近年、高品質なワインができる赤ワインの産地として注目の的となっているのが、スペインの大都市バルセロナから車で2時間ほどの場所にあるプリオラート(Priorat)です。プリオラート(Priorat)では、高樹齢のブドウ樹により生産量は少なく、質の高いワイン造りに専念しており、凝縮された黒系果実に豊かな芳香性、濃厚でエレガントな味わいを特徴とします。
今回は、そんなスペイン最高峰とも言われるプリオラートの特徴と、5種類のぶどうをブレンドした魅惑の名産地プリオラートのおすすめ赤ワイン「Embruix de Vall Llach(アンブルッシュ・ダ・バィ・リャック )」をご紹介します。
スペイン最高峰のワイン産地プリオラート
プリオラート(Priorat)は、カタルーニャ南西部のタラゴナ県に位置します。急な斜面が多く、乾燥、気温変化の激しい土地という独特の環境を持っていますが、その独自のテロワールが果実味の凝縮した良質なぶどうを栽培できます、ワインで有名なスペインでも特に高級ワインができる銘醸地の一つとして知られています。
しかし、プリオラートは数十年前まで、ほとんど無名でした。高品質なワイン生産地として認められたのは1990年に入ってからのこと。たった30年余りですが、今では世界有数の高級ワイン産地にまで成長しました。2009年には、最上位の原産地呼称名称DOCaの認定を受けています。一般のDOCよりもさらに厳しい基準であるDOCaを通過した地域は、リオハとプリオラートの二つのみ。これは、プリオラート(Priorat)がスペイン最高峰のワイン産地であることを証明しています。
プリオラートで高品質なワインができる秘密
プリオラート(Priorat)で質の高いぶどうによる高級なワインができる秘密は、llicorella(リコレッラ)という、ストレートと石英からなる黒くキラキラと光る粘土岩にあります。
降水量が少なく、水分の少ないプリオラートの土壌は乾燥しやすく、栄養も多くありません。ところが、llicorella(リコレッラ)は、水捌けがよく、水分や栄養分を蓄えないため、ぶどうの根は栄養分を求めて、深く根を奥深くまで成長させる必要があり、しっかりとした根をつくります。これにより、水分、栄養、llicorella(リコレッラ)の持つ豊富なミネラルがしっかりと行き渡り、プリオラート(Priorat)特有の凝縮感のある身のつまったぶどうができます。さらに、llicorella(リコレッラ)は、太陽の光を反射するため、より多くの太陽が行き渡り、ぶどうの成長を促し、よく熟した良質なぶどうが生産できます。
Embruix de Vall Llach― アンブルッシュ・ダ・バィ・リャック ―
【商品情報】
商品名 |
Embruix de Vall Llach(アンブルッシュ・ダ・バィ・リャック) |
生産者 |
Celler Vall Llach(セジェール・バィ・リャック) |
ビンテージ |
2019年 |
設立 |
1998年 |
生産国 |
スペイン |
地域 |
D.O.Ca. Priorat (D.O.Ca. プリオラート)カタルーニャ州 |
ぶどう品種 |
Garnacha(ガルナチャ)29% 、Cariñena(カリニェーナ)28%、Merlot (メルロ)22%、Syrah(シラー)14%、Cabernet Sauvignon(カベルネ・ソーヴィニヨン)7% 、【全て樹齢20~25年以上】 |
おすすめ料理 |
白レバーのムース/牛ほほ肉赤ワイン煮込み/仔羊のグリル/ダークチェリーパイなど |
発酵容器 |
ステンレス・スティールタンク |
発酵期間 |
17日間 |
熟成容器 |
フランス産オーク樽(225L・300L、木目の細かい材質、ライトミディアムトースト) |
熟成期間 |
12ヶ月 |
度数 |
15.5% |
テイスト |
フルボディ |
飲み頃の温度 |
16°C |
容量 |
750ml |
Embruix de Vall Llach(アンブルッシュ・ダ・バィ・リャック)について
Embruix de Vall Llach(アンブルッシュ・ダ・バィ・リャック)は、パワフルでジューシー、エレガントな果実味に豊かな芳香性が感じられる赤ワインで、ワイナリー内で最も人気のある商品です。
