20世紀を代表する画家「パブロ・ピカソ」、その名はあまりにも有名ですよね。
ピカソの「泣く女」や「ゲルニカ」などの代表作に見られる個性的な画風は一度見たら忘れられないインパクトがあります。
ピカソが生涯で2度訪れ滞在した村、カタルーニャ州、オルタ・デ・サン・ジョアン(Horta de Sant Joan)で過ごした経験が、彼の作風に大きな影響を与えたというエピソードがあります。
今回は、ピカソと縁のある地、オルタ・デ・サン・ジョアン(Horta de Sant Joan)で造られる、ピカソが愛したカタルーニャのワインをオマージュしたオレンジワイン、「パイサジェス・ピカシアンズ(Paisatges Picassians)」をご紹介します。
ピカソの人生の転機となった場所、オルタ・デ・サン・ジョアン(Horta de Sant Joan)
ピカソが初めてオルタ・デ・サン・ジョアン(Horta de Sant Joan)を訪れたのは、1898年の夏、ピカソが15歳の時でした。幼少の頃から絵画の才能を遺憾無く発揮していたピカソですが、王立アカデミーでの生活に疲れ、体調を崩し辛い精神状態であったと言います。
そんなピカソを見たアカデミーの級友であるパラレスは、自身の故郷であるオルタ・デ・サン・ジョアンで夏を過ごすことを提案します。ピカソの両親は、都会から離れた田舎での休養は息子に良いだろうと考え、喜んでその申し出を受け入れました。
都市にしか住んだことのないピカソにとって、小さな村の生活は何もかもが新鮮でした。数週間、町とその周辺を歩き回り、町のさまざまな風景を描いた後、彼らは夏の1ヶ月間、町から離れた自然の中で過ごすことにします。
日中は絵を描き、豊かな自然の中で遊び、夜は洞窟で眠る。友人と自然に囲まれた暮らしの中で、心身ともに健康を取り戻したピカソは「自由」を発見します。
これまで、アカデミーで芸術的服従を強いられてきたことに気付き、同時に自分の中に才能があることを自覚するのです。ピカソはこの時の経験を「Tot Lo que sé ho he après a Horta」(私が知っていることはすべてオルタで学んだ)という言葉で表しています。
その後、ピカソは王立アカデミーでの古典美術の勉強を辞めバルセロナに戻り、自身の芸術を追求していくのです。
高品質なガルナチャ(Garnacha)の地、テラ・アルタ(Terra Alta)
白赤問わずに上質なガルナチャ (Garnacha)の栽培に注力しているのが、テラ・アルタ(Terra Alta)で、地形の複雑なこの土地は地中海性気候で、寒暖の差が大きく、畑の標高は350m〜500mの高原地帯にあります。
土壌は石灰質の痩せた土地で、名釀地として有名なプリオラートと土壌がよく似ています。テラ・アルタ(Terra Alta)の土着品種であるガルナチャブランカ (Garnacha Blanca )から造られる白ワインは、熟した果実の香りとハーブを思わせる香りのバランスが良く、非常に高品質なことで知られています。
パイサジェス・ピカシアンズ
【商品情報】
商品名 |
パイサジェス・ピカシアンズ(Paisatges Picassians) |
生産者 |
レス・ビニェス・デル・コンべント(Les Vinyes del Convent) |
地域 |
カタルーニャ州 D.O.テラアルタ(D.O.Terra Alta ) |
ビンテージ |
2021 |
生産国 |
スペイン |
ブドウ品種 |
ガルナチャブランカ (Garnacha Blanca ) 100% |
認証・規格 |
|
おすすめ料理 |
リンゴとクルミのサラダ、蒸し鶏のオレンジマリネ、赤貝やサーモンの握り、ミモレット、ドライフルーツなど |
発酵容器 |
等温タンク、コンクリート容器、フレンチオーク樽 |
発酵期間 |
16日間 |
発酵温度 |
14℃ |
度数 |
13.5% |
テイスト |
辛口 |
飲み頃の温度 |
6∼10℃ |
容量 |
750ml |
パイサジェス・ピカシアンズ(Paisatges Picassians)について
“オルタ・デ・サン・ジョアンは、ピカソの人生の転機となった場所である。10代で初めてこの地に滞在したピカソは、サンタ・バルバラ山に魅せられ、初めてカメラを手に、再びこの地を訪れた。これが彼のキュビズムの始まりである。
画家はまた、オルタの風習とワインにも魅了された。このワインは、私たちの町に足跡を残した普遍的な天才と、彼にインスピレーションを与え、私たちのワインが育つ堂々とした風景へのオマージュである。”
