スペインの3大祭りとお祭りに行ったらぜひ試したいお酒 スペインの3大祭りとお祭りに行ったらぜひ試したいお酒

スペインの3大祭りとお祭りに行ったらぜひ試したいお酒

バレンシアの火祭り、セビージャの春祭り、サンフェルミンはスペインの3大祭りです。

どれも一生に一度は見てみたい魅力にあふれたお祭りですが、せっかくお祭りに行くならば、その土地ならではのお酒も楽しみたいですよね。

この文章では、スペイン3大祭りの特徴とおすすめのお酒をご紹介します。

ぜひ、お祭りに行く際の参考にしてみてください。

バレンシアの火祭り

バレンシアの火祭りはラス・ファジャス(Las fallas)とも呼ばれ、315日から319日(サン・ホセ(聖ヨセフ)の日)にかけて行われます。

キリストの養父で聖母マリアの夫だったサン・ホセは、大工の守護聖人です。

中世のころ、大工はろうそくをつるすために冬の間使っていた「パロット」と呼ばれる木片を、319日の前日に燃やしていました。その後、「パロット」に古い敷物の洋服を着せるようになり、19世紀半ばころから、巨大な人形が作られるようになりました。

バレンシアの火祭りは、2016年、ユネスコの無形文化遺産に選ばれました

バレンシアの火祭りに行ったら、見逃せないイベントをいくつかご紹介します。

マスクレタ

マスクレタは、31日~19日まで毎日1400から約5分間、市庁舎前広場で開催される爆竹ショーです。

爆竹というと道路で鳴らすイメージがありますが、マスクレタでは爆竹が花火のように空に舞い上がります。爆竹が鳴る音も煙が立ち昇る様子も迫力満点です。

爆竹音で耳鳴りがする可能性もあるので、耳鳴り対策として、口を少し開いた状態で見ることをおすすめします。

オフレンダ・デ・フローレス

オフレンダ・デ・フローレスは、ビルヘン広場で17日と18日の16:00から夜まで行われる行事です。

オフレンダ・デ・フローレスでは、民族衣装を着た女性たちが、バレンシアの守護聖人である、高さ約15mの聖母マリア像に自宅から持ち寄った花を捧げます。土台がむきだしだった聖母マリア像のケープ部分は、どんどん花で埋め尽くされていき、最後にはケープのデザインが完成します。

クレマ

バレンシアの火祭りでは、「ニノット」と呼ばれるアニメから飛び出してきたようなユニークな人形が、いろんな会場に点在して飾られています。

その数合計、700以上。中には、高さ20mほどの巨大な人形も展示されています。

スエカ通りとリテラトアゾリン通りの交差点周辺の会場では、ニノットの展示以外にも、神戸のルミナリエのような電飾のイルミネーション・コンテストが開催され、ブニュエロ(スペイン風揚げパン)などの屋台も並ぶので、ぜひ出かけてみてください。

18日に行われるクレマ(スペイン語で「燃焼」という意味)では、22時から風刺性のない子供向けのニノット、0時から1年間に活躍した政治家や有名人を風刺した大人向けのニノットが燃やされます。

ですが、人気投票でトップになった作品だけは、火祭り博物館で展示されるため、保存されることが決まっています。

高いものでは数千万円かかっているニノットが燃えて灰になる様子には、潔さを感じます。

その年のニノットは2度と見ることができないので、クレマが始まる前に会場を回って、いろんな作品を目に焼き付けておくと良いでしょう。

花火

15日から18日には花火大会が開催されます。

最終日の花火は「ニット・デル・フォック」と呼ばれ、最も規模が大きくなっています。いろんな形の花火が間を置かずに次々に打ち上げられる様子は、迫力満点です。

バレンシア州では、この花火の名にちなんだ「ニット・デル・フォック」というカバも作られています。お祭り期間に、「ニット・デル・フォック」を飲むのもおすすめです。

バレンシアの火祭りでは、野外コンサートやパレード、闘牛などのイベントも開催されるので、興味のある方はご覧になってみてはいかがですか。

セビージャの春祭り

セビージャの春祭りは、1847年に家畜市として始まりました。正式名称は、「4月の市」を意味する、フェリア・デ・アブリル(Feria de Abril)です。1973年からは、グアダルキビール川をはさみ、旧市街の対岸にある、ロスレメディオス地区で開催されています。

