スペインの中でも白ワインの優良産地として有名な「リアス・バイシャス」。
海流の影響から年間約200日の豊富な雨量と豊富な自然に囲まれた場所です。
大衆向けのテーブルワインとして生産する時期が長かったリアス・バイシャスですが、1988年に「D.O.リアスバイシャス」に認定されたことにより、急速な発展を遂げ、いまや優良なワインを造る高級白ワインの産地として世界に知られるようになりました。
今回は、そんなめざましい発展を遂げたリアスバイシャスの魅力とD.O.リアスバイシャスに認定されているおすすめの白ワインをご紹介します。
リアスバイシャスってどんなところ?
リアス・バイシャスは、スペインの北西部の大西洋沿岸であるガリシア州に位置しています。
リアス・バイシャスの「リア(Ria)」は“入り江”を意味しています。この言葉の通り、大変入り江の多い複雑な海岸線で、世界的に有名な“リアス式海岸”は「リアス・バイシャス」の地名からきています。
また、リアス・バイシャスでは白ワインがぶどう栽培全体の約95%を占めており、「スペイン国内で最も上質な白ワインの産地」という名声を獲得しているほど、世界的にも最高品質の白ワインを産出している地域です。
「ガリシアの女王」アルバリーニョ種
スペインでは珍しく雨が多く湿潤気候、夏は乾燥した短い日照時間の気候の栽培に最も適したぶどう品種が「アルバリーニョ種」でした。
そのため、アルバリーニョ種がリアス・バイシャスで栽培されるぶどう面積の90%を占め、ガリシア地域を代表する主要ぶどう品種となり、1980年には特定呼称アルバリーニョが設定されました。
「ガリシアの女王」の異名を持つアルバリーニョ種単一で造られるワインは、スペイン内外どちらからも高い評価を受けています。
また、1988年に原産地呼称に認定される際にも、リアス・バイシャスを代表する「D.O.アルバリーニョ」とする予定でしたが、原則として原産地呼称には品種名を使用することができないため、地域名を取ってD.O.リアスバイシャスとなったそうです。
初のD.O.獲得時にでぶどう品種の名前を付けようとするほど、アルバリーニョ種はリアス・バイシャスの顔であり、この地域で大切にされているぶどう品種だということが分かりますね。
5つの地域からなるD.O.リアスバイシャス
リアス・バイシャスの地域は入り組んだ複雑な地形をしているため、所々に別れて以下の5つの地域があります。
【D.O.リアスバイシャス】
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全体の9割を占めるアルバリーニョ種は、これらのすべての地域で栽培されていますが、地域によって味わいの特徴が異なっているのも面白いポイントです。
たとえば、コンダード・ド・テア地域で造られるアルバリーニョワインは、気温が高くぶどうが完熟しやすいこともあり、他の地域よりも穏やかな酸味が特徴的です。
一方、5つの地域の中でも最も海に面している地域が「パル・ド・サルネス」です。この地域で造られるアルバリーニョワインは、強い潮風を受けてワインに塩味と豊富なミネラル感を与えます。
スペイン随一の漁業地帯
リアス式海岸の複雑な地形は魚が取りやすいこともあり、リアス・バイシャスはスペイン随一の漁場です。とくに、牡蠣や帆立、ムール貝の養殖が盛んに行われています。
そんなリアス・バイシャスでは、魚介類をボイルした郷土料理「マリスカーダ」などさまざまな魚介をふんだんに使用したシーフード料理がメイン料理です。
ワインマリアージュの基本は、その土地の料理に合わせること。リアス・バイシャスのワインも例外ではなく、この地域で造られる爽やかでほのかな塩味が特徴のワインには、シーフード料理との相性が抜群です!