ワイナリーで栽培している樹齢20~25年のGarnacha(ガルナチャ)Cariñena(カリニェーナ)、Merlot (メルロ)、Syrah(シラー)、Cabernet Sauvignon(カベルネ・ソーヴィニヨン)5種類の若いぶどうをブレンド。各ぶどう品種は、ぶどうそれぞれの特徴を活かすため、個別の小さなタンクに分けて丁寧にプロセスを進めていきます。除梗したぶどうは、2,500リットルと5,000リットルの25~29℃の温度に保ったステンレス・スティールタンクにて17日間の発酵。この間、毎日ピジャージュと穏やかなルモンタージュを行います。
12日間のマセラシオンの後は、ステンレス・スティールタンク(50%)と樽(50%)でソフトプレスとマロラクティック発酵を行います。最後に、ライトミディアムにトーストされたきめの細かいフレンチオーク(225Lと300L)にて12ヶ月熟成させています。
ワイン名の由来
Embruix de Vall Llach(アンブルッシュ・ダ・バィ・リャック)のワイン名になっている「Embruix(アンブルッシュ)」とは、カタルーニャ語で【魔法にかける、魅惑する】という意味を持ちます。
ワイナリーのオーナーであるLluís Llach (リュイス・リャック)とMikel Martí i Pol(ミケル・マルティ・イ・ポル)のアルバム「Mon Porrera」からの一曲「Embruix de lluna(アンブルッシュ・デ・ルーナ)」【月の魔法】がワイン名の由来となっています。
受賞歴
Embruix de Vall Llach(アンブルッシュ・ダ・バィ・リャック )2019
Guía Intervinos(インターヴィノス・ガイド):93ポイント
Guía Proensa(プロエンサ・ガイド): 92ポイント
Robert Parker Wine Advocate(ロバート・パーカー・ワイン・アドヴォケイト):91ポイント
味わいの特徴
Embruix de Vall Llach(アンブルッシュ・ダ・バィ・リャック)は、濃いルビーレッドの色調で、口に含むと、プラムやダークチェーリー、ブルーベリーなど熟した黒系果実のアロマにほんのりとしたスパイスをアクセントとします。
しっかりと溶け込んだまろやかなタンニンが心地良く、ほどよい酸味と優れたストラクチャーが見事に融合しています。5種類のぶどうそれぞれの特徴を活かしたアッサンブラージュによって複雑味、豊かな芳香性、味わいのバランスがよく取れた素晴らしいスペイン赤ワインに仕上がっています。
おすすめのペアリング
濃縮感のある果実味に力強いテクスチャーでしっかりとした赤ワインに仕上がっているEmbruix de Vall Llach(アンブルッシュ・ダ・バィ・リャック )には、白レバーのムース、牛ほほ肉の赤ワイン煮込み、仔羊のグリル、などといったしっかりめの肉料理や、ダークチェリーパイのペアリングがおすすめです。
Celler Vall Llach(セジェール・バィ・リャック )について
Celler Vall Llach(セジェール・バィ・リャック)は、90年代はじめにスペインで有名な歌手 Lluís Llach (リュイス・リャック)と公証人Enric Costa (エンリック・コスタ)の2人によって設立されたワイナリーで、カタルーニャ南部のD.O.Ca. Priorat (D.O.Ca. プリオラート)を構成する9つの町の中で最も古い村「ポレラ」にあります。
ブドウの栽培から瓶詰めまでの全ての醸造工程において、伝統と近代技術の調和が息づいています。品質を最重視した厳格なワイン造りからできる彼らのワインは、エレガントで繊細な味わいとなります。Celler Vall Llach(セジェール・バィ・リャック)は、プリオラート地域のユニークな特徴を活かした、他には類の見ない魅力的なワインを造っており、スペイン最高ワイン産地プリオラートの中でも最高峰と名高い生産者です。
まとめ
D.O.Ca. Priorat (D.O.Ca.プリオラート)は、スペインでたった二つしかない最高位の高級スペインワイン産地です。さらに、D.O.Ca. Priorat (D.O.Ca.プリオラート)の中でも高い評判を持つワイナリーCeller Vall Llach(セジェール・バィ・リャック)で一番人気のある赤ワインがEmbruix de Vall Llach(アンブルッシュ・ダ・バィ・リャック)です。
5種類のぶどうが見事に調和した魅惑のテイストEmbruix de Vall Llach(アンブルッシュ・ダ・バィ・リャック)の魔法にかかってみませんか?