世界で初めて商品化を成功！プティ・ヴェルド100%の希少な赤ワイン

フランス、ボルドーの在来種である赤ワインぶどう品種Petit Verdot（プティ・ヴェルド）。フランスにおいて、Petit Verdot（プティ・ヴェルド）は他のメインぶどうにアクセントとしてごく少量加えられる脇役として生産されることがほとんどで、単体で飲むことのできる機会は多くありません。 

しかし、スペインやオーストラリア、アメリカなどのいくつかのワイナリーでは、Petit Verdot（プティ・ヴェルド）を100%使い、その特徴を活かした赤ワインが生産されています。

今回は、Petit Verdot（プティ・ヴェルド）の生産量２位でもあるスペイン。中でも世界で初めてPetit Verdot（プティ・ヴェルド）単体ワインの商品化を成功させた名ワイナリーが造る「Marqués de Griñón Petit Verdot （マルケス・デ・グリニョン プティ・ヴェルド）」をご紹介します。

Petit Verdot（プティ・ヴェルド）について

Petit Verdot（プティ・ヴェルド） は、フランス南西部を原産とする赤ワインぶどうです。フランスでは、ボルドー地方でカベルネソーヴィニヨンやメルローのブレンドとして主に栽培されており、Petit Verdot（プティ・ヴェルド）の濃い色合いとスパイスのアクセントを与えることができます。5%以下の少量でブレンドされることが一般的であり、ボルドーにおいて単体でワインが生産されることはめったにありません。その理由として、Petit Verdot（プティ・ヴェルド）は、ぶどうが熟すまでに時間がかかるため、大量に栽培することや、ぶどう本来の特徴を活かしたワインを造ることが難しいことが挙げられます。

Petit Verdot（プティ・ヴェルド）のPetit（プティ）とはフランス語で“小さい”、Verdot（ヴェルド）は“緑色”という意味を持ちます。これは、Petit Verdot（プティ・ヴェルド）が他のぶどう品種と比べて、完熟するのが遅い晩熟品種であることから名付けられました。

Petit Verdot（プティ・ヴェルド）の味わい

いずれの場合も、黒ワインと呼ばれることもあるほど色が濃く、黒紫色をしています。ブラックペッパーやコーヒー、カカオなどのスパイスのニュアンスが強く、しっかりとした骨格と、豊富なタンニンを感じることのできるパワフルなぶどう品種です。

熟すまでに十分な日照時間が必要なPetit Verdot（プティ・ヴェルド）は、フランスのような涼しい気候では、乾燥したハーブや熟す前の甘酸っぱいブラックベリーのような味わいとなります。一方で、スペインやオーストラリアなどの温暖な気候で育つPetit Verdot（プティ・ヴェルド）は、ブルーベリーやカシスのジャムといった甘い黒系果実のアロマにスミレのようなエレガントな香りを特徴とします。

完熟しきっていないPetit Verdot（プティ・ヴェルド）は、タンニンや酸味が強すぎるため、単体でワインを造るには、冷涼な気候よりも、温暖な気候が適しているとされています。

Marqués de Griñón Petit Verdot ― マルケス・デ・グリニョン プティ・ヴェルド ―

【商品情報】　

Marqués de Griñón Petit Verdot （マルケス・デ・グリニョン プティ・ヴェルド）について

Marqués de Griñón Petit Verdot （マルケス・デ・グリニョン プティ・ヴェルド）は、世界でも数少ないPetit Verdot（プティ・ヴェルド）を100%使用して造られた濃厚な赤ワインです。

ブドウは、平均海抜490mの粘土石灰岩土壌で栽培されたブドウ畑から収穫されます。

カスティーリャ・ラ・マンチャ州D.O. Dominio de Valdepusa（D.O.ドミニオ・デ・バルデプーサ） で造られています。この辺りの平均降水量は450mmと乾燥しており、平均気温は17℃の夏は暑く、冬は寒い、寒暖差の激しい大陸性気候です。昼夜の寒暖差も激しいため、よく完熟した高品質なPetit Verdot（プティ・ヴェルド）を栽培することができます。

処理のために、ストリッピングと発酵タンクへの重力による排出が行われます。発酵プロセスが完了すると、4 ～ 5 週間続くマセラシオンが行われます。 最後に、ワインはアリエール/ヌヴェール産のフレンチオークの新樽で12ヶ月、その後7ヶ月の瓶内熟成が行われます。

