太陽がギラギラ!のこの夏は野菜たちがぐんぐんと育つ季節。たくさんの野菜が店頭に並びます。暑い季節に美味しくなる夏野菜に、ワインを合わせて楽しんでみませんか?
今回は夏野菜に合うスペインワインを紹介するとともに、代表的な夏野菜、夏野菜に合うワインの特徴についても解説します。
代表的な夏野菜
ハウス栽培が普及している現代ではどんな食材もほぼ一年中、スーパーマーケットの店頭に並ぶため、野菜などに採れ時があることを忘れてしまいそうになります。しかし、本来は野菜はそれぞれ季節に合わせた成長を遂げるため、旬となる時期もそれぞれ違うのです。
そんな中、主に6月から8月に収穫時期を迎える野菜は「夏野菜」と呼ばれます。代表的な夏野菜には以下のようなものがあります。
なす
油との相性が非常に良いなすは夏野菜の主役級です。炒めたり、揚げたり、煮こんだりしてトロトロの食感をお楽しみください。なすはベジタリアン料理のメイン素材としても活躍してくれます。
トマト
生のままでも、加熱しても美味しい使い勝手の良いトマトは一年中大活躍の野菜ですが、本来は夏が旬です。栄養素も豊富なので、暑さが厳しい夏にはより積極的に食べたいですね。
きゅうり
カリカリ、ポリポリとした食感とみずみずしさが魅力のきゅうりは夏の風物詩。生のまま食べられる手軽な野菜ですが、趣向を変えて煮物などにしても楽しめます。
ピーマン
苦味と旨味がクセになるピーマンには夏に必要なビタミンCが豊富に含まれています。
パプリカ
赤や黄色、緑と鮮やかな色合いが美しいパプリカはピーマンに似ていますがより肉厚で、甘味とちょっとした酸味があります。生のままでサラダの彩りにしても良いですし、加熱しても美味しい野菜です。
オクラ
ネバネバのスタミナ野菜、オクラは暑くて食欲のない時にも食べやすい人気の夏野菜です。
とうもろこし
プチプチとした食感、甘み、鮮やかな黄色が魅力的なとうもろこしも夏野菜です。蒸したり、焼いたりするだけで単体で楽しめるのもとうもろこしのいいところですね。
夏野菜に合うワインの特徴
夏野菜に合わせるワインには以下のような特徴があるものを選ぶと良いでしょう。
野菜のような香りがある
ワインの味わいや香りを表す言葉に、「ヴェジタル( vegetal )」というものがあります。これは、野菜を食べた時に感じるような青っぽい香りや味わいのことを指します。
似た味の要素を持つ飲み物と食べ物を合わせると相乗効果が働き、より美味しく感じます。そのため、夏野菜のフレッシュさを味わう料理にヴェジタルな、野菜のような香りのワインを合わせるペアリングが成立するのです。
ほど良い苦みがある
タンニンによる苦味がほど良く感じられるワインは苦味のある夏野菜の料理に合わせると良いペアリングになります。
ハーブ感がある
夏野菜はハーブと一緒に調理するとその苦味や旨味がさらに引き出されます。そのため、ハーブ感のあるワインと夏野菜のペアリングも成功しやすいと言えるでしょう。
爽やかな酸味がある
トマトやパプリカなど、酸味を楽しむ料理には爽やかな酸味が特徴のワインを合わせると良いペアリングになります。
夏野菜に合うおすすめのスペインワイン
ブエラ・パロマ・デ・プラタ ゴデージョ(Vuela Paloma de Plata Godello)
甘いりんごや洋梨などのフルーツ、白い花などの優しい香りが豊かなゴデージョ100%の白ワインです。酸味はほど良く、ミネラル感もあり、新鮮なフルーティさが絶妙なバランスを保っています。濃厚で口いっぱいに広がる味わいで、蒸した夏野菜とのペアリングにおすすめ。
醸造したビニャ・コステイラ(Viña Costeira)は1968年にガリシア(Galicia)州D.O.リベイロ(D.O. Ribeiro)に誕生しました。D.O.リベイロはガリシア原産地呼称史上もっとも歴史が古く、おそらくヨーロッパ内で最も古い産地に数えられています。いくつかの農家が、土着品種の魅力を後世に伝え続けようと、協同組合を設立。近年では約410の農家が土着品種を完全に復活させ、全世界に届けています。ワイナリー名の「コステイラ」と呼ばれる花崗岩質の土壌は南向きで太陽に十分に照らされるぶどうの栽培適地。ビニャ・コステイラは優れた白ワインの造り手としてガリシアでの生産数は第1位で、世界でも非常に高い評価を得ています。
