芸術の秋におすすめのワインを紹介いたします! 芸術の秋におすすめのワインを紹介いたします!

芸術の秋におすすめのワインを紹介いたします!

食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋、そして、芸術の秋ですね。

今回は芸術の秋におすすめのスペインワインを紹介するとともに、芸術の秋という言葉がなぜ広まったのか、そして、芸術とワインの深い関係についても解説します。

ぜひご一読いただき、ワインとともに秋を楽しむためのヒントにしていただけたら幸いです。

 

なぜ芸術の秋というの?

「芸術の秋」という言葉が一般的に使われている理由はさまざまあります。

そのひとつは、秋の過ごしやすい気候が関係しているとされています。暑い夏が過ぎ、朝夕にはひんやりと心地よさが感じられる秋の気候になり、心や身体への負担やストレスが少なくなり、芸術を楽しむゆとりができるため、芸術の秋、だと言われるのです。

また、秋は植物の葉が色づき始め、野菜や果物などの収穫物が実をつける季節であり、美しい景色を楽しめる季節でもあります。そして、その景色を残したいと考え、写真を撮ったり絵を描いたりしたくなる季節でもあるのも、理由のひとつとでしょう。

そして、「芸術の秋」という言葉を多くの人に広めた存在として、雑誌「新潮」が挙げられます。1918年に発行された「新潮」に「美術の秋」という言葉が載り、後に「芸術の秋」に変化し、広まったと言われているのです。

また、秋には二科展や日展、院展などの日本を代表する展覧会のほか、多くの美術展が開催されていることも芸術の秋という言葉の由来になっているようです。

 

芸術とワインの関係

ワインと芸術は、昔から深い関係にあります。さまざまな名だたる芸術家がワインを愛し、数多くの作品や物語にワインを登場させています。

例えば、20世紀の文学界、そして、文化に大きな影響を与えたアメリカの作家、アーネスト・ヘミングウェイは無類の酒好き。そのなかでもワインへの愛情がとくに大きく、

「ワインは私たちが手に入れることのできる限りのものの中で、もっとも感覚的な喜びを与えてくれるものである。」

という言葉を残しています。そして、メドック格付け第一級のシャトー・マルゴーを孫娘の名前に名付けたほどでした。

また、「異邦人」で有名なフランスの作家、アルベール・カミュも、ワインと関係が深いことで知られています。1913年にフランス領アルジェリアの貧しい家庭に生まれたカミュの父はフランスへ輸出するワインの生産会社、リコム社でぶどう栽培をしていました。44歳の若さでノーベル文学賞を受賞したカミュは賞金でプロヴァンスのルールマラン村に家を買い、この村で一般消費用ワインを造っていたのです。

また、パリを中心に活躍した日本を代表する洋画家、藤田嗣治は下戸で、ワインは飲めませんでしたがG..マム社のシャンパーニュだけは愛好していました。そのこともあり、マム社のラルー社長は藤田を強力に援助し命をかけて衣食住を支えたのです。

藤田はレオナルド・ダ・ヴィンチの名前から取ったレオナール・フジタをクリスチャンネームとし、ランス大聖堂で洗礼を受けます。この時のゴッドファーザーもラルー社長が務め、

ラルー社長は、クリスチャンになったフジタのため、マム社の隣に礼拝堂まで建てます。そして、80歳目前の藤田はこのチャペルの壁一面にフレスコ画法で宗教画を描き、命を削ってフレスコ画を描いた藤田は81歳で他界するのです。

そして、ワインと芸術の関係を語る上で、欠かせないのが「アートラベル」の存在です。産地や生産年なの情報に加え、ラベルあるいはボトルに絵や文字、彫刻などを施したものが、「アートラベル」です。アートラベルには著名な芸術家が描くものや、ワインにまつわる歴史やエピソードが表現されているものなどさまざまなものがあります。

