スペインワインと日本食の相性は抜群!?日本食と相性の良いスペインワインを紹介 スペインワインと日本食の相性は抜群!?日本食と相性の良いスペインワインを紹介

スペインワインと日本食の相性は抜群!?日本食と相性の良いスペインワインを紹介

日本食と一緒に飲む飲み物といえば日本酒、ビール、焼酎、という方は多いかもしれません。しかし、実はワイン、とくに、スペインワインと日本食の相性が非常にいい、という意見もあるのです。なぜなのでしょうか?

その秘密は、スペイン料理にあります。スペインは多様な気候帯や地形があり、地方ごとにさまざまな食材、調理法があり、豊かな食文化があります。その多様性ある食文化の中に、日本食との共通点がいくつか見受けられるのです。そして、その最大の共通点として、魚介をふんだんに使用する料理である、ということが挙げられるでしょう。

今回はスペインワイン と日本食の相性について、スペインの魚介料理やスペイン料理と日本食との共通点、そして、日本食と相性の良いスペインワインについて解説します。

スペインは日本と同じく魚介を好む国 

スペインは地中海、大西洋、カンタブリア海(Mar Cantábrico)に面しています。内陸部では肉や野菜などの山の幸が豊富ですが、沿岸部では海の幸が重要な食材です。

海の幸を使った代表的なスペイン料理には以下のようなものがあります。

パエリア・デ・マリスコ(Paella de marisco/魚介のパエリア) 

スペイン料理といえば、パエリアですね。パエリアはバレンシア地方(Varencia)発祥とされますが、現在ではスペイン全土で食べられています。魚介のパエリアは海の幸のスープがお米に染み込んだ、出汁になじんだ日本人好みの味です。

マルミタコ(Marmitako/マグロとジャガイモのトマト煮)

ニンニクと玉ねぎ、パプリカなどと共にマグロをトマト煮にした料理です。バスク地方(Euskal Herria)の漁師の料理で、マグロ漁船で食べられていた煮込み料理にルーツがあります。マルミタコはバスク語で「鍋から」という意味です。

カラマリ・レジェーノ(Calamar relleno/イカの詰め物)

スペインでは柔らかいヤリイカを使い、詰め物にします。ニンニクと炒めた玉ねぎやイカの足を詰め、トマト煮にするのが基本のようですが、日本のイカ飯のように米を詰めることもあります。

プルポ・ア・フェイラ(Pulpo a feira/タコのガリシア風)

ガリシア地方(Galicia)の名物料理で、タコを茹でて、切って、パプリカと塩とオリーブオイルをかけ、木皿に持って温かいままいただく、海の幸の旨みがそのまま味わえる料理です。

バカラオ・アル・ピルピル(Bacalao al Pil-Pil/タラのピルピル)

干しダラを長時間かけてオリーブオイルで熱し、旨味とゼラチンを引き出して作られるバスク地方の料理です。弱火で調理しているときにオイルが「ピルピル」という音がするということから、この名前になったと言われています。

アルメハス・ア・ラ・マリネラ(Almejas a la marinera/あさりの漁師風)

あさりをオリーブオイルで炒めた玉ねぎやニンニク白ワインや小麦粉などとともに蒸し煮にしたガリシア地方の料理です。クリスマスやお祝いごとの定番料理でもあります。

マリスコ・ア・ラ・プランチャ(Marisco a la plancha/魚介の鉄板焼き)

プランチャはスペイン版鉄板焼きで、日本と同じように魚介やきのこ、野菜や肉なども材料となります。塩とオリーブオイルやニンニク、パセリやレモン汁などで味付けします。

スぺイン料理と日本食は似ている!? 

