うだるような暑さが続く、近年の日本の夏。暑い日々をなんとか乗り切るためにスペインワインのスパークリングワイン、カヴァで涼をとってみてはいかがでしょうか?ナチュラルな泡が心地よい、とくに辛口のカヴァは夏の喉を潤すのに最適!なのです。
今回は暑い夏を乗り切るのにぴったりの辛口カヴァを厳選した3種と、カヴァを使った夏におすすめのカクテル3種のレシピをご紹介します。
夏におすすめの辛口カヴァ3選
アグスティ・トレジョ・マタ グラン・レセルバ バリッカ(Agustí Torelló Mata Gran Reserva Barrica)
マカベウ種100%使用のヴィーガン認証を受けたヴィンテージ・カヴァ(Cava Vintage)です。(ヴィンテージ・カヴァとは単一年のぶどうを原料とし、最低9ヶ月の熟成を経たカヴァのこと。)
キラキラと輝く、青みがかったイエローゴールド。熟成感のあるきめ細やかな泡が夏の喉を心地よく通り過ぎます。熟した青リンゴと蜂蜜の香りに、若干のイーストの香りと樽由来のスパイシーさがあります。フルーティさと長い余韻が楽しめ、食前酒としてだけでなく、午後のお茶の時間のようなゆっくりとした時間にもおすすめです。
帆立貝や白身魚のグリルやロースト、和食であれば炭火焼にした竹の子や穴子の天ぷらなどに合わせると良いでしょう。
生産者のアグスティ・トレジョ・マタ社は1950年の創業。家族経営のワイナリーで、現在はアグスティ・トレジョ・マタと彼の4人の子ともたちによって営まれています。熱い情熱と努力を注いでカヴァ造りを行っていて、その品質の高さ、唯一無二の存在感で高い評価を獲得。スペインワインジャーナリスト作家協会(La Asociación Española de Periodistas y Escritores del Vino 、AEPEV)の選ぶ、直近10年のスペイン国内ベスト13のワイナリー にも選ばれています。
アグスティ・トレジョ・マタ社の醸造所や畑はカヴァの首都と呼ばれる、ペネデス(Pénedes)地方のサン・サドゥルニ・ダノイア(Sant Sadurni d’Anoia)にあります。ペネデスの土着品種の樹齢が長い木のぶどうを使い、ドサージュ(Dasage/加糖)を一切しないカヴァ・ブルット・ナトゥレ(Cava Brut Nature )と、極少量のドサージュをしたカヴァ・ブルットのみを生産しています。
アグスティ・トレジョ・マタ クリプタ グラン・レセルバ(Agustí Torelló Mata Kripta Gran Reserva)
マカベオ45%、パレジャーダ35%、チャレロ20%使用による、ドサージュを一切しないプレステージ(Prestige/最高級)カヴァです。
ゴールデンイエローの色調で、絹のように滑らかな熟成による泡。ぎゅっと詰まったフルーティさとクロワッサンのような甘いアロマ、カスタードクリームのような甘さとスパイシーさ、フレッシュなハーブやサイダーのような清涼感などを兼ね備えた複雑さがあります。優雅で繊細な味わいとともにたっぷりとした熟成感があり、上品な余韻が長く続きます。
キャビアや牡蠣、白カビのチーズ、新鮮なキノコ類、果物全般などに合わせるのがおすすめです。卵形の個性的なボトルは全て職人による手作りで、一つひとつ形、色ともに違います。
GOURMETS SALON2021でベストスパークリングワインに選ばれるとともに、世界一予約困難とされたスペインの三つ星レストラン、『エル・ブジ(El Bulli)』のおすすめカヴァだったこともあります。
マルケス・デ・グリニョン カバ オーガニック ブルット ロゼ ラ・ヴィ・アン・ローズ(Marqués de Griñón Cava Organic Brut Rosé La Vie en Rose)
ドサージュを一切おこなわないブルットのオーガニック認証ロゼカヴァです。モナストレル50%、ピノ・ノワール50%使用で、ぶどうは全て手摘みで収穫されます。ぶどうはワイナリーに届き次第香りを逃さないように冷却され、半分はそのままプレスされぶどう液に、もう半分はシュールリーで醸されます。12〜15ヶ月間の熟成を経て、モナストレルはイーストやクリームの香りとともにきめ細やかな泡とグレープフルーツ系の香りが残ります。そして、ピノ・ノワールがしっかりとしたボディ感を与えます。
キラキラと輝くローズピンクの色合い。イチゴやチェリーなどの赤系果実のアロマと、バラのような芳しいフローラル香と微かなキャンディのような親しみやすい軽やかなニュアンスがあります。
生ハムや魚介とトマトのマリネ、エビやサーモンなどのピンク系魚介料理、鴨のローストやフレッシュチーズなどと合わせると良いでしょう。
生産者のマルケス・デ・グリニョン社はグリニョン伯爵5世(V Marqués de Griñón)、カルロス・ファルコ・イ・フェルナンデス・デ・コルドバ(Carlos Falcó y Fernández de Córdoba )が創立した1970年代から国際的に認められてきたワイナリーです。ルエダ(Rueda)、ドミニオ・デ・ヴァルデプーサ(Dominio de Valdepusa )、リオハ(Rioja)でワインを造り、次はバルセロナ(Barcelona)でカヴァを、と望んでいたものの、残念ながらグリニョン伯爵はこの世を去ります。マルケス・デ・グリニョン社はその意思と遺産を継ぎ、モナストレルを中心とした有機農法によるカヴァの生産に取り組んでいます。「ラ・ヴィ・アン・ローズ(薔薇色の人生)」とは伯爵のライフスタイルそのものを表し、人生をポジティブに楽しむという彼の生き方へのオマージュが込められています。
夏におすすめのカヴァを使ったカクテルを紹介!
