スペインで栽培されている「メンシア(Mencía)」というブドウ品種をご存知でしょうか。メンシア(Mencía)はスペイン北西部やポルトガルで古くから栽培されてきた黒ブドウです。
スペインの最北西のガリシア州、州の中で最も内陸に位置するヴァルデオラス(Valdeorras)は、ゴデーリョ(Godello)というブドウから造る白ワインが高評価なことで有名ですが、赤ワインも古くから造られてきた歴史があり、近年ではその評価が高まっています。
メンシア(Mencía)は温暖な地域で栽培されるブドウ品種ですが、とてもエレガントで華やかなワインに仕上がることから「スペインのピノ・ノワール」と称されることもある品種。
今回は、ガリシア州・ヴァルデオラス(Valdeorras)のメンシア(Mencía)から造られるエレガントな赤ワイン「ア・ポルテラ(A POLTERA)」をご紹介します。
巡礼者によって伝えられた品種、メンシア(Mencía)
メンシア(Mencía)は、スペインの固有品種で、主にスペインとポルトガルで広く栽培されている黒ブドウです。
スペイン北西部でブドウ栽培が始まったのはローマ時代と考えられており、メンシア(Mencía)は、中世にヨーロッパ北部から聖地サンティアゴ・コンポステラへ向かう巡礼者によって伝えられたと言われています。
巡礼者達や修道院の活躍によって、ブドウ栽培とワイン造りは中世に最盛期を迎えたと言われていますが、現在のメンシア(Mencía)から造られるワインのように、当時のワインは決して高品質なものではなかったとされています。
現代の技術がメンシア(Mencía)の可能性を広げる
メンシア(Mencía)は、酸やタンニンが穏やかな品種であることから、長い間「爽やかで軽いワイン」に仕上げるのが主流となっていました。
しかし、2000年以降にスペインで活躍する著名な醸造家達が、ビエルソ(Bierzo)の地とメンシア(Mencía)が持つポテンシャルに注目し、メンシア(Mencía)を使った「軽いだけでなくフルーティーで強いアロマを持ったワイン」を造るようになり、国際的に注目されるようになったのです。
メンシア(Mencía)は、長い間カベルネ・フランの亜種であると言われていましたが、最近のDNA研究によってそうではないことが判明し、未だルーツのわからない品種とされています。
ビエルソ(Bierzo)の隣にあるヴァルデオラス(Valdeorras)でもメンシア(Mencía)は主要な黒ブドウです。州をまたいで隣接する二つの地区は気候や風土が近いことに加え、ビエルソ(Bierzo)でもガリシア語が使われているなど、文化的にも共通している部分の多い地域です。
ビエルソ(Bierzo)やヴァルデオラス(Valdeorras)は、産地として注目されるようになったのはどちらも最近で、ワイン造りの長い歴史がある土地でありながら、まだまだ進化を続けている地でもあり、今後さらに発展することが期待されています。
ア・ポルテラ(A Portela)
【商品情報】
商品名 |
ア・ポルテラ(A PORTELA) |
生産者 |
アルベルト・オルテ (Alberto Orte) |
地域 |
ブドウ生産地:ガリシア州 D.O.ヴァルデオラス(D.O.Valdeorras) |
ビンテージ |
2016 |
生産国 |
スペイン |
ブドウ品種 |
メンシア(Mencía) 100% |
認証・規格 |
ヴィーガン認証有 |
おすすめ料理 |
生ハムとフレッシュフィグ、鴨のロティ、うなぎの蒲焼、ガナッシュ など |
発酵容器 |
スティールタンク |
発酵期間 |
21日間 |
発酵温度 |
18°C |
度数 |
12.5% |
テイスト |
フルボディ |
飲み頃の温度 |
14~16°C |
容量 |
750ml |
ア・ポルテラ(A PORTERA)について
メンシア(Mencía)100%で造られるア・ポルテラ(A POLTERA)は、ア・ポルテラ小地区の単一畑で収穫されたブドウから造られます。
