肉料理には赤ワインが合うというイメージがありますよね。
「肉料理×赤ワイン」は定番の組み合わせとなっていますが、一口に赤ワインといってもたくさんの種類や品種があり、実はどんな赤ワインでも肉料理と相性抜群!という訳ではありません。
そこで、本記事では「どんな赤ワインが肉料理と合うのか?」「相性の良い赤ワインを選ぶコツは?」という疑問にお答えしていきます。
さらに、肉料理と相性バッチリなおすすめのスペイン産赤ワインもご紹介しますので、ぜひ参考にご覧ください。
「肉料理×赤ワイン」はなぜ相性が良い?
食事をする時「定番の組み合わせだから。」という理由だけで、赤ワインに肉料理を合わせていませんか?
肉料理と赤ワインの相性の良さには、きちんと科学的根拠に基づいた理由があります。
ワインを飲む時に盛り上がる話題にもなりますので、なぜ赤ワインが肉料理に合うのか。その理由を知っておくと面白いかもしれませんね。
タンニンがもたらす効果
肉料理と相性の良い理由として、赤ワインには「タンニン」が含まれていることが大きく関係します。
タンニンはポリフェノールの一種で、主にぶどうの皮と種に含まれていますが、製造過程の中で使用される樽にも含まれています。タンニンは口の中でタンパク質を変形させ、渋みをもたらします。
赤ワインを口の中に含むと「苦味」とともに口の中がキュッと締め付けられるような感覚があります。これを「収斂性(しゅうれんせい)」と呼びますが、これらはいずれもワインに含まれるタンニンが関連しています。
2012年アメリカにあるラトガーズ大学が「赤ワインと肉料理」に関する研究発表を行い。世界的にも注目を集めました。
研究結果によると、肉料理などの脂肪分の多い料理に対してタンニンが科学的に作用することでお肉を柔らかくし、「旨味」を感じるといわれています。
タンニンは脂肪と相互効果をもたらし、食品由来の脂身がワインの味へ直接影響を与えていることが科学的にも証明されています。
美味しさを感じる五味
料理の世界において、五味(旨味・甘味・苦味・酸味・塩味)はとても大切です。
一般的に、この五味をバランスよく感じることで、美味しいと認識するといわれています。
旨味と甘味、塩味は肉料理に含まれており、ここに赤ワインの酸味と苦味がマッチすると、口の中で五味をバランス良く感じることができます。
こういった理由からも、赤ワインと肉料理のマリアージュは美味しいと感じられます。
酸味
肉料理では、ソースの中に酸味を加えることで油っこさやくどさを感じさせない効果があります。
酸味を持つ赤ワインとのマリアージュは、肉料理の脂身をさっぱりとさせ、美味しく感じる理由です。
肉を調理する際に、使用されることからも相性が良いことが分かりますね。
「赤ワイン×肉料理」は健康にも良い!?
赤ワインと肉料理を合わせると良い理由は、健康面にもあります。
ポリフェノールは「体に良い」という話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?このポリフェノールはタンニンの中に含まれる化学成分の一つで、赤ワインにも多く含まれていることは有名です。
ポリフェノールには老化を防ぐ抗酸化作用があり、肉料理に含まれる過酸化脂質活性のように有害な物質を体の中で無害な物質に変える効果を持っています。
さらにポリフェノールを摂取することで、胃への負担を抑えることができます。また、血液の流れが良くなることから、動脈硬化や脳卒中などの予防にも期待できます。
健康面を考えて肉料理を控えないといけない!と考えている方は、赤ワインに含まれるポリフェノールを一緒に摂取することで生活習慣病の予防としてもおすすめのペアリングです。
肉料理と相性の良い赤ワインを選ぶコツ
これまで赤ワインがなぜ肉料理と合うかについてご説明してきましたが、肉料理の味付けも赤ワインのペアリングに大きく影響します。
冒頭でお伝えしたように全ての赤ワインが肉料理に合うという訳ではありません。さらに、肉料理の中でも、味付けの濃いスパイシーな肉料理から煮込み系肉料理まで肉料理の中でもさまざまな種類があります。
ここでは、相性の良い赤ワインを選ぶコツをお伝えします。肉料理と合わせる際の参考にしてください。
コツ①:赤ワインの香りや味わいに合わせた肉料理を選ぶ
赤ワインは、生産される気候や品種によって異なる香りや味わいが生まれます。
たとえば、スモーキーなニュアンスを持つ赤ワインであれば、炭火で焼いた肉料理との相性が良く、黒胡椒の香りのするスパイシーな赤ワインにはスパイスやハーブを効かせた肉料理と合わることができます。
このようにお肉の味つけに合わせて同じようなフレーバーの赤ワインとマリアージュすることで、相性の良い赤ワインを自分でも簡単に見つけることができるようになります。
コツ②:肉料理の濃さに赤ワインの濃さを合わせる
2つ目のコツは、こってりとした肉料理には重厚感のある赤ワインを、さっぱりとした肉料理には軽めの赤ワインを合わせることです。
例えば、濃い果実味やタンニンを持つ赤ワインにさっぱりとした味付けの鶏肉料理との相性はよくありません。
凝縮された赤ワインの濃厚な味わいが際立ってしまうため、お肉の旨味を感じることができないことが理由です。
淡白な味付けや脂身の少ないさっぱりとした肉料理には、ピノ・ノワールなどライトボディのものを合わせてみましょう。
一方で、こってり料理にはフルボディの赤ワインを合わせることがおすすめです。
相性の良い赤ワインの品種と肉料理の種類おすすめ
では具体的に、どのぶどう品種とどんな味付けの肉料理が合うのでしょうか?
