ワインはそのままで飲まれることの多い飲み物です。しかし、さまざまな材料と組み合わせることで違った魅力を見せてくれる飲み物でもあります。
今回はワインカクテルについて、その歴史やおすすめのレシピなどもあわせて解説します。お手持ちのスペインワインのあらたな楽しみ方のヒントにもなる記事ですので、どうぞご一読ください。
ワインを使ったカクテルはいつから飲まれている?
アルコール飲料に何かを混ぜて飲む習慣ははるか昔からあり、古代ローマや古代ギリシャではワインには水を混ぜるのが一般的な飲み方でした。当時、ワインを原酒のまま飲むのは野蛮だと考えられていたと考えられていたようです。
その後時は進み7世紀頃の中国、唐の時代にはワインに馬乳を混ぜた乳酸飲料が飲まれていたと言われています。また、9世紀のドイツでは白ワインに薬草、果物、砂糖を混ぜたものが飲まれていました。そして12世紀以降にはヨーロッパは寒冷化が起こり、鍋にワインを薬草とともに入れ、火で赤く焼いた剣を鍋の中に入れて飲むようなホットドリンクが飲まれるようになりました。この飲み物は現在もヨーロッパ各地で飲まれるホットワインの原型となっています。また、13世紀の元でも、ワインに馬乳やラクダの乳を混ぜた飲み物が宮廷で飲まれていたとの記録もあります。
いっぽう、現在のようなカクテルが成立したのは1879年、製氷機が発明した後から、とされています。そして第一次世界大戦をきっかけとして、アメリカ人がカクテル文化を世界に紹介したのです。その後、第二次世界大戦後にはヨーロッパ諸国でもカクテルは流行し、各種のワインを使ったカクテルも誕生しました。
おすすめのワインカクテルを紹介
ここからは各種のワインカクテルをレシピとともに紹介します。
赤ワインのカクテル
赤ワイン特有のタンニンはカクテルにすると飲みやすくなります。また、赤ワインの色合いはカクテルを美しく仕上げてくれます。カクテルにする赤ワインは重いものよりも
軽めの方がジュースなどの素材の味になじみやすいのでおすすめです。
キティ(Kitty)
かわいらしい名前で飲みやすい、女性におすすめのカクテル。赤ワインのベリー系のアロマとジンジャーエールの辛味が絶妙な組み合わせです。赤ワインとジンジャーエールの割合は1:1が基本ですが、お好みに合わせて調整しても良いでしょう。
材料
l 赤ワイン・・・90ml
l ジンジャーエール・・・90ml
作り方
- 赤ワイン、ジンジャーエールの順にグラスに注ぎ、軽く混ぜたら出来上がり。
- 氷を入れる場合は最初にグラスに氷を入れます。
カーディナル(Cardinal)
白ワインを使った代表的なカクテル、キールの赤ワインバージョンです。カーディナルとは「枢機卿」の意味で、赤い色を枢機卿がまとうガウンに見立てて付けられた名称です。
もともとはブルゴーニュ(Bourgogne)地方のボジョレー( Beaujolais)産の赤ワインを使うカクテルとして誕生しました。
材料
l 赤ワイン・・・120ml
l クレーム・ド・カシス・・・20ml
作り方
赤ワイン、クレーム・ド・カシスの順にワイングラスに注ぎ、軽く混ぜたら出来上がり。
ビショップ(Bishop)
赤ワインをベースにしたビショップはオレンジとレモンの風味としっかりとした飲みごたえが楽しめるカクテルです。温めて飲むのが一般的ですが、冷たくしても美味しくいただけます。
材料
l 赤ワイン・・・130ml
l オレンジジュース・・・15ml
l レモンジュース・・・10ml
l 砂糖・・・小さじ1
l 氷・・・適量
作り方
- ワイン以外の材料をグラスに入れ、よく混ぜます。
- 次に、ワインと氷を入れ、軽く混ぜたら出来上がり。
ロマンティック・ハーモニー(Romantic Harmony)
乳酸飲料の白と赤ワインの赤が二層に分かれた美しいカクテルです。乳酸飲料のまろやかさと甘味、ほんのりとした酸味が赤ワインを飲みやすく仕上げてくれます。
材料
l 赤ワイン・・・30ml
l 乳酸飲料の原液(カルピスなど)・・・15ml
l 水・・・60ml
作り方
- 乳酸飲料の原液を水で割ります。
- グラスに1を注ぎ、その後で赤ワインを静かに注いだら出来上がり。
