濱田洋子
論述は3問、二次試験でティスティングしたワインに関する件と保管に関する件、それと私が今回お勧めするロゼワインに関してその製法と楽しみ方に関する件が出題されました。
ロゼワイン好きとしては【やった!】という感じで、そこだけは最後の1コマまできっちりと書ききりましたが、3問の論述を行うにはとにかく時間が足りなくて焦ったことを覚えています。
サービス実技の前にはYOUTUBEなどでワインスクールの先生の実技対策を何度も拝見し、イメージトレーニングを繰り返しました。
滑らかにサービスを行いながらお客様との円滑なコミュニケーションを図る…先輩ソムリエの方々がさりげなくなさっている事の難しさを試験が進むにつれて感じ、尊敬の念が強くなっていったソムリエ試験受験でした。
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廣川牧
エキスパートとソムリエの試験で一番大きく違うところは、ソムリエにはサービス実技の三次試験があるところです。周りからは、エキスパートのバッジを持っているのにソムリエを受験するの? とよく尋ねられましたが、自分にとっては、自己の追求欲でワインと向き合ってきた過去の自分から、果たしてサービスのプロとして、接客の一環でワインを扱う資格を認定されるのか、大きく意味合いの異なる部分でした。なので、二次さえ受かれば殆ど心配ないよ、と他人から言われても、ソムリエを受験するメインの目的が三次試験にすべて詰まっていましたから、緊張も二次試験とは桁違いでした。
実技の練習には有料講座の動画を何度も視聴しました。自分は器用ではないので、体に動作が染みつく位に覚え込まないと、本番ではきっと緊張で頭が真っ白になるに違いないと確信していたので、実際にワインを抜栓して何度も何度も練習し、週末は友人に協力して貰い自分の姿の動画撮影もしながら練習をしました。これが結果的に別の意味で頭が真っ白になる原因になりました。
試験当日、アナウンスを聞いてパニックになりました。これまで繰り返し視聴し、この日の為に体に沁みつけた講座内容の手順と、要求されたルールがいくつか違っていたのです。接客のプロは臨機応変に対応することが必須で要求されます。一つの動作を思考停止でただ覚えれば合格すると思い込んでいた自分の浅はかさに絶望しました。そんな破壊された精神状態でどうやって終えたのか実は自分で殆ど理解していないのですが、唯一記憶に残っているのは、ワインをこぼさない様にすること、笑顔でいること、この二つだけは死守せねばと試験を通して思っていた事です。試験管は皆お客様なのだと、サービスしている気持ちを心掛けて…
合否よりも、勉強しなければならないことがまだまだたくさんあるのだと試験本番中に身に染みた経験でした。現場で何気なく接客をしながらワインを扱うプロのサービス業の方々の凄さを改めて思い知ることが出来ました。
最後に、この度の試験対策にご指導いただいた皆様と、一緒に励まし合いながら頑張ったスコルニの皆に心より感謝いたします。