ブドウの樹は標高500~700mの花崗岩、粘板岩の土壌に植えられ、標高、土壌、温暖な気候の組み合わせにより、果実味とボディのバランスが良く、エレガントな酸を持つ上質な赤ワインとなります。
収穫したブドウは除梗せず全房発酵をさせます。ゆっくりと時間をかけて低温浸漬し、ステンレス・スティールタンクで21日間発酵させた後、フレンチ・オーク樽で8ヶ月の間熟成をさせ、ワインに奥行きと複雑さを与えます。
無濾過、無清澄で造られ、欧州ベジタリアン連合(EVU)のヴィーガン認証を取得しており、しっかりとしたボディがありながらエレガントな余韻を楽しめる赤ワインです。
味わいの特徴
輝きのあるルビーレッドの色調。グラスの中心から縁にかけてのグラデーションが美しく、熟成を感じさせる外観です。チェリーやラズベリーを思わせる果実の香りに加え、スミレの花のようなニュアンスが広がり、続けてオレンジピールやブラックペッパー、クローブといったスパイスのアロマを感じ取ることができます。
口に含むと優しいタンニンとエレガントな酸が心地よく、後に続く樽の余韻が長く楽しめます。
上質なピノノワールのようなミネラル感と、メルローを思わせる優しい果実の甘みを感じることができ、大変バランスの取れた赤ワインであることがわかります。
2016年とは思えないほど若々しく、奥行きがあり上品なア・ポルテラ(A POLTERA)は、果実味、酸味、タンニンのバランスが良く、色々なお料理を引き立ててくれますし、ワイン単体でも楽しめる赤ワインです。
おすすめのペアリング
ア・ポルテラ(A POLTERA)は、とてもバランスの良いワインなので意外なほど色々なお料理にマッチします。
ワインと同じ香りを持つ、スパイスを使用したシャルキュトリーや、パストラミを使ったサンドイッチ、胡椒を振った鴨肉のロティはワインもお料理もどちらも引き立ててくれます。生ハムとフレッシュフィグ(いちじく)のサラダなども、重すぎないア・ポルテラ(A POLTERA)にぴったり。
チーズはソフトタイプからハードタイプまで、クセの強いものでなければどれを合わせても美味しく楽しんでいただけます。
意外なところでは、山椒を振った鰻の蒲焼にもマッチしますし、サーモンなどの脂の乗ったお魚のロースト、キノコのソテー、ピーマンやアーティチョークなどの少し苦味を感じさせる野菜とも相性が良いので、ぜひ試してみてくださいね。
アルベルト・オルテ (Alberto Orte)について
言葉少なだが、ワイン造りは緻密で正確。目標は、複雑なワイン、バランスの取れたエレガントなワインを造ること。偉大なテロワールを発見し、絶滅寸前の品種を復活させることに人生の大部分を捧げてきたと言います。
ヘレス、ヴァルデオラス、リオハでワインを生産しているアルベルトは、農家であり、生産者であり、歴史家でもあります。
テロワールを反映したワインを生み出すための基本要素に、「低収量」「バランスのとれた土壌」「最高品質の原料」を挙げ、土地に合った栽培方法や醸造技術の発展のための努力を惜しまない姿と、生み出されるワインの素晴らしさから、スペインワイン界の次世代を担う造り手として支持されている生産者です。
まとめ
今回は、スペインのエレガントな赤ワイン、ア・ポルテラ(A POLTERA)をご紹介しました。
ア・ポルテラ(A POLTERA)は、標高の高い単一畑で収穫されたブドウから造られています。この標高、土壌、温暖な気候の組み合わせが、ワインに果実味とボディ、エレガントな酸味を与え、上質なピノノワールのようなミネラル感を生み出す源となっており、恵まれた区画から生み出されるワインであることから、ア・ポルテラ(A POLTERA)=“天国の扉”と名付けられました。
ヴィーガン認証も受けているワインで、食への多様性にも配慮されており、多くの人が集まるパーティーや贈り物にもおすすめです。ぜひ一度、メンシア(Mencía)から生み出されるエレガントな赤ワイン、「ア・ポルテラ(A POLTERA)」を一度味わってみてください。
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