味わいの特徴

深く濃いルビー色のMarqués de Griñón Petit Verdot （マルケス・デ・グリニョン プティ・ヴェルド）は、熟した黒系果実の香り、乾燥したハーブや、花や森の高貴なアロマに、スパイスのニュアンスもあり、風味豊かで素晴らしい深みと凝縮感のあるPetit Verdot（プティ・ヴェルド）ワインです。

口に含むと、Petit Verdot（プティ・ヴェルド）の特徴でもあるブラックチェリーと、カシス、プラムにチョコレートのような香り、高貴なフランチオークからくるクリーミーさや、香ばしいトースト香、挽きたてのブラックペッパー、シナモンやタバコのようなスパイスとスモーキーさがアクセントとしてバランス良く広がります。

肉厚のあるタンニンが、ワインに厚みと存在感をを生み出します。飲んだ後の余韻が長く、生き生きとしたフレッシュで凝縮感のある果実味と深みのある味わいを長くお楽しみいただけます。

おすすめのペアリング

黒系果実のアロマ、スミレのような華やかな香りにスパイスをアクセントとして感じられるMarqués de Griñón Petit Verdot （マルケス・デ・グリニョン プティ・ヴェルド）。ほどよくタンニンがあるので、赤身のあるステーキやローストビーフ、熟成したお肉、ビーフシチュー、濃いめのチーズとの相性が抜群です。

スモークやグリルで香ばしい香りのついた食材やスパイシーに味付けされた食事ともよく合います。飲む際には、デカンタージュすることをおすすめします。

Pagos de Familia Marqués de Griñón（パゴス・デ・ファミリア・マルケス・デ・グリニョン）について

Pagos de Familia Marqués de Griñón（パゴス・デ・ファミリア・マルケス・デ・グリニョン）は、1983年に設立されたワイナリーです。

カルロス・ファルコ公爵は、1982年にかの有名なシャトーマルゴーのティスティングに訪れた際、Petit Verdot（プティ・ヴェルド）のワインに大変感動しました。そこでシャトーマルゴー醸造家にPetit Verdot（プティ・ヴェルド）100%のワインが造れないかを聞いたところ、この品種は充分な日照時間がないと完熟しないため、収穫量が少なく、単体で造ることは難しいと言われました。

ところが、この時の感動が忘れなかったため、モンテス・デ・トレドにある自社の畑での栽培を決意しました。幸運なことに、この地域は、フランスに比べて乾燥しており気温が高く、昼夜の寒暖差も激しいことから、Petit Verdot（プティ・ヴェルド）を完熟させるのに適切な地域であると確信。初めてシャトーマルゴーでPetit Verdot（プティ・ヴェルド）を試飲してから、10年の年月を経て試行錯誤の結果、1992年にドミニオ・デ・バルデプーサにて、ついにプティ・ベルドの栽培を開始しました。Pagos de Familia Marqués de Griñón（パゴス・デ・ファミリア・マルケス・デ・グリニョン）は、スペインで最初のPetit Verdot（プティ・ヴェルド）を栽培・生産を成功させたワイナリーとなりました。

1994年にファーストヴィンテージをリリースし、スペインワインの歴史に新しいページを切り開きました。2006年にはフランスのワイン評論家によるワイン本「世界トップワイン100」でカルロス・ファルコが世界ではじめてPetit Verdot（プティ・ヴェルド）100%のワイン商品化に成功したとして賞賛されました。

まとめ

栽培が難しいPetit Verdot（プティ・ヴェルド）は、ぶどう品種単体で高品質なワインを造ることはほぼ不可能とも考えられていました。

ところが、Petit Verdot（プティ・ヴェルド）100%のワイン生産にこだわり抜いたPagos de Familia Marqués de Griñón（パゴス・デ・ファミリア・マルケス・デ・グリニョン）が世界で初めて単体でのワイン造りに成功。今日では、Petit Verdot（プティ・ヴェルド）のパイオニアとして知られています。

彼らが長年の研究を重ねて完成したMarqués de Griñón Petit Verdot （マルケス・デ・グリニョン プティ・ヴェルド）は、Petit Verdot（プティ・ヴェルド）の長所を最大限に活かした深い味わいで、とっても魅力的なワインに仕上がっています。