赤ワインの品種と肉料理の種類のおすすめする組み合わせ例をご紹介します!
カベルネ・ソーヴィニヨン
カベルネ・ソーヴィニヨンといえば、しっかりとしたタンニンが特徴で重厚感のある赤ワインです。
タンニンからくる渋味と酸味を兼ね備えたカベルネ・ソーヴィニヨンは、まさに肉料理とのマリアージュを代表するぶどう品種といえるかもしれません。定番のステーキなど肉質のある赤みのガッツリとした肉料理にも負けず、しっかりとその味わいを主張ができる赤ワインです。同時に口の中に含むことで、お肉とワインどちらの美味しさも引き出すことのできるおすすめの組み合わせです。
ピノ・ノワール
香り高く華やかで、複雑で奥深い味わいと適度な酸味、そして柔らかなタンニンが特徴のピノ・ノワール。
ベリーやチェリーなどの赤系果実のフルーティーさを持つピノ・ノワールは、若いワインであれば血や鉄分のニュアンスを感じられるため赤みのお肉を。熟成された厚みのあるピノ・ノワールでは、動物系のニュアンスが感じられるため少しクセのある鴨肉や鳥のジビエなどにも合わせることができます。味付けは、ピノ・ノワールのなめらかなタンニンを邪魔しないシンプルな味付けが美味しさを際立たせます。
マルベック
華やかなフレーバーと力強いタンニンが特徴的なマルベック。
スモーキーさと凝縮感のある果実味を持つマルベックには、炭火で焼かれた肉料理(BBQを含む)や風味豊かなソーセージとの相性が抜群です。
シラー
タンニンが豊かでコクのあるシラー。ブラックベリーなどのしっかりとした果実味と黒胡椒のスパイシーさを感じます。
スパイシーさと力強いインパクトが特徴のシラーには、ハーブや胡椒をしっかりと効かせた重厚な肉料理との相性が抜群です。スパイシーな仔羊のローストや、濃厚な煮込み料理と合わせても美味しいワインです。
モナストレル
モナストレルは、フルーティーでタンニンが強く、胡椒などのスパイシーなニュアンス、パワフルで野性的、などと表現される力強いインパクトを持つぶどう品種です。
「濃く・強い」印象を持つモナストレルには、クセのある肉料理との相性が良く、ジビエ料理とも合わせることができます。ジビエ以外であれば、胡椒をたっぷりときかせたスパイシーな肉料理とのマリアージュが最適。他にも、ローストビーフやしっかりと味付けをしたお肉を入れたシチューとの相性もバッチリ。ムールヴェードルは、多種多様な味付けにも合わせることができる肉料理ととても相性の良い赤ワインです。
肉料理におすすめの赤ワイン〜商品情報〜
商品名 |
ラス・エルマーナス モナストレル シラー |
生産者 |
ボデガス・ルソン |
おすすめ料理 |
ローストビーフ、ラムシチュー、牛肉の煮込み、黒豚のロースト、熟成チーズ、ミートパイ |
生産国 |
スペイン |
地域 |
ムルシア州 D.O.フミーリャ(フミージャ) |
ぶどう品種 |
モナストレル:70%、シラー:30% |
樹齢 |
モナストレル:25〜40年、シラー:10〜15年 |
度数 |
14.5% |
ボディ |
ミディアム |
味わい |
辛口 |
飲み頃の温度 |
14〜16℃ |
容量 |
750ml |
今回ご紹介する「モナストラ・シラー(青)」のエチケットラベルに描かれているのは、「セクション・モナストレル(オレンジ)」に描かれているカルメンの娘で次女のサルバドーラです。
彼女は、1980年にボデガス・ルソンのワイナリーを売ることとなるまで続いた家族経営、最後の後継者となった「ブランコ(白)」に描かれていたアンパロの妹にあたります。
ボデガス・ルソンの土地は生涯長子(長男・長女)が継ぐこととなっていたため、次女であるサルバドーラがボデガス・ルソンのワイナリーを引き継ぐことはありませんでしたが、とても素直で口数の少ない性格のサルバドーラは、生涯を通して献身的に姉のアンパロの経営を手伝い、ボデガス・ルソンのワイン造りに貢献した女性です。
「ラス・エルマーナス モナストレル シラー」
の味わい
「ラス・エルマーナス モナストレル シラー」をグラスに注ぐと、透明感のある美しいルビー色。
ノーズは力強く、温暖な産地を連想させるカシス、ブラックベリー、チェリーなど熟した赤系や黒系果実のアロマが広がります。ジューシーな果実味が肉厚的で凝縮感を感じられます。
