ワインと美容と健康について・おいしくアンチエイジング ワインと美容と健康について・おいしくアンチエイジング

ワインと美容と健康について・おいしくアンチエイジング

古代エジプト、古代ギリシャ、古代ローマ時代には薬として使われていたワイン。

古代ギリシャ時代に活躍した医師・ヒポクラテス(Hippocrates)は「ワインは最も価値のある飲みものであり、最も美味しい薬である」という言葉を残し、低温殺菌法の考案者である細菌学者パスツール(Pasteur)も「もっとも衛生的で健康的な飲みもの」として、ワインを推奨しました。

現在では、純粋にワインの味を楽しむためだったり、食事のお供として飲んだりする機会が多いワインですが、飲むだけで健康や美容に効果があるなんて、一挙両得ですよね。

この文章では、具体的にワインを飲むことでどのような効果が見込めるのか、ワインを飲む際の注意点などをご紹介していきたいと思います。

赤ワインの健康効果・ポリフェノールが含まれたスーパードリンク

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赤ワインは、ぶどうの皮や種、時には茎も一緒に発酵させて造られます。また、木製(オーク, Oak)の樽で熟成させてから出荷されることも多いです。

そのため、いろんな種類のポリフェノール(Polyphenol)が含まれています。

ポリフェノールは数千種類以上あるのですが、赤ワインには主に

ぶどうの皮から抽出されたポリフェノールの色素(アントシアニン, Anthocyan)

ぶどうの種から抽出されたポリフェノールのあく(渋み成分のあるカテキン,Catechinや苦み成分のあるタンニン, Tannin)

などの成分が含まれています。

中でも、最近注目を浴びているのは、ぶどうの皮に含まれるレスベラトロール(Resveratrol)という成分です。

レスベラトロールには、飢えた時やカロリーを制限した際に働く長寿遺伝子サーチュイン(Sirtuin)を活性化させる働きがあります。

サーチュインを活性化させる方法としてはカロリー制限や運動などがありますが、赤ワインを飲めば、カロリー制限や運動をした時と同様の効果が見込めるんです。

そのため、メタボリックシンドロームに効果があるといわれています。

具体的には、血糖値や血圧の低下、肝脂肪の減少、糖尿病の症状の改善などが確認されています。

フランス人はチーズやバター、フォアグラなど脂肪たっぷりの食事をしているにも関わらず、心疾患の割合が他の欧米諸国に比べて少ないことをあらわす「フレンチ・パラドックス」(French Paradox)という言葉がありますが、これは赤ワインに含まれているレスベラトロールのおかげといえるでしょう。

その他、レスベラトロールには、認知症、パーキンソン病を予防する効果やガンの予防・改善、白内障などの眼病予防、心臓病予防、運動能力の向上、放射線による酸化を防ぐ、といった効果もあります。

1998年、ボルドー(Bordeaux)の65歳以上を対象に行われた調査では、赤ワインを毎日250cc以上飲む人は、全く飲まない人に比べ、認知症の発症率が1/4という結果が出て、「第2のフレンチ・パラドックス」と騒がれたそうです。

赤ワインに比べると量は少ないですが、レスベラトロールは、ピーナッツの薄皮やナッツの渋皮、赤ぶどう、ベリー類などにも含まれています。

なお、ぶどうジュースはアルコール分が含まれていないため、赤ワインよりも体には吸収されにくくなっています。

また、赤ぶどうやぶどうジュースにはレスベラトロールは含まれていますが、発酵・熟成していないため、赤ワインほど抗酸化力はありません。

アルコールが苦手でない方は、赤ワインでレスベラトロールを摂ることをおすすめします。

赤ワインに含まれる他の成分としては、正常な細胞がガンになるのを防ぐ効果もあるケルセチン(Quercetin)なども注目されています。

ケルセチンは、玉ねぎやにんにくなどにも含まれている成分です。

ちなみに、赤ワインを選ぶ際のポイントですが、同じ銘柄の赤ワインならば、熟成期間が5年ほどのヴィンテージが最も健康効果が高いといわれているので、収穫年をチェックしてから購入されることをおすすめします。

カベルネ・ソーヴィニヨン(Cabernet Sauvignon)は、ワイン用のぶどう品種の中では特に、ポリフェノール含有量が高いそうです。

D.O.ラ・マンチャ(La Mancha)のフィンカ・アンティグア カベルネ・ソーヴィニヨン クリアンサ(Finca Antigua Cabernet Sauvignon Crianza)

D.O.ドミニオ・デ・バルデプーサ(Dominio de Valdepusa)のマルケス・デ・グリニョン カベルネ・ソーヴィニヨン(Marqués de Griñón Cabernet Sauvignon)

ビノ・デ・ラ・ティエラ・デ・カスティージャ(Vdt.Castilla)のオルカビアーナ・エコロヒコ カベルネ・ソーヴィニヨン(Olcaviana Ecológico Cabernet Sauvignon)