カヴァで作る、夏にぴったりのカクテルのレシピを3種ご紹介します。
カヴァのモヒート
ミントが爽やかな冷たいモヒート(Mojito)はいかがでしょうか?モヒートと言えばラム(Rum)と炭酸水が主な材料ですが、こちらは、炭酸水の代わりにカヴァを使ったちょっと贅沢なレシピです。カヴァの優しい泡がミントとライムの絶妙な組み合わせを引き立てます。甘くないので、バーベキューパーティなどのお供にもぴったりですね。
材料
- ライム(できれば無農薬)・・・2個
- ミントの葉・・・20枚
- 氷・・・適量
- カヴァ・・・1本
- ホワイトラム・・・1/4カップ
作り方
①ライムを4等分に切り、ミントと氷と一緒にピッチャーに入れます。②マドラーかスプーンでライムとミント、氷を潰しながら混ぜます。
③カヴァとホワイトラムを加え、かき混ぜて出来上がり。
カヴァのパイナップルミモザ
ミモザをパイナップルウォッカでアレンジしたレシピです。パイナップルのトロピカルな甘さがバカンスのような気分を盛り上げてくれるでしょう。材料のはちみつシロップは、はちみつ3:水1の割合で鍋に入れて混ぜ、弱火にかけてさらに混ぜ、覚ましてから使います。はちみつシロップのかわりにガムシロップで作っても良いでしょう。
材料
- パイナップルウォッカ・・・30ml
- レモン汁・・・15ml
- オレンジジュース・・・15ml
- はちみつシロップ・・・15ml
- カヴァ・・・60〜90ml
- オレンジピール・・・適量
①フルートグラスにパイナップルウォッカとレモン汁、オレンジジュース、はちみつシロップを注ぎます。
②1にカヴァを注ぎます。
③グラスにオレンジピールを添えて出来上がり。
桃たっぷり!カヴァのベリーニ
桃からピューレを作るフルーティなベリーニ(Belini)のレシピです。生の桃が手に入らない場合は無糖の桃の缶詰めや冷凍の桃を使っても良いでしょう。飾りの桃のスライスは凍らせておくとベリーニを冷たく保ってくれます。
材料(フルートグラス6個分)
(桃のピューレ)
- 白桃・・・4個(4等分にする)
- 氷・・・3個
- レモン汁・・・小さじ1
- 砂糖(お好みで)・・・大さじ1/2
(カクテル)
- 桃のピューレ・・・60ml
- カヴァ・・・120ml
- 桃のスライス・・・適量
作り方
①まず、桃のピューレを作ります。材料を全てミキサーかフードプロセッサーに入れ、滑らかになるまで混ぜます。お好みで砂糖やレモン汁で味を調節してください。②次に、フルートグラスに桃のピューレを入れます。
③グラスにカヴァを注ぎ、ゆっくりとかき混ぜます。
④桃のスライスに切り込みを入れてグラスの縁に飾って出来上がり。
まとめ
暑い夏を乗り切るのにぴったりの辛口カヴァを厳選した3種と、カヴァを使った夏におすすめのカクテル3種のレシピをご紹介しました。
ふだんはスティルのスペインワインがお好きな方も夏はカヴァを中心にお家にストックしておくと、暑い季節を爽やかに過ごすことができるかもしれませんね。冷えたカヴァで暑い夏を乗り切りましょう!