D.O.リアスバイシャス認定のおすすめ白ワイン
【商品情報】
商品名 |
トーレ・ラ・モレイラ |
生産者 |
ボデガス・マルケス・デ・ビソハ |
おすすめ料理 |
セビーチェ、甘海老の刺身、帆立貝のレアグリル、ヤリイカのフリットなど |
生産国 |
スペイン |
地域 |
D.O.リアス・バイシャス |
ぶどう品種 |
アルバリーニョ:100% |
樹齢 |
樹齢6〜32年以上 |
度数 |
13.0% |
ボディ |
ミディアム |
味わい |
ドライ |
飲み頃の温度 |
8〜10℃ |
容量 |
750ml |
「ボデガス・マルケス・デ・ビソハ」は、当時少なかったアルバリーニョ種をガリシアの代表的なワインとして世界に広めたことでも有名なワイナリーです。
今回ご紹介するのは、そんな伝統的なワイナリーで厳選するアルバリーニョ100%で造られるD.O.リアスバイシャス認定の白ワインです。
ワイン名の由来
「Torre(トーレ)」は“塔”、「Moreira(モレイラ)」は“地名”を意味します。
トーレ・ラ・モレイラは、「ボデガス・マルケス・デ・ビソハ」のワイナリー敷地内にある“モレイラの塔”から名付けられました。
モレイラの塔はスペインとポルトガルの国境に位置するため、かつては軍事的な拠点として使用されていた城館の塔です。
ワインラベルにもワイナリーの象徴であるモレイラの塔(城館)が描かれています。
また、ラベルに点字読み取りシステムを組み込んだ最初のアルバリーニョであり、これはワイナリーの社会的福祉への取り組みを象徴しています。
トーレ・ラ・モレイラの味わい
トーレ・ラ・モレイラは輝きのある美しいレモンイエロー。
リンゴや洋梨、フレッシュハーブのニュアンスが力強く、複雑なアロマを感じられます。
なめらかな口当たりでほどよい酸味があり、アプリコットやライムなどの豊かな果実味が特徴の魅力的な白ワインです。
ドライでさっぱりとした余韻が残るフレッシュなワインなので、魚介類をはもちろんのこと、パスタや和食などさまざまなお料理とのマリアージュも楽しめます。
生産者「ボデガス・マルケス・デ・ビソハ」
について
ボデガス・マルケス・デ・ビソハはスペインの北西、ポルトガルとの国境河川であるミーニョ川沿いD.O.リアスバイシャスの一つ「コンダード・ド・テア」にある家族経営の伝統的なワイナリーです。
1966年にマリアーノ・ペラエス氏によって創設され、昔ながらの素朴でぶどうそのものを味わうことのできるフレッシュなワイン造りに努めています。
また、ぶどうは全て手摘みで熟練の目で丁寧に選別されており、ガリシア州では数少ない自社で瓶詰めまでを行う白ワインです。
アルバリーニョを世界に広めた老舗ワイナリー
ボデガス・マルケス・デ・ビソハでは、ワイナリー創立当初からそんなアルバリーニョ種を中心としたワイン造りに注力し、無名だったアルバリーニョワインをガリシアを象徴するワインとして広めることに成功した最初の老舗ワイナリーとして知られています。
畑の真ん中にあるボデガは、18世紀に建てられた城館を使用しており、スペインでは珍しいシャトーをコンセプトに持っています。
まとめ
今回は、スペイン屈指の優良白ワイン産地「リアス・バイシャス」の魅力をご紹介しました。
ここ30年ほどで安価なテーブルワインとして有名だった時代から一変、スペインで最も高貴な白ぶどうとなったリアス・バイシャスのアルバリーニョ種ワイン。
そして、リアス・バイシャスのワインをここまで有名にした影の立役者であるワイナリーが「ボデガス・マルケス・デ・ビソハ」でしょう。そんな、伝統的な歴史を持つワイナリーが造る純度100%のアルバリーニョ種ワインが高品質であることは間違いありません。
ぜひ、あなたもスペイン最高峰の白ぶどう品種アルバリーニョから造られる白ワイン「トーレ・ラ・モレイラ」を味わってみてくださいね!