セビージャの春祭りは、カトリック国であるスペインでは珍しい、宗教色のないお祭りです。イースターの約2週間後から1週間開催されます。

会場内には、赤と白または緑と白の縦じまのシートに覆われた、1,000以上のカセータ(仮設テント)が並びます。

セビージャの春祭りでは、女性はフリルがついたカラフルなフラメンコドレスにショール(マントン・デ・マニラ)と花の髪飾りなど、男性はフェルト帽にボレロ・ジャケット、カウボーイのように革製のチャプ(チャパ)を身に付けることが推奨されています。男性の衣装は、かつては牛の見本市に行く人の仕事着でした。

では、これからセビージャの春祭りの見どころをいくつかご紹介したいと思います。

アルンブラオ

月曜日の深夜0:00に始まる点灯イベントです。

市長がボタンを押すと、会場内の電球が徐々に点灯していきます。

最初に点灯するのは、セビージャにある建物や歴史などに着想を得てデザインされた入場門(ポルタダ)です。

明かりが灯った会場は、昼とはまた違った魅力があるので、できれば昼と夜の2回、会場を訪れてみてください。

パセオ・デ・カバージョス

闘牛士の名にちなんでつけられた会場内の通りは、日中(12:0020:30)に限り、馬が通ることができます。

パセオ・デ・カバージョスは、運転手付き馬車のレンタルサービスです。

レンタルしたフラメンコドレスに身を包み、セビージャっ子になった気分で、馬車に乗って会場内を巡ってみるのも楽しいかもしれません。

セビジャーナス

セビジャーナスは、カスティーリャ地方の民俗舞踊・セギディージャがもととなって生まれた踊りで、フラメンコの影響も受けています。伴奏は、フラメンコと異なり、お祭りらしい明るい曲調で、21組で踊ります。

カセータの通りに面したスペースでは、セビジャーナスを踊る人を多く見かけます。カセータの前面が覆われていない時には、誰でも通りすがりに見学することができます。

大半のカセータは、招待状を受け取ったり、知り合いがいたりしないと中に入ることができませんが、市町村や組合、政党のカセータ(2019年は計17ヶ所)ならば、誰でも出入り自由です。運が良ければ、それ以外のカセータに入れてもらえる可能性もあります。

会場内の通りでも、セビジャーナスを踊る人を発見できるはずです。

セビージャの春祭りでは、他に、仮設遊園地やサーカス、花火などのイベントも開催されます。

また、グアダルキビール川の対岸にあるマエストランサ闘牛場では、花形闘牛士による闘牛も行われます。

セビージャの春祭りのおすすめドリンク

セビージャの春祭りでは上質なワインやマンサニージャ(・デ・サンルーカル)が飲まれてきましたが、最近は、マンサニージャをスプライトまたはセブンアップで割って、氷を入れた「レブヒート」と呼ばれるカクテルが人気です。

