Forcallat(フォルカリャ)は、スペイン土着ぶどう品種の一つです。スペイン国内でも栽培、ワイン製造をしているワイナリーが少ないため、とっても稀少な赤ワインとしても知られています。
特に日本で、Forcallat(フォルカリャ)のワインを見ることは珍しく、知名度の低い赤ワイン品種ですが、Forcallat(フォルカリャ)は繊細でエレガントな赤ワインとしてスペイン国内で人気があります。
今回は、Forcallat(フォルカリャ)の特徴と贅沢にフォルカリャ100%を使った赤ワイン「アラグ フォルカリャ (Alagú Forcallat)」をご紹介します。
Forcallat(フォルカリャ)について
“Forcallat”とはバレンシア語で“二股”という意味を持ちます。Forcallat(フォルカリャ)のぶどうの房が分かれた二股の形をしていることから名付けられたとされています。
”黒い”という意味を持つ“tinta”を付け、Forcallat tinta(フォルカリャ ティンタ)と呼ばれることが一般的です。一方で、スペイン語で“白い”という意味を持つ“Blanco”を付けたForcallat Blanco(フォルカリャ ブランコ)というフォルカリャの白ワイン用ぶどう品種もあります。
また、Forcallat(フォルカリャ)の歴史は大変古く、古代から続くスペインの土着品種として知られています。しかし、19世紀から20世紀にかけて大流行したフィロキセラの影響を大きく受け、現在Forcallat(フォルカリャ)は絶滅の危機に瀕しています。
ごく少数のワイナリーがForcallat(フォルカリャ)の回復を目指し、努力していますが、今もなお大変少ない面積のみで栽培されているため、市場に出回ることの少ない稀少なワインです。
Forcallat(フォルカリャ)の原産地
バレンシア州で認定されているぶどう品種Forcallat(フォルカリャ)ですが、スペイン中部に位置するカスティーリャ・ラ・ラマンチャ(Castilla-La Mancha)地方や、アリカンテ県、バレンシア県が原産地となっています。
Forcallat(フォルカリャ)ワインの特徴
Forcallat(フォルカリャ)は成長の遅いぶどう品種であり、多くの場合、成熟期に収穫されます。さらに、ワインの色は非常に淡い色となる傾向にあるため、原則として赤ワインにすることは難しく、ロゼワインに使用されることが一般的です。
Forcallat(フォルカリャ)からできるワインは、酸味や糖度が少なく、ドライなワインとなります。花やハーブといった華やかな芳香性、エレガントで優美、口当たり滑らか。主張の強すぎない柔らかなタンニンに、繊細な味わいを特徴とする非常に印象的なワインです。
また、スペインワイン格付けの一つであるビーノ・デ・ラ・ティエラ[Vino de la Tierra]ワインとして、地方にあるワイナリーのマイナーなブレンド成分として使用されることが多いぶどう品種です。
古代品種Forcallat(フォルカリャ)100%の稀少赤ワイン
「Alagú Forcallat(アラグ フォルカリャ )」
【商品情報】
商品名 |
アラグ フォルカリャ (Alagú Forcallat) |
生産者 |
ボデガス・カサ・コレドール (Bodegas Casa Corredor) |
ビンテージ |
2017年 |
設立 |
2003年 |
おすすめ料理 |
フォワグラのテリーヌ、鴨のポワレ、いちじくのタルトなど |
生産国 |
スペイン |
地域 |
ビノ・デ・アウトール Vino de Autor(Albacete) カスティーリャ・ラ・マンチャ州 |
ぶどう品種 |
フォルカリャ 100%【樹齢35年】 Forcallat100% |
発酵容器 |
ステンレス・スティールタンク |
熟成方法 |
フレンチオーク樽500L / 9ヶ月間熟成 |
発酵期間 |
約10 ~15 日間 |
度数 |
13.5% |
テイスト |
ミディアムボディ |
飲み頃の温度 |
16℃ |
容量 |
750ml |
Alagú Forcallat(アラグ フォルカリャ)について
Bodegas Casa Corredor(ボデガス・カサ・コレドール )は、スペイン国内でも絶滅寸前にある古代ぶどう品種Forcallat(フォルカリャ)を栽培している大変珍しいワイナリーの一つです。
Alagú Forcallat(アラグ フォルカリャ)のワイン名である“Alagú (アラグ)”の由来は、イベリコ半島でレコンキスタが行われていた時代に、イスラム教徒からキリスト教に改宗した方々【モリスコ】が好きなものや、喜び、誇りに思うものを祝して乾杯する際に、お祝いの言葉として使用されていたことからきています。