アフターには、ほのかにブラックペッパーやナツメグなどスパイシーなニュアンス。
口当たりはまろやかで、熟したタンニンと心地よい酸味、シルキーな舌触りが大変バランス良く仕上がっています。
ローストビーフや濃いめのシチュー、黒豚のローストから少しクセのあるジビエ料理まで万能に対応できる肉料理との相性バッチリのおすすめの赤ワインです。
ぶどう品種はスペイン原産の
モナストレルとシラーのブレンド
「モナストレル」はスペインの原産とする黒ぶどうです。フランスでは「ムールヴェードル」と呼ばれており、こちらの方が知名度は高いかもしれません。
モナストレルは、力強く野性味の強いぶどう品種といわれます。そのため、モナストレルの比率が多い赤ワインはパワフルな赤ワインに仕上がります。
単一品種ではバランスを取るのが難しいといわれているモナストレルですが、ボデガス・ルソンが栽培するモナストレルは素晴らしく、単一でも充分なバランスの取れたワインが仕上がっています。
「ラス・エルマーナス モナストレル シラー」では、モナストレル70%にシラーを30%加えることで骨格を際立たせます。
凝縮された果実味やスパイシーさが加わり、モナストレル単一とはまた違った味わいのバランスを楽しむことができます。
生産者について
地中海に面するスペインのムルシア州フミージャに畑を持つ「ラス・エルマーナス」シリーズの生産者「ボデガス・ルソン」についてご紹介します。
歴史ある伝統ワイナリー「ボデガス・ルソン」
ボデガスルソンは、19世紀の終わり1916年に設立されました。伝統的な家族経営を続けている最も歴史的なワイナリーの一つです。
さらに1990年の後半には、これまでの知識や経験を活かし、新しいボデガを建設しています。その際に、若いスタッフも加わることで新しい風が入り、伝統的かつモダンなワイナリーへと進化をとげました。
2016年に100周年を迎えたボデガスルソンは、年間400万本ものボトルを生産しており、これまでに多くの受賞歴を持ち、世界的にも高い評価を受けている生産者です。
「ボデガス・ルソン」こだわりのワイン造り
高品質で複雑な味わいのワインを造りだすために、手間と時間をかけてこだわり抜いたぶどう栽培を行なっています。
ボデガス・ルソンでは約1200haのぶどう園を所有していますが、ぶどうの栽培量を抑えることで、果実を摘む最適な時期を正確に決定することができ、ワイン造りのプロセスを細部まで的確にコントロールし、ぶどう熟成後のボトリングを可能にしています。
ぶどう収穫はすべて手作業によるもの。さらにぶどう収穫後はすぐに冷蔵室へ保管し、不要な自然発酵を防ぎます。
さらに、熟成庫は地下室にあり、一年中一定の温度と湿度を保っています。
ボデガス・ルソンでは、こうしたすべての工程で徹底した管理を行うことで最高品質のワインを造りだすことができています。
生産地域の特徴
スペインの南東に位置するムルシア州のフミージャにあるボデガスルソンの畑は、高原の上にあります。近くの地中海の影響を受け、天候に恵まれた大陸性気候です。
年間3000時間を超える照射時間に加え、年間雨量は300mm以下と大変乾燥している地域で夏は35℃以上に暑く、冬は0℃以下に冷え込み寒さが厳しいことが特徴です。
このような過酷な気候で栽培されたぶどうは、高い糖度と優れた酸味を持つ小粒で皮の厚い良質なぶどうが作られています。
こうしてできたぶどうからは、フルーティーでアロマティックな香り高いワインを生産しています。
まとめ
赤ワインと肉料理を合わせる際には、ゴクゴクと飲むのではなくじっくりと口の中でマリアージュを楽しみながら飲むことで、赤ワインと肉料理の美味しさを最大限に引きだすことができます。
赤ワインと肉料理の相互効果で美味しいだけでなく、健康に良いという点も嬉しいポイントですね。
どんな赤ワインに合わせるか迷っている方は、ぜひ今回ご紹介したボデガスシリーズの「ラス・エルマーナス・モナストレル・シラー」がおすすめです。
適度なタンニンと心地の良い酸バランスの取れた赤ワインは、さまざまな肉料理に合わせることができます。
ぜひ、お好きな肉料理に合わせてお気に入りのマリアージュを見つけてみてくださいね。