イタリア語で「赤いバラ」を意味するローザ・ロッサはアマレット(Amaretto)の独特の香りと甘みが赤ワインに不思議にマッチしたカクテルです。
材料
l 赤ワイン・・・60ml
l アマレット・・・30ml
l ジンジャーエール・・・60ml
l 氷・・・適量
作り方
グラスに氷を入れ、すべての材料を入れ軽く混ぜたら出来上がり。
白ワインのカクテル
白ワインは渋みがないので赤ワインよりも合わせられる素材の幅は広めです。クセがなく飲みやすいカクテルに仕上がります。
キール(Kir)
白ワインのカクテルの代表格、キールはフランス生まれのカクテルです。第2次世界大戦後、ブルゴーニュ地方の中心都市ディジョン(Dijon)市の市長であるキール氏が農業振興策の一環で考案したとする説があります。白ワインの代わりにシャンパーニュ(Champagne)で作るとキール・ロワイヤル(Kir Royal)になります。また、クレーム・ド・カシスの代わりに梅酒を使うというアイディアも紹介されています。
材料
l 白ワイン・・・60ml
l クレーム・ド・カシス・・・10ml
作り方
白ワイン、クレーム・ド・カシスの順にワイングラスに注ぎ、軽く混ぜたら出来上がり。
シンフォニー(Symphony)
白ワインとピーチリキュールを使った日本生まれのカクテルです。フルーティなピーチとすっきりした白ワインが絶妙にマッチします。
材料
l 白ワイン・・・80ml
l ピーチリキュール・・・15ml
l グレナデンシロップ・・・小さじ1
l シュガーシロップ・・・小さじ2
l 氷・・・適量
作り方
グラスに氷を入れ、すべての材料を入れてよく混ぜたら出来上がり。
白ワイン&トマト
甘くないカクテルがお好みの方は白ワインとトマトジュースのカクテルはいかがでしょうか?フルーティな白ワインとトマトジュースの旨味のコンビネーションをお楽しみください。
材料
l 白ワイン・・・45ml
l トマトジュース・・・45ml
l 氷・・・適量
l レモンスライス・・・1枚
作り方
ワイングラスに氷を入れ、白ワインとトマトジュースを注いでよく混ぜ、レモンスライスを添えたら出来上がり。
スパークリングワインのカクテル
カヴァなどのスパークリングワインを使ったカクテルはおもてなしにぴったりです。
ミモザ(Mimosa)
シャンパーニュを使ったカクテルの代表格、ミモザはもともとはフランスの上流階級でシャンパーニュ ・ア・ロランジュ(Champagne à l'orange)と呼ばれていました。ミモザの花を思わせる色合いからこの名称で呼ばれるように。オレンジジュースのかわりにグレープフルーツを使うとホワイト・ミモザになります。
材料
l シャンパーニュ・・・60ml
l オレンジジュース・・・30ml
作り方
グラスにオレンジジュース、シャンパーニュの順に注ぎ、軽く混ぜたら出来上がり。
アグア・デ・バレンシア(Agua de Valencia)
カヴァ(Cava)を使うのにおすすめなのが「バレンシアの水」を意味するこのカクテル。カヴァのほか、ジンなどのスピリッツやリキュールを加えて作るのでアルコール度数は高めです。お好みでシロップなどを加えても良いでしょう。
材料
l カヴァ・・・100ml
l オレンジジュース・・・200ml
l ジン、ウォッカ、コアントローなど・・・20ml
l 氷・・・適量
作り方
グラスに氷を入れ、すべての材料を入れてよく混ぜたら出来上がり。
シェリーのカクテル
アルコール度数が高めのシェリーをカクテルにすると飲みやすくなるため、シェリー(Shery)初心者の方にもおすすめです。
レブヒート(Rebujito)
スペイン語でその名も「割ったもの」であるレブヒートは作り方がとても簡単。スペインで大人気のカクテルです。
材料
l 辛口シェリー・・・30ml
l 7up!などの炭酸飲料・・・200ml
l 氷・・・適量
l ミント(お好みで)・・・適量
作り方
グラスに氷を入れ、シェリーと炭酸飲料を入れ軽く混ぜ、お好みでミントを添えたら出来上がり。
まとめ
ワインカクテルについて、その歴史やおすすめのレシピなどもあわせて解説しました。ぜひ、みなさんもお手持ちのスペインワインでワインカクテルを楽しんでみてはいかがでしょうか?