は、カベルネ・ソーヴィニヨン100%のワインなので,健康が気になる方は、ぜひ1度お試しください。

白ワインの健康効果・飲みながら楽して痩せる

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健康に効くお酒といえば、赤ワインを思い浮かべる方が圧倒的に多いかと思いますが、白ワイン(およびスパークリングワイン)ならではの効能もあります。用途に応じて、飲み分けてみてください。

白ワインならではの効能としては、殺菌効果があるため、食中毒(サルモネラ菌、大腸菌)や虫歯予防に効くことが挙げられます。

さっぱりした辛口白ワインは海産物とぴったりだと思っていたのですが、相性の良さだけでなく、健康面も考慮されて、組み合わされていたのですね。

白ワインは、酒石酸やリンゴ酸などの有機酸含有量が多いため、白ワインを飲むことで、腸内細菌のバランスを整え、善玉菌を増やすことができるそうです。そのため、便秘にも効果があるのだとか。

また、白ワインはカリウム含有量が高く、利尿作用によって、体に溜まった塩分(ナトリウム)を体外に排出する効果もあるため、ダイエットしたい方にはぴったりです。

白ワインに含まれている必須アミノ酸メチオニン(Methionine)は、胃酸の働きをうながす効果があり、同じくメチオニンが含まれるチーズと組み合わせれば、アルコールの分解を促進することができます。

白ワインに含まれるポリフェノールの量はわずかですが、赤ワインよりも分子が細かいため、より速やかに抗酸化作用が行われます。

白ワインはカルシウムとマグネシウムのミネラルバランスが良く、骨粗鬆症の予防効果もあります。

スパークリングワインは白ワインと効果が似ていますが、瓶内二次発酵したタイプでないと、同様の効果は見込めません。

健康に気を使われる方は、カヴァ(Cava)など、昔ながらの製法で造られたスパークリングワインを選ぶようにしてみてください。

ワインと美容・見た目年齢を維持する特効薬

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美容におすすめなのは、レスベラトロールが大量に含まれる赤ワインです。

テロメア(Telomere)という染色体DNAの両端部分は、見た目が若い方ほど長くなっているそうです。

テロメアの周りにはヒストン(Histone)というたんぱく質があるのですが、レスベラトロールで長寿遺伝子サーチュインを活性化させると、ヒストンがテロメアにぎゅっと巻き付き、テロメアが短くなるのを防いでくれます。

テロメアが短くなると、肌のターンオーバー(新陳代謝)の周期が遅くなっていくため、肌がくすんだり、しみやしわができやすくなったり、傷の治り方が遅くなったりしてきます。

肌のハリを保ったり、しわ、たるみを防いだり、美白効果のあるレスベラトロールは、美容系サプリメント、化粧品のアンチエイジング成分としても使われています。

今のところ、テロメアを長くしたり、修復したりする酵素「テロメラーゼ」(Telomerase)は実験段階のため、赤ワインを飲みつつ、楽しくアンチエイジング対策してみてはいかがですか。

ワインを飲む際に注意したほうが良いこと

これまでワインの様々な効能をご紹介してきましたが、ワインの飲み方によっては、逆効果になることもあります。これからご紹介することに気を付けながら、健康対策や美容対策をしてみてください。

ワインを選ぶ際には、甘口ワインを選ばず、辛口ワインを選ぶようにしましょう。甘口ワインを飲むと血糖値が高くなるため、健康に効果がありません。

ワインは飲み過ぎに注意して、適量を飲むようにしてください。体質によって異なりますが、1日ワイングラス1~2杯程度が適量です。

アルコールを分解しにくい体質の方やアルコールを男性より分解しづらい女性は、量を控えめにすると良いでしょう。

ワインを飲むタイミングですが、食間でなく、食事中に飲むほうが効果を見込めます。

すきっ腹で飲んでしまうと、小腸にそのまま吸収されてしまうため、血中濃度が高くなり、悪酔いしやすくなるので、おつまみと一緒に飲んでみてください。

ナイトキャップとしてワインを飲みたくなる方もいらっしゃるかもしれませんが、寝る前は体を温める必要があるため、アルコール度数が低いワインはおすすめしません。

なお、寝る前にお酒を飲むと、トイレに行きたくなったり、眠りが浅くなったりすることもあるので、なるべくならばナイトキャップ自体を控えたほうが良いかもしれません。

ヒポクラテスは、ワインを水で薄めたり、濃いものを少量飲んだりすることを推奨していました。

ワインを水で薄めるのに抵抗がある方は、チェイサー(Chaser,水などの飲み物)とワインを同時進行で飲むと、同じ効果が見込めるでしょう。

チェイサーを飲むことで、利尿効果も高まり、悪酔いしにくくなるはずです。

最後に

赤ワインは、厚生労働省による「平成 30 年(2018)人口動態統計月報年計」にて、日本人の死因1位に選ばれているガンと2位の心疾患、4位の脳血管疾患すべてに効果がある、健康的なお酒です。

ワインはビールや日本酒など同じ醸造酒の中では糖質が最も低く、カロリーも蒸留酒に比べ、低くなっています。

リラックス効果やストレス解消にも一役買っているワイン。

飲み過ぎに注意しながら、ぜひ健康や美容に役立ててみてくださいね。

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