世界中で最も広く栽培されている赤ワイン用ぶどう品種の一つであるガルナチャまたはガルナッチャ(Garnacha)は、スペインリオハの固有ぶどう品種です。世界各国で栽培、生産されているガルナチャですが、単一かつ100年以上の高樹齢で造られるワインは世界的にもほとんどなく、貴重なワインです。
本記事では、そんな希少価値のあるスペインリオハの赤ワイン「Garnacha 1921(ガルナチャ 1921)」をご紹介します。
ガルナチャ(Garnacha)について
スペイン語でガルナチャとは、宝石のガーネットを意味します。ガルナチャの色合いが淡いガーネット色をしていることからこの名前が付けられました。スペイン以外では、グルナッシュ(Grenache)として知られており、イタリアのサルディーナ島やアメリカのカルフォルニア、フランス南部、オーストラリアでも栽培されています。
ガルナチャの原産地はスペイン北東部のアラゴン州とされています。高温・乾燥に強いぶどう品種のため、日照時間が長く、暑く乾燥した地域での栽培が適しています。スペインではガルナチャ単一品種のワインや、同じく固有のぶどう品種であるテンプラニーリョとブレンドされた赤ワインが生産されています。
赤系果実のベリーの豊かな芳香性を特徴とし、ほのかなスパイシーさも感じられます。ガルナチャは糖度が多いため、一般的にアルコール度数が高いワインとなる傾向にありますが、ぶどうの果実味がジューシーで口当たりが柔らかく、タンニンも控えめなのでワイン初心者やフルーティーなワインがお好きな方にもおすすめです。
Garnacha 1921― ガルナチャ 1921 ―
【商品情報】
商品名 |
Garnacha 1921(ガルナチャ 1921) |
生産者 |
Bodega Las Cepas(ボデガ・ラス・セパス) |
地域 |
D.O.Ca.リオハ 【リオハ アルタ】(D.O.Ca Rioja)ラ・リオハ州 |
ビンテージ |
2019 |
生産国 |
スペイン |
ぶどう品種 |
ガルナチャ(Garnacha) 100%【樹齢100年以上】 |
おすすめ料理 |
ポークリエット、ペッパーステーキ、タンシチュー、北京ダックなど |
発酵容器 |
コンクリートタンク 8,000L |
発酵期間 |
15日間 |
発酵温度 |
24°C |
熟成容器/期間 |
フランス産オーク小樽で6ヶ月 |
度数 |
14.5% |
テイスト |
フルボディ |
飲み頃の温度 |
13~15°C |
容量 |
750ml |
Garnacha 1921(ガルナチャ 1921)について
Garnacha 1921(ガルナチャ 1921)は、リオハ固有のガルナチャ100%で造られているBodega Las Cepas(ボデガ・ラス・セパス)の限定生産、D.O.Ca.リオハの赤ワインです。
ヨーロッパのぶどう栽培において壊滅的な打撃を与えたフィロキセラの疫病が広まる以前から100年以上引き継がれている高樹齢のガルナチャのみを使用しています。ぶどう畑の登録が1921年であることからGarnacha 1921(ガルナチャ 1921)と名付けられました。
環境に適用する粘り強さを持ち、どんな困難にも立ち向かうことのできるガルナチャの持つ表情を壊さないよう、手作業による繊細な収穫とワイナリーの持つ伝統的な方法にて丁寧に生産されているため、生産量は限られています。
ワイナリーでは、高樹齢のガルナチャを有機栽培し、オーガニックでの栽培にこだわっています。リオハ固有のぶどう品種といえども、栽培されているガルナチャは全体のわずか7%であり、100年以上の高樹齢ガルナチャ単一で造られる赤ワインは貴重です。ぶどう畑の登録は、1921年となっていますが、実際にはそれ以上前からぶどう樹が植えられており、さらに800mという高地で栽培されているスタンダードなリオハとは異なった特別な逸品となっています。
味わいの特徴
非常に濃いルビーレッドの色調を持つGarnacha 1921(ガルナチャ 1921)は、野生のブラックベルーやプルーン、チェリーといったほんのりと甘みのある熟成された黒系果実のアロマを特徴とします。フランス産オーク小樽で行う6ヶ月のアロマティック発酵により、非常に豊かな芳香性が広がります。
口に含むと、滑らかな口当たりで、ニュアンスは豊か。奥行きのある長い余韻が続きます。ガルナチャの特徴であるほのかなスパイシーさもあり、時間の経過とともに増す複雑な味わいをお楽しみいただけます。
おすすめのペアリング
Garnacha 1921(ガルナチャ 1921)には、ポークリエット、タンシチュー、北京ダックなどといった肉料理とのペアリングがおすすめです。ほんのり甘みのある豊かなベリーのアロマがお肉を引き立てます。さらに胡椒のようなスパイスがアクセントとなっているため、ペッパーを効かせたペッパーステーキも最高の組み合わせです。
Bodega Las Cepas(ボデガ・ラス・セパス)について
Bodega Las Cepas(ボデガ・ラス・セパス)は、リオハの中心ログロニーリョから南に25kmの場所に位置するラ・リオハ州のサブゾーン リオハ・アルタにある家族経営のワイナリーです。
1995年からオーガニック農業を開始し、2003年まではぶどうの栽培のみを行っていましたが、若きオーナー兄弟の兄サンティアゴ(畑担当)と弟アルベルト(醸造家)の『代々続くこの土地の限られた生産だが、上質な土壌と環境を自然派ワインという形で、兄弟で作り届けたい』という想いのもと、認定を受けたぶどうを用いたワイナリーを立ち上げました。
畑の合計面積は52haですが、ぶどう畑は1箇所ではなく、複数の周辺地域に区画ごとに所有しています。ぶどう畑の土壌は、石灰岩が豊富にあり、深い土壌で育ちます。この辺りの降水量は非常に少なく、乾燥した地域となっていることからガルナチャの栽培にも適しています。さらに、高地にあるBodega Las Cepas(ボデガ・ラス・セパス)のぶどう畑は、低地よりも気温が低く、高品質のぶどうを栽培することができます。
彼らのぶどうの平均樹齢は、テンプラニーリョで40〜100年、ビウラで50年、ガルナチャで40年以上、ベルデホで5年となっています。ワイナリーでは、樹齢100年以上の歴史あるぶどう畑をより多く手に入れることを目標にしており、最近でも60〜100年のぶどう畑を12ha追加されました。
オーガニック農業からはじまったワイナリーであるため、特に醸造家のアルベルト・ラミレス氏は、自然に配慮したワイン造りに力を入れており、共存を理念とし、土壌と環境の自然生命力を大切に、ぶどう栽培・ワイン醸造はもちろんのこと、パッケージまでオーガニックにこだわった自然に優しいワイン造りを行っています。
まとめ
20世紀初頭までリオハにも多く植えられていなかったガルナチャは、さらにフィロキセラの影響により多くのぶどう畑が影響を受けたため、高樹齢のぶどうからできたワインを見つけることは困難です。
今回ご紹介したGarnacha 1921(ガルナチャ 1921)は、まろやかな口当たりに、やわらかな肉厚のある果実味などガルナチャのも持つ魅力を最大限に活かしたオーガニックワインに仕上がっています。