スペイン料理が日本食と同様、魚介類を多用することはここまででおわかりいただけたのではないでしょうか。ほかにも、スペイン料理には日本食との共通点があります。

それはまず、味付けがシンプルだということです。スペイン料理の味付けはオリーブオイルとニンニク、塩が基本です。醤油や塩だけでさっぱり食べることが多い日本食と同様、シンプルな味付けで素材の味を楽しむ料理が多いのです。

また、スペイン料理は米を使うレシピが多いことも日本食との共通点でしょう。スペイン料理にはパエリアの他にも汁気のある米料理のカルデロ(Caldero)など米を使うレシピが多く、日本人にも親しみやすい料理が多いのです。

日本食とのペアリングにおすすめのスペインワイン

海の幸を多用したり、味付けがシンプルだったり、米を使ったりなど、日本食との共通点が多いスペイン料理。そのスペイン料理と一緒に飲まれるスペインワインですから、日本食との相性もいいのです。ここからは、日本食とのペアリングにおすすめのスペインワインをご紹介します。

モルスカ ブランコ(Mollusca Blanco)

キラキラとしたレモン色の酸味のバランスに優れたヴィーガン認証の白ワインです。柑橘の香りとハーブのフレシュな香りが寿司や天ぷら、塩味の焼き鳥などによく合います。フレッシュなアタックの奥に厚みがあり、ほのかなミネラル感があります。ヒロ・ロス(Giró Ros)とシャルドネ(Chardoney)、マルバシア(Malvasia)とソーヴィニヨン・ブラン(Sauvignon blanc)を使用していて、それぞれのぶどうの個性を生かしながら果実味と複雑さを兼ね備えた魅力があります。

造り手はバレアレス諸島(Islas Baleares)のマヨルカ島(Mallorca)の南にあるボデガス・ヴィ・レイ(Bodegas Vi Rei)です。海岸から4kmの位置にあり、海風の影響が強いエリアでワインを造っています。2014年の創業で、マヨルカ島で栽培されたぶどうを活かすワイン造りをおこなっています。

サン・レオン マンサニージャ レセルバ・デ・ファミリア(San León Manzanilla Reserva de Familia)

渋みのある黄金色で、ヘーゼルナッツやマカダミアナッツのようなアロマがある熟成タイプのマンサニージャです。ほんのりとしたミネラル感が天ぷらや焼き魚などとよく合います。バランスの良い味わいで、口当たりは柔らか。口の中でパアッと広がる華やかさがあり、長く続く余韻もあります。

造り手はアンダルシア州(Andalucía)のグアダルキビル(Guadalquivir)河口の港町、サンルーカル・デ・パラメダ(Sanlúcar de Barrameda)にあるエレデロス・デ・アルグエソ(Herederos de Argueso)です。1822年創立の家族経営によるワイナリー で、古い樽を修理、修復品しながら200年以上もの間使用し、ワインの熟成に使っています。

チャコリ カチニャTxakoli Katxiña

バスク地方の微発泡ワイン、チャコリはフレッシュな酸味とミネラル感があり、和食ともよく合います。こちらのオンダラビ・スリ(Hondarrabi Zuri)100%のチャコリは爽やかな果実味と酸のバランスが良く、魚介類の鉄板焼きや炭火焼き鳥、刺身などとのペアリングにおすすめです。20センチほどの高さからグラスに注ぐ、エスカンシアール(Escanciar)が推奨されています。

美食と芸術の街、サン・セバスチャン(San Sebastián)から車で20分ほどの漁師町、オリオ(Orio)にあるボデガ・カチニャ(Bodega Katxiña)はこのチャコリのみを専門で造っています。イニャキ(Iñaki)とイサスクン(Isaskun)兄妹が両親の経営するレストランのみで提供されていたこのチャコリを提供するためにワイナリーを立ち上げました。

エステバン・マルティン クリアンサ(Esteban Martín Crianza

きれいなルビー色で黒系果実のニュンスがギュッと詰まった絹のような口当たりの赤ワインです。酸とタンニンが絶妙なバランスで、スパイシーさもあり、すき焼きなど、甘めの味付けの肉料理との相性がぴったりです。

造り手のエスティバン・マルティンはアラゴン州(Aragón)南部のカリニェナ(Cariñena)に2003年に設立されたワイナリーです。170ヘクタールを超える広大な畑で土地の特性に合うぶどうのみを栽培しています。畑の中心に醸造所があるため、収穫後のぶどうをすぐに運び込み、鮮度を保ったまま仕込める環境となっています。

まとめ

スペインワインと日本食の相性について、スペインの魚介料理やスペイン料理と日本食との共通点、そして、日本食と相性の良いスペインワインについて解説しました。ここで紹介したスペインワインと日本食の組み合わせ以外にも、きっとたくさんのペアリングが存在するはずです。ぜひ、みなさんそれぞれのペアリングを発見し、楽しんで見ていただければと思います。

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