現在でも、農業に携わる高齢の方のなかには「アラグ!(Alagú!)」という表現を使って、好きなものや喜び、楽しみを表現する時に使われています。
Alagú Forcallat(アラグ フォルカリャ)の製造工程では、ステンレス・スティールタンクのタンクを使い、発酵を行ったあと、500Lのフレンチオーク樽 で 9ヶ月間の熟成を行います。ワイン熟成には、涼しくあることが大切です。このワイナリーでは、深さ10メートルに位置する岩の地下に熟成場所が造られており、優れた高品質な熟成ワインを造るのに最適な条件が満たされています。
一般的に、Forcallat(フォルカリャ)の色調は大変淡い色をしているため、赤ワイン適していないとされています。Alagú Forcallat(アラグ フォルカリャ)は、彼らのぶどう栽培技術と伝統のワイン生産技術を屈指し、研究を重ねてようやく完成した世界唯一無二のフォルカリャ100%赤ワインです。
Alagú Forcallat(アラグ フォルカリャ)の味わい
輝きのあるルビーレッドの非常に淡い色を持つアラグ フォルカリャ (Alagú Forcallat)は、チェリーやザクロのような赤系果実のアロマを感じられます。花の香りとハーブの香りが繊細なノーズを持ちます。
口当たりは滑らかで、伸びのある酸味に、上品なタンニン、果実味がバランス良く、優しく落ち着いたニュアンスのある赤ワインです。
古くから続く稀少なぶどう品種Forcallat(フォルカリャ)を100%使用したワインアラグ フォルカリャ (Alagú Forcallat)。繊細さとエレガントをあわせ持つクラシカルなワインに仕上がっています。
Alagú Forcallat(アラグ フォルカリャ)とのペアリング
ミディアムボディの赤い果実味、フレッシュなアロマを特徴とするAlagú Forcallat(アラグ フォルカリャ)は、フォワグラのテリーヌ、鴨のポワレ、肉や魚、鶏肉ともよく合います。
さらに、ザクロやイチジクのようなニュアンスも持つため、いちじくのタルトやザクロのサラダとの相性もバッチリです。Alagú Forcallat(アラグ フォルカリャ)を飲む際は、冷やしすぎず、室温より少し温度を下げた16℃前後でお楽しみください。
Alagú Forcallat(アラグ フォルカリャ)受賞歴
- Alagú Forcallat 2017 - Robert Parker's Point(ロバート・パーカーポイント)2019年 – 91ポイント獲得
- Alagú Forcallat 2018 - Robert Parker's Point(ロバート・パーカーポイント)2018年 – 92ポイント獲得
- Alagú Forcallat 2018 - JAMES SUCKLING (ジェームズ・サックリング)2019年 – 93ポイント獲得
Bodegas Casa Corredor(ボデガス・カサ・コレドール)について
Bodegas Casa Corredor(ボデガス・カサ・コレドール)は、最新の革新的な技術と伝統的な技術を組み合わせ、高品質なワインを造ることを目的とし、2003年に設立されました。2013年には、さらに優れたワイナリーへと成長するため、MGWinesグループに加わっています。
マドリードとアリカンテを結ぶ高速道路の出口に隣接するワイナリーは、主にアリカンテで原産地呼称名称に認定されているぶどう品種を栽培しています。特にフォルカリャやヒロ・ロスといった絶滅危機に瀕している土着ぶどう品種の回復に力を入れており、ぶどうそれぞれの持つ個性を最大限に引き出すことをモットーとしています。
若いワイナリーであるにも関わらず、ぶどう栽培とワイン造りには長い伝統の歴史を持っており、環境に配慮した独自のワイン生産方法により、絶妙なバランスを持つ素晴らしいアロマのワインを生産しています。
まとめ
テンプラニーリョやガルナチャ、マカベオを筆頭に、数多くの土着品種を持つスペイン。絶滅していったぶどう品種が多い中、古代土着ぶどう品種Forcallat(フォルカリャ)は絶滅に瀕していながら今もなお、いくつかのワイナリーによって守り続けられています。
そんな、Forcallat(フォルカリャ)100%を使った赤ワインはスペイン国内でさえも珍しく、特に日本でお目にかかれるのは大変ラッキーです!
この機会にぜひ、世界でも唯一無二のクラシカルな赤ワイン「アラグ フォルカリャ (Alagú Forcallat)」を飲んで、古代から続く長い歴史を感じてみてはいかがでしょうか?