マンサニージャは、グアダルキビール川の河口にあるサンルーカル・デ・バラメーダで作られる辛口シェリー酒(フィノ)です。

他のフィノと差別化を図るため、マンサニージャという別名で呼ばれるようになりました。

大西洋からの風を受ける環境でつくられるため、潮の香りがするのが特徴で、通常のフィノよりも繊細な味わいがします。

現在でも、セビージャの春祭り期間中に、約150万本のマンサニージャのハーフボトルが消費されているそうです。

セビージャの春祭りを訪れたら、ぜひマンサニージャやレブヒートを試してみてください。

サンフェルミン

パンプローナの牛追い祭りとして知られる「サンフェルミン」は、12世紀にはじまりました。サンフェルミンは、パンプローナの守護聖人の名前です。

もともとは宗教的な行事でしたが、年を経るにつれ、イベント色が濃くなっていきました。

18世紀には外国人も祭りに参加するようになり、1926年に書かれたヘミングウェイの小説「日はまた昇る」で世界的に有名になりました。

お祭りは、77日のサンフェルミンの祝祭日をはさみ、7月6日~14日までの9日間開催されます。

サンフェルミンに行ったら見逃せないイベントをご紹介します。

エンシエロ

エンシエロは、7月7日~14日の毎朝8:00に行われる、サンフェルミンの代名詞的なイベントです。

肉屋の若い店員さんが牧場から肉屋まで牛を連れてくる時、前を走りながら誘導したのがきっかけで生まれました。

18歳以上でお酒を飲んでいない人ならば、誰でも無料で参加することができます。度胸試しのため参加する外国人も多いです。死亡事故も起きていますが、意外と大きな事故は少ないそうです。

2,000人の参加者は、6頭の牡牛と6頭の去勢された導き牛(カベストロス)に追われながら、サントドミンゴ通りから闘牛場まで875mを駆け抜けます。

見るだけでもスリル満点です。観客席は通りの両側にありますが、フェンスで遮られているので、牡牛が飛び込んでくる心配はなく、安心して見学することができます。

チュピナソ

チュピナソは、7612:00に市庁舎広場で行われるオープニングセレモニーです。

サンフェルミンのドレスコードである赤いスカーフ、白い服姿の参加者が密集し、身動きが取れない状態の広場に、祭りを開始する合図の「チュピナソ」というロケット花火が発射されると、赤いスカーフを振り回し興奮状態にある参加者に、大量のシャンパンが降り注がれます。

ヒガンテス・イ・カベズドス

ヒガンテス・イ・カベズドス(巨人とビッグヘッド)のパレードでは、パレードの途中、高さが約4mある、王様と王女のペア巨人(ヒガンテス)4対を、巨人の中に入った人がくるくる回します。

巨人は、4対で世界の4ヶ所(ヨーロッパ、アフリカ、アジア、アメリカ)をあらわしているそうです。

パレードには、巨大な頭の被りもの(カベズドス)を被った人も参加。カベズドスの内、2体はなぜか日本人です。

カベズドスやザルディコ(半人半馬)は、祭りの期間中、棒の先に黄色いボールがつながったものを振り回し、子どもを中心に、たまに大人もねらってぶつけてくるので、ご注意ください。

闘牛

スペインのいろんな場所で闘牛は開催されていますが、パンプローナの闘牛の特徴は、ペーニャと呼ばれる複数のグループが、ブラスバンドで闘牛を盛り上げるところです。

エンシエロに参加した牡牛6頭が、花形闘牛士と闘牛を行います。

花火

2000年から、花火師の技を競い合う、国際的な花火大会に生まれ変わりました。

毎晩23:00から、シウダデラ(要塞)公園で行われます。

巨大観覧車のあるアントニウッティ公園や聖人サンフェルミンのパレードなど、他にも見どころがいっぱいのサンフェルミン。

地元の人は、チュロス(チュレリア)とホットチョコレート(またはコーヒー)が定番の朝食ですが、外国の観光客の中には朝からアルコールを飲む人もいるのだとか。

ブランチでは、ワインやカリモーチョ(コーラ入り赤ワイン)のようなワインのカクテルを飲む人が多いようです。

サンフェルミンらしいお酒としては、ナバーラ地方のリキュール・パチャランがあります。ナバーラ州では毎年「ワイン・パチャラン品質コンクール」が開かれています。

昔はワインを携帯するための革袋「ボタス・デ・ヴィノ」を使う人が多かったそうですが、最近は近くのお店でお酒を調達するのが一般的です。

まとめ

以上、スペイン3大祭りについてご紹介しました。

スペイン3大祭りの中には、サンフェルミンのように、ほぼ休みなくイベントが続くお祭りもあります。あまり無理をせず、途中で休憩をとりながら、マイペースでお祭りを楽しんでみてください。

関連記事