ピカソは生涯で2度、貴重な時期をオルタ・デ・サン・ジョアン(Horta de Sant Joan)で過ごし、この地に唯一あるワイナリーがレス・ビニェス・デル・コンべント(Les Vinyes del Convent)です。
伝統的な方法で栽培されるガルナッチャブランカの(Garnacha Blanca )畑の半分は国立公園内に含まれており、土壌は粘土質で雨量とのバランスも良く、恵まれた土地と人によってこのオレンジワインは造られます。
パイサジェス・ピカシアンズ(Paisatges Picassians)は、ピカソ没後50年にあたる2023年5月に、バルセロナのピカソ美術展で初めて発表され、2021年ヴィンテージが初リリースとなります。
販売利益の一部はオルタ・ピカソセンターでの新しい展示会の開催費用として寄付されます。
味わいの特徴
グラスに注ぐと、輝きのあるライトなアンバーカラーの美しい色調。
優しい柑橘系のアロマからハーブやアプリコットを思わせる香りの中に、紅茶のようなフレーバーが漂います。後にやってくる穏やかな酸とミネラル、ほのかなタンニンが心地良く、豊かな果実味を感じられるオレンジワインです。
奥深い味わいで、口に含むとスッと馴染み、余韻が非常に長く、香りに広がりがあります。
今回初リリースのSO2無添加ワインで、ピカソが愛した白ワインをオマージュし、オレンジワインとして2021年ヴィンテージが日本初上陸となります。
おすすめのペアリング
パイサジェス・ピカシアンズ(Paisatges Picassians)は、フルーティーな香りの中にタンニンと複雑さ、ボリュームのあるオレンジワインなので、さっぱりとした柑橘のソースを使ったサラダや、お魚や野菜を使ったお料理におすすめです。
オレンジワインが持つ程よい渋みはスパイシーなエスニックや中華料理とも相性が良いので、幅広いお料理に合わせていただけます。
リンゴとクルミのサラダや蒸し鶏のオレンジマリネ、魚介のパエリアや、エビチリやガパオライス、ワインの酸を生かして、赤貝の握りなどを合わせてみてもよいでしょう。
ミモレットなどのハードタイプチーズや、ドライフルーツやナッツに合わせても美味しくいただけますし、紅茶のニュアンスもあるので、ナッツのはちみつ漬けなどと合わせてみてもとてもマッチします。
レス・ビニェス・デル・コンべント(Les Vinyes del Convent)について
1769年、エリエス家の息子ラモン・ジル(Ramón Gil)が、初めてワインの世界に足を踏み入れ、ワインの世界に魅了されました。その後6代にわたりワイン造りを続け、1992年、近代的なワイン造りに必要な設備をすべて備えたワイナリー、ラ・ヴィニコラ・デ・ガンデサが誕生します。
それから25年、ラ・ヴィニコラ・デ・ガンデサがカタルーニャのワイン生産者としての地位を確立。
ラモン・ジル(Ramón Gil)の醸造に対する情熱の原点回帰として、2017年「レ・ヴィニェス・デル・コンベント(Les Vinyes del Convent)」としてプロジェクトが始まりました。
レス・ビニェス・デル・コンべント(Les Vinyes del Convent) の目的は、最高品質とその起源と伝統への敬意を継続的に追求することです。
この地域の象徴的な品種であるガルナチャへの強いこだわりと、伝統とノウハウ、革新性も兼ね備えたこのワイナリーには、最高のワインを得るためにすべてが揃う最新のテクノロジーが導入されています。
まとめ
今回は、レス・ビニェス・デル・コンべント(Les Vinyes del Convent)が手がける、ピカソへの敬意が込められたオレンジワイン、「パイサジェス・ピカシアンズ(Paisatges Picassians)」をご紹介しました。
ピカソと同時に語られることの多い「キュビズム」と呼ばれる表現法は、フランス人画家である「ジョルジュ・ブラック」と共に生み出された新たな表現法で、同じ時代に活躍した画家や建築家、その後の美術界にも大きな影響を与えました。この「キュビズム」が確立されていく重要な時期をピカソはオルタの地で過ごしていたのだそうです。
ピカソ没後50年である23年の締めくくりに、ぜひ「ピカソ愛した白ワイン」を味わってみるのも良いのではないでしょうか。
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