブラックフライデーのセールが先行していたようですが、近年ではモールや百貨店、小売店など実店舗でもブラックフライデーのセールをおこなうところが多くあります。そして、ブラックフライデー期間中は22時や24時まで店を開店している店舗も増加しています。また、ドイツでブラックフライデーを実施しているのは大手スポーツブランドや世界的なファッションブランドが中心のようです。

 

オーストラリア

オーストラリアにはボクシングデーが1年のうちで最も買い物客で賑わう期間ですが、近年ではブラックフライデーも盛り上がり、クリスマスプレゼントをこの期間に買う人が多いようです。

 

中国

中国では1990年代ごろから若者たちの間で毎年11月11日を「独身の日(光棍節)」として恋人のいない独りが集まるイベントや婚活パーティーがおこなわれていました。このイベントに目を付けたのが、大手オンラインストア、アリババです。2009年の11月11日に独身の人に向け「お買い物して自分にご褒美をあげましょう!」とプロモーション。オンラインストア上で大掛かりなセールを実施したのです。これをきっかけに、11月11日前後にはオンラインのみならずスーパーや百貨店などの実店舗でもセールがおこなわれるようになりました。そして、近年では11月11日は独身者が集ったり、出会いを求めたりする日ではなく、アメリカのブラックフライデーを凌ぐような、世界規模のセールとして成長しています。中国では独身の日でお金を使いすぎて「土を食べる」という意味の「吃土(チー・トゥー)」が流行語になっているほど、消費者の購買意欲が高まっているのです。

 

韓国

韓国には韓国版ブラックフライデー「コリアセールフェスタ」があり、ソウルや釜山(プサン)、済州島(チェジュド)など有名な観光都市だけでなく、オンラインストア上でも展開している韓国全体のイベントとなっています。ます。コリアセールフェスタは韓国最大規模のショッピングイベントで、免税店やデパート、コンビニやスーパーの商品が大幅に値引きされます。また、1つ購入すると1つ無料でもらえる「1+1サービス」や景品のプレゼントがあるほか、各地でさまざまなイベントもおこなわれます。

 

まとめ

ブラックフライデーについて、その由来や歴史、各国のブラックフライデー事情などについて解説しました。日本にも徐々に浸透しつつあるブラックフライデー。スペインワインをお得に買っていただけるチャンスもあるかもしれません。ぜひ、注目していただければ、と思います。

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