スペインガリシア地方で近年人気を博しているのがゴデージョ(Godello)という白ぶどう品種です。
スペイン固有の土着品種であるゴデージョは、ゴデーリョと呼ばれることもありますが、いわゆる王道なぶどう品種ではないため、日本ではその名前を知らない人も多いかもしれません。
しかし、大変高いポテンシャルを持つぶどう品種「ゴデージョ」は、ニューヨークタイムズなどの有名雑誌で特集を組まれたこともあり、スペイン国内にとどまらず世界的に高い評価を受け、ワイン業界で注目を集めています。
今回は、ワイン愛好家など知る人ぞ知る名品種。ゴデージョの魅力とゴデージョを100%使用したおすすめの白ワインをご紹介します。
ゴデージョ(Godello)ってどんな品種?
ゴデージョは、スペイン北西部のガリシア州とカスティーリャ・イ・レオン州の境界を流れるシル川渓谷付近であるバルデオラス地域が原産地ですが、現在は主にD.O.ビエルソとD.O.バルデオラスで栽培がされています。
標高300〜700mの険しい山々に囲まれた斜面で栽培されることが一般的です。大陸性気候の乾燥した土壌が適しているとされており、ぶどうの房は円すい形で小さく、早熟で短期間で栽培できることが特徴です。
急な斜面で育つゴデージョは高品質なぶどうとなるため、高級ワインとされています。
ゴデージョの特徴
主にガリシア地方で栽培されているゴデージョは、アルバリーニョやトロンテスといった高級品種にも引けを取らない華やかな香りに、引き締まった酸があり、非常にバランスの良い高品質な白ワインに仕上がります。
口内にはりんごや桃、バナナ、グレープフルーツといった豊かな果実味が広がり、ほのかに香るフローラルのアロマ、しっかりとした骨格のパワフルさが特徴です。
ワイン通の間では「ブルゴーニュにも似通ったエレガントさと繊細さを兼ね備えたしなやかな味わいを持つ白ワイン」とも言われており、高い評価を受けています。
絶滅の危機から急成長を遂げた白ぶどう品種
ここで多くの人は「こんなにも高い品質を持つゴデージョがなぜ知名度が低いのか?」と疑問に思うのではないでしょうか?
実は、ゴデージョの知名度が低いのには理由があります。
1970年代のスペインは、内戦や第二次世界大戦が勃発しており、多くのスペイン固有の土着品種が絶滅の危機に瀕していました。
かつて、ゴデージョもこの影響を大きく受けたぶどう品種の一つで、一度はぶどう品種がほぼ消滅してしまいます。
しかし、ゴデージョが上質な白ワイン造ることを知っていた小さな地元ぶどう農家の人々は、ゴデージョの復活を決意します。彼らは、なんと40年以上もの年月をかけて、ゴデージョを絶滅の危機から救出することに成功します。
そうして取り戻したゴデージョは、活動家や地元のぶどう園、ワイナリーの協力と努力の末、ここ10年で高級ぶどう品種と呼ばれるまでに急成長を遂げ、現在では栽培に従事する人は約2,000人、45のワイナリーがあり、ゴデージョを栽培する新たなワイナリーは続々と増えています。
生産されたゴデージョワインの90%がスペインの国内で消費されているため、現状ではゴデージョのワインを飲めること自体が希少ですが、今後の活躍に期待したいところです。
ゴデージョを贅沢に100%使用した
おすすめの白ワイン
詳細はこちら |
【商品情報】
商品名 |
オ・ルアール・ド・シル ゴデージョ(O Luar Do Sil) |
生産者 |
パゴ・デ・ロス・カペジャーネス(Pago de los Capellanes) |
おすすめ料理 |
帆立貝のレアグリル、ココナッツシュリンプ、ローストポーク、フレッシュトロピカルフルーツ |
生産国 |
スペイン |
地域 |
ガリシア地方 D.O.バルデオラス |
ぶどう品種 |
ゴデージョ100%(樹齢16年) |
度数 |
14.0% |
ボディ |
ドライ |
