ロゼワインの魅力はなんといってもその美しい色調。
それに加え、エスニックや中華など様々なジャンルのお料理に幅広く合わせられるところです。
フランスのシャンパーニュと同じ伝統的な製法で造られるカヴァ(Cava)は、きめ細やかな泡立ちとスペイン独自の品種がもたらす多彩な味わいが魅力です。
今回は、バレンシア州にあるワイナリー、ボデガ・シエラ・ノルテ (Bodega Sierra Norte)のカヴァ(Cava)、パシオン・クヴェ ロゼ (Pasión Cuvee Rose)をご紹介します。
注目されているヴィーガンワイン
今回ご紹介するパシオン・クヴェ・ロゼ (Pasión Cuvee Rose)は、1996年にスイスで設立された欧州ベジタリアン連合(EVU)のヴィーガン認証を取得しているワインです。
環境問題や食の多様性に配慮した「ヴィーガン」と呼ばれるライフスタイルは世界的に注目されていますし、「ヴィーガンワイン」への注目も高まってきています。
最近よく耳にするようになった「ヴィーガン」という言葉ですが、なんとなく菜食主義のことを言うのかな……、と理解が曖昧な方も多いのではないでしょうか。
「ヴィーガン」の定義と、今世界的に注目されている「ヴィーガンワイン」について、簡単に解説をしていきます。
ヴィーガン(Vegan)とは
「ヴィーガン(Vegan)」とは、動物保護や環境保護を目的とし、肉や魚だけでなく、卵や乳製品、蜂蜜などの動物性の食品を避けるライフスタイルを指す言葉で、1990年代のイギリスが発祥と言われています。
ヴィーガンとベジタリアンの違いは菜食主義を行う目的です。
ヴィーガンの菜食主義の目的が「動物・環境保護」であるのに対し、ベジタリアンは「健康的な食生活を送る」ことが目的であり、中には卵や乳製品、魚を摂る人もおり、人によって摂る食品に幅があります。
それに対しヴィーガンは「完全菜食主義者」と呼ばれ、一切の動物性食品を口にしません。
食品だけでなく、化粧品や衣類なども動物由来のものは使用しないという人もおり、極めて厳格なベジタリアンをヴィーガンと定義する傾向にありますが、現在のベジタリアンの定義は非常に流動的で、両者は別のものと考える場合もあります。
ヴィーガンワインとは、その製造工程において動物性由来の材料を一切使用していないワインのことを指します。
ブドウが原料のワインは完全に植物性なのでは?と思う方も多いのではないかと思いますが、実はワインにも一部の工程で動物由来の材料を使う場合があります。
通常のワインでは、果実を収穫後、除梗・破砕し果汁をしぼります。
その後タンクや樽で発酵させ、熟成、滓引きをした後に清澄・濾過を行い瓶詰されます。
滓引きをした後のワインには浮遊物や澱が含まれ濁った状態なので、瓶詰前にそれらを取り除き、ワインに透明感を出すため「清澄・濾過」という作業が行われます。
この工程で、動物由来の清澄剤が使われることがあり、これを植物・鉱物由来のものに置き換えることで、ヴィーガンの方も安心して飲むことができるワインとなります。
主な清澄剤の種類 |
|
動物由来 |
植物・鉱物由来 |
卵白 |
粘土(ベントナイト) |
ゼラチン |
珪藻土(けいそうど) |
コラーゲン |
植物由来のプロテイン |
カゼイン |
無濾過 |
ワイン造りの後半で行なわれる「清澄・濾過」作業ですが、あえて清澄・濾過をしないワインもあります。
清澄剤は瓶詰後のワインの中にはほとんど残らないものではありますが、このような細かな部分まで製造情報を開示し、ヴィーガン認証を受けていれば、ヴィーガンの方も安心してワインを楽しむことができますね。
パシオン・クヴェ ロゼ
商品名 |
パシオン・クヴェ ロゼ (Pasión Cuvee Rose) |
生産者 |
ボデガ・シエラ・ノルテ (Bodega Sierra Norte) |
地域 |
ブドウ生産地:バレンシア州 D.O.カヴァ(D.O.Cava) |
ビンテージ |
ノンヴィンテージ(NV) |
生産国 |
スペイン |
ブドウ品種 |
ピノ・ノワール (Pinot Noir)85% ガルナチャ(Garnacha)15% |
認証・規格 |
ユーロリーフ、EU有機認証及びヴィーガン認証有 |
おすすめ料理 |
生ハム、ラタトゥイユ、小海老のフリット、サーモンのポワレ、木いちごのタルト、など |