有名なアートラベルとして筆頭に挙げられるのが「シャトー・ムートン・ロスチャイルド」です。これまで、ミロやシャガール、ピカソにダリなど、著名な芸術家たちがラベルを描いたことで知られていて、1945年から毎年異なるラベルでリリースされています。そして、2021年には30年ぶりに日本人アーティストがアートラベルを手掛けたことでも話題になりました。

 

おすすめのスペインワインの紹介

芸術の秋にぴったりのおすすめのスペインワインを紹介します。

 

パイサジェス・ピカシアンズ(Paisatges Picassians

ボデガ「レス・ビニェス・デル・コンベント」の初リリース、そして、日本初上陸のオレンジワインです。ピカソが愛した白ワインをイメージし、輝きのあるライトなアンバーカラーに仕上げています。アロマは優しい柑橘系、そしてハーブやアプリコット、ティーフレーバーが追いかけます。酸は穏やかでタンニンはほのかで心地良く、フルーティです。奥深い味わいで口馴染みが良く、広がりを見せます。亜硫酸無添加。ペアリングにおすすめなのはりんごとクルミなど、フルーツとナッツを組み合わせたサラダや蒸し鶏のマリネ、ドライフルーツ、赤貝やサーモンなどのお寿司などです。

パブロ・ピカソは若かりし頃、レス・ビニェス・デル・コンベントがある村、オルタ・デ・サン・ホアンに住んでいました。その美しい風景はピカソの創作活動に大きな影響を与えたと言われていて、ピカソは「私の知っているすべてはオルタで学んだ」という言葉を残しています。

 

ライモス・インモルタリタット ティント(Raims Immortalitat Tinto

シュールレアリズムの巨匠でスペインを代表する芸術家、サルバドール・ダリの作品をラベルにまとったオーガニック認証ワインです。色合いはルビーレッド。凝縮感のある黒系果実のアロマとタンニンと酸味、果実味のバランスが絶妙で、エレガントな仕上がりです。銘柄名はダリの作品「ライモス・インモルタリタット」が由来です。カタルーニャ語で「不死のぶどう」を意味しています。ラベルに用いて敬意を表した逸品。ペアリングにおすすめなのはマッシュルームなどのきのこのグリルやローストビーフ、ラムシチューなどの赤身肉を使った料理などです。

 

アベジェロル(Abellerol

マスカット種100%使用の華やかで可憐な辛口オーガニック白ワインです。色合いは輝く淡い黄色で、香りは小さい白い花などの甘く繊細な香りとオレンジや桃の皮などの甘味とフレッシュさ、ハーブなどのニュアンスも感じ取れます。味わいはまず甘み、その後バランスの良い酸味が口に広がり、優しい味わいの余韻も長く続きます。

名称は畑やボデガに現れるオオルリという鮮やかで美しい小型の野鳥に由来した名前です。

ペアリングにおすすめなのは魚料理全般と山羊や羊のチーズなど、塩味と独特の香りやコクが特徴のチーズなどです。

このワインで特筆すべきはボデガ「トレ・デル・べゲール(Torre del Veguer)」の建築物の歴史的価値と芸術性の高さです。1413年にはジェロニモ修道士たちによって礼拝用ワインを造るため、修道士たちが粘土と石造りによる大桶を手作りし、ワイン製造を始めたのがボデガ誕生のきっかけです。その石桶は現在でも使用され所有権は多くの権力者、有力者たちの手に渡り、1878年に現在のオーナーとなりました。その建築物は2010年にはカタルーニャ州の歴史的建造物として登録されていて、2013年からは有機農法を始め、2016年からオーガニック認証を取得、2018年にはヴィーガン認証も取得しています。 亜硫酸塩、砂糖の使用も最小限に抑えつつ、人の手を加えることも最小限に抑えた農業をおこない、ワインは畑そのものを体現したものとなっています。

 

まとめ

今回は芸術の秋におすすめのスペインワインを紹介するとともに、芸術の秋という言葉がなぜ広まったのか、そして、芸術とワインの深い関係についても解説しました。美味しい食材がたくさん登場する季節、秋に、ぜひ美味しい一品と、そして芸術とともにスペインワインをお楽しみください。

関連記事