飲み頃の温度 |
8〜12℃ |
容量 |
750ml |
今回ご紹介するおすすめの白ワインは、リベラ・デル・ドゥエロを代表するワイナリー「パゴ・デ・ロス・カペジャーネス(Pago de los Capellanes)」の「オ・ルアール・ド・シル ゴデージョ(O Luar Do Sil)」です。スペイン注目のぶどう品種ゴデージョ100%を使っており、品種の持つ高いポテンシャルを活かした個性が素晴らしいワインです。
「O Luar Do Sil」とは、スペイン語で“シル川に反射する月の光”という意味を持ちます。Sil(シル)はぶどう畑の所有地であり、シル谷の山腹付近に流れる川の名前から取っています。
オ・ルアール・ド・シル ゴデージョ(O Luar Do Sil )の
エレガントな味わい
輝きのあるレモンイエローが美しいオ・ルアール・ド・シル ゴデージョは、口に含むと青りんごやフレッシュハーブ、グレープフルーツなどのシトラス系な爽やかなアロマが広がります。
白桃やパッションフルーツといったトロピカルフルーツのニュアンスを持ち、みずみずしい豊かな果実味に程よい酸がバランス良く、心地良い味わいを演出します。
スペインの固有品種ゴデージョの特徴を最大限に活かし、フレッシュでありながらフローラルでエレガントな余韻も楽しめる逸品に仕上がっています。
生産者「パゴ・デ・ロス・カペジャーネス」
について
パゴ・デ・ロス・カペジャーネス(Pago de los Capellanes)は、D.O.リベラデルドゥエロの中心部ブルゴスにある家族経営のワイナリーです。
リベラ・デル・ドゥエロ原産地呼称の最初のワイン生産者の一人であるパゴロデロとその妻コンチタ・ヴィラは、1996年にワイナリーを設立。
彼らは設立当初、白ワイン醸造を行うにあたって、原産地呼称地の1つであるガリシア地方のバルデオラス(Veldeirrras)を醸造場所として選びます。
世界で最高のワイナリー100社に選ばれた実力派ワイナリー
パゴ・デ・ロス・カペジャーネスは、アメリカのワイン専門家によるWine&Spirits誌で「世界で最高のワイナリー100社」の一つに選ばれました。
パゴ・デ・ロス・カペジャーネスのワイナリーでは、特徴的な土地と伝統的なぶどう栽培を取り入れています。
果実の表現力、強さ、複雑味、なめらかさを最大限に追求しており、「ワインを通じてワイナリーの風景を表現すること」をコンセプトにこだわりのワイン造りを行っており、世界が認める実力派ワイナリーです。
厳しい環境で育つ高品質なぶどうと素晴らしいワイン
バルデオラスの土地は、昼と夜の温度差が20度を超える厳しい環境の高原地帯にあります。谷間の険しい起伏、独特の気候条件を持つため、ぶどうを育てるには困難な地でもあります。
しかし、このような極端な温度差で熟したぶどうは、房の熟成が促進され、アルコール度数や色調、酸が向上し、非常にバランスの良い仕上がりとなります。
さらに、ミネラル豊富な花崗岩と粘板岩の土壌をもつパルデオラスで育つゴデージョは、非常に素晴らしい表現力を持ち、時代に左右されない素晴らしいワイン造りを可能にします。
まとめ
今回は、ゴデージョの持つ魅力についてお伝えしました。
ブルゴーニュを連想する気高くエレガントな味わいは、これまでにゴデージョを聞いたことのなかった人々を驚かせます。
そんなゴデージョ100%を使用したおすすめのワイン「オ・ルアール・ド・シル ゴデージョ」は、ブリリアントな存在感でもっと早く出会いたかった!と思ってしまうエレガントな白ワインに仕上がっています。
まだ、ゴデージョを試したことのない方も過去にゴデージョを飲んだ方も、パゴ・デ・ロス・カペジャーネスの造る品質の高いゴデージョに満足するはずです。
ぜひ、このワインを通じて彼らのワイナリーに広がる美しい風景を想像してみてくださいね。