発酵容器 |
スティールタンク |
発酵期間 |
10〜20日間 |
発酵温度 |
14°〜16°C |
度数 |
12% |
テイスト |
辛口 |
飲み頃の温度 |
6~8°C |
容量 |
750ml |
パシオン・クヴェ・ロゼ (Pasión Cuvee Rose)について
バレンシア州の内陸、ウティエル・レケナ(Utiel-Requena)は大陸の影響を受けた地中海性気候で、夏は暑くて冬は寒い、昼夜の温度差も大きな厳しい気候の土地です。
有機農業の基準に従い、持続可能な方法で栽培されているブドウからパシオン・クヴェ・ロゼ(Pasión Cuvee Rose)は造られます。
ブドウの収穫は夜間に行われ、ポテンシャルを最大限に引き出すため、軽く圧搾した後はフリーランジュースのみを発酵させます。
(フリーランジュースとは、果皮や果肉、種の自重によって流れ出てくるジュースのこと)
このカヴァ(Cava)は国際品種であるピノ・ノワール (Pinot Noir)に加え、スペイン固有品種であるガルナチャ(Garnacha)が加えられ、両方の品種は瓶詰めまでの間、別々に醸造されます。それぞれのワインは瓶詰め時に合わせられ、瓶内で二次発酵と熟成を行った後に、滓抜きが行われ打栓されます。
パシオン・クヴェ・ロゼ (Pasión Cuvee Rose)は、フリーラン果汁から得られるブドウ本来の繊細な香りや味わい、きめ細かな泡を楽しむことができる、アロマティックなロゼ・スパークリングワインです。
味わいの特徴
淡いローズピンクの美しい色調。
グラスに注ぐと、フレッシュなイチゴや、クランベリーのような赤系ベリーの香りを感じられます。
口に含むと、ピンクグレープフルーツのような爽やかな酸味と、イチゴキャンディーのようなキュートな甘さを覗かせるチャーミングな味わい。
甘やかな香りと、後にやってくる心地よい酸味のバランスがとても良いロゼ・スパークリングワインです。
おすすめのペアリング
バランスの良い飲み口のパシオン・クヴェ・ロゼ (Pasión Cuvee Rose)は、夏野菜のトマト煮込みや、お魚、貝類、甲殻類との相性が抜群です。
サーモンのポワレ、小海老のフリットなど、食材とワインの色調を合わせるのもペアリングの方法の一つですし、
バレンシアの郷土料理である魚介を使ったパエリヤや、アロス・カルドソ(だし汁でお米を炊いたリゾットのようなバレンシアの郷土料理)なども相性が良くおすすめです。
甘さを感じさせる香りと、後にやってくる酸味が全体をまとめているパシオン・クヴェ・ロゼ (Pasión Cuvee Rose)は、デザートと合わせても良いでしょう。
同じ香りのニュアンスの持つ、ベリーのタルトと合わせると、甘味と酸味のマリアージュを楽しむことができます。
ボデガ・シエラ・ノルテ (Bodega Sierra Norte)について
ボデガ・シエラ・ノルテ (Bodega Sierra Norte)はバレンシアの西側、内陸にあるウティエル・レケナ(Utiel-Requena)に1995年に設立された家族経営のワイナリーです。
バレンシア州の内陸、ウティエル・レケナ(Utiel-Requena)は大陸の影響を受けた地中海性気候で、夏は暑くて冬は寒い、昼夜の温度差も大きいという厳しい気候の土地。
過酷な環境の中、全ての畑で化学肥料や農薬は一切使わず、オーガニック栽培にこだわり、持続可能な農業とワイン造り、SDGsや食の多様性に配慮したワイン造りを行う生産者です。
まとめ
今回は、バレンシア州にあるワイナリー、ボデガ・シエラ・ノルテ (Bodega Sierra Norte)のカヴァ(Cava)、パシオン・クヴェ ロゼ (Pasión Cuvee Rose)をご紹介しました。
甘さを感じさせる香りと、後にやってくる酸味が全体をまとめているパシオン・クヴェ・ロゼ (Pasión Cuvee Rose)は、バランスの良い味わいで、飲むシーンと合わせるお料理を選びません。
美しいピンク色と、樹にハートが実っているような可愛らしいラベルが贈り物にもピッタリです。
EUオーガニック認証と欧州ベジタリアン連合(EVU)のヴィーガン認証を取得しており、食の多様性に配慮されたこのワインは、たくさんの人が集まるパーティーなどにも喜ばれる1本です。