ラス・エルマーナス オーガニック 〜姉妹のワイン〜(Las Hermanas Organic)
モナストレル(Monastrell) 100%の赤系ベリーの香りとスミレの花を思わせる、華やかなユーロリーフ認定のオーガニック赤ワインです。豊かなフルーティさとほど良い渋みと酸がバランス良く、季節野菜のトマト煮込みやパプリカの鉄板焼き、夏野菜のパエリアなどとのペアリングにおすすめです。ヴィーガン認証も受け、有機栽培に加え動物性肥料等も一切使用していません。
醸造したボデガス・ルソン(Bodegas Luzon)は伝統的な家族経営のワイナリーで、1916年に創立。19世紀後半から長子が引き継がなければならないという家訓が1980年まで続き、多くの女性がワイナリーを支えてきました。 当時のスペインにおいて、ワイナリーの権限を持っているのが女性であることは珍しく、周囲からは「エルマーナス・ワイン」日本語で「姉妹のワイン」と呼ばれました。そして、ワイナリーに貢献した女性の顔をラベルに描くことで、今日でも姉妹のワインの歴史は引き継がれています。
エウダルド ブルット・ナトゥレ(Eudald Brut Nature)
ぶどうの持つ甘みだけで補糖を一切行わない「ブルット・ナトゥレ」に仕上げたカヴァ(Cava)で、青りんごやシトラスのアロマにフレッシュハーブのニュアンスがあり、なすなどの野菜の揚げ物とのペアリングにおすすめです。 軽やかな泡立ちに心地よい酸とミネラル感があり、豊かなフルーティさが楽しめます。ビオディナミ農法により、自社畑のぶどうのみを使用。
醸造したマッサナ(Massana)家は18世紀半ばからぶどう栽培を開始、1917年からカヴァ造りを始め、現当主はビオディナミ農法を実践しています。
ビニャ・ペドロサ レセルバ(Viña Pedrosa Reserva)
テンプラニージョ(Tempranillo)100%の黒系ベリーが凝縮したようなアロマが楽しめ、フレッシュさと奥行きを感じられます。おすすめはきのこと野菜のトマト煮込みとのペアリングです。
造り手のボデガス・エルマーノス・ペレス・パスクアス(Bodegas Hermanos Peréz Pascuas)は1980年に設立された家族経営ワイナリー。最高級ワインの産地である地元、リベラ・デル・ドゥエロ(Riberra del Duelo)に対する敬意、独自の洗練された醸造技術は、魂の籠もった偉大なワインを作り出すことに成功しています。
マルケス・デ・グリニョン グラシアーノ(Marqués de Griñón Graciano)
土地の特徴に忠実に栽培したグラシアーノ(Graciano)100%使用の極めて個性的なワインです。色合いは非常に濃く、しっかりとした渋みはワインに非常に良く馴染んでおり、樽熟成による風味もあり、素晴らしい味わいです。赤系ベリーの香り高いアロマは、心地よくフレッシュなオレンジの皮のような印象を口の中で与えます。長い余韻もあり、複雑なトーンを感じ、総合的にとても調和がとれています。10年から15年の間瓶内の熟成に耐えられると予想されています。ファーストビンテージは2010年。夏野菜の天ぷらとのペアリングをお楽しみください。
造り手のパゴス・デ・ファミリア マルケス・デ・グリニョン(Pagos de Familia Marques de Grinon)はスペインのカリスマワインメーカー・カルロス・ファルコ氏(Carlos Falcó)が率いる家族経営のワイナリー。革新的な品種や技術の導入で、テロワールを大切にしたワイン造りを行っています。
まとめ
夏野菜に合うスペインワインを紹介するとともに、代表的な夏野菜、夏野菜に合うワインの特徴についても解説しました。
夏野菜とワインの組み合わせで、暑い夏を美味しく、元気に乗り切っていきましょう。