スコルニワイン創業祭〜新ソムリエ誕生秘話 一次試験対策編〜 スコルニワイン創業祭〜新ソムリエ誕生秘話 一次試験対策編〜

スコルニワイン創業祭〜新ソムリエ誕生秘話 一次試験対策編〜

初めに

ソムリエ試験とは

ソムリエ試験とは、ワインやその他のアルコール飲料(日本酒・ブランデーなど)をサービスする専門職になるための試験です。

日本のソムリエ試験は、国家試験ではなく、一般社団法人日本ソムリエ協会が試験を行っており、認定する資格は2つあります。

・S.Aソムリエ

・S.Aワインエキスパート

    どちらも日本におけるワイン資格の中では最も知名度やステータスが高く、大変人気のある資格です。

    飲食店関係者はもちろんのこと、ワイン愛好者ならだれもが目指したい資格ともいえるでしょう。

    詳しい試験内容はこちらの記事をご覧ください。

    https://sukoruni.wine/blogs/sukoruni_press/what-kind-of-exam-is-the-sommelier-exam?_pos=1&_sid=29f28f31b&_ss=r

     

    このように難易度の高い試験ですが、なんと昨年の試験ではスコルニワインの社員6名がが新たに「ソムリエ」として誕生致しました!

    難試験に心が折れそうになった時も、頑張る仲間がいたことで合格できたのではないでしょうか。

    今回、創業祭(誕生)といううことで新ソムリエ6名がソムリエ試験の内容と対策、思い出などを書き下ろしました。今年、ソムリエ試験を受けようと思っている方がいらっしゃいましたら、参考にして頂けたましたら幸いです。

    ソムリエ試験体験記の記事は公式ネットショップ創業祭期間中の2月13日から22日の間、4シリーズに渡ってお届け致しますので、どうぞお楽しみください。

    それぞれの想いと熱きワインへの情熱をお伝えできればと思います。

    第一回目は弊社社長の山村健児の一次試験についての記事です。

     

     

    山村健児

    私は元々はワインのことは何も分かっていない素人でした。それはシャルドネもカベルネ・ソーヴィニヨンもそれが葡萄品種だということを全くわからない状態の素人でした。3年前にワイン業界に入り、2021年の1月から代表へと就任。ワインのことをもっと知りたい、そもそもワインについて話をする時の共通言語が社内で出来上がっていない、そしてスペインワインの良さを伝えていくには、他国のワインも知っていなければならないと思った。私自身がソムリエの資格を取らなければ従業員への示しがつかないという強い思いから、2023年3月から7月までの5ヶ月間を試験勉強に集中をして無事に一次試験に合格をし、その調子で最後まで諦めずに進みました。そこで、一次試験、二次試験、そして三次試験について自分の体験と考えを書き残す。

     

    「強い決意」

    まず一番重要なことは、腹を括ること。絶対に合格をしなければならないという強い決意とモチベーションを自ら作らなければならない。ダイエットなどと一緒で、公表をするのが良い方法。ひっそりとやるということは、いつでも逃げるという気持ちがある。途中でやる気がなくなればそのまま辞めることができるし、失敗をすれば誰にも知られずにことを過ごすこともできる。そんな考えでは絶対に合格できない。社内、家族、SNSなどで公言をするのが良い。そして私は、取引先のお客様にも伝えていった。次回お会いする時は一次試験に合格していなければ恥ずかしい。二次試験の時には、三次試験の時にはという調子で会うたびにプレッシャーを自分にかけていました。

     

    「時間確保=切り捨てる」

    次に重要なことは時間を確保すること。確保をするということは、何かを切り捨てなければならない。例えば、朝1時間早く起きて勉強をするのであれば、睡眠時間を1時間切り捨てなければならない。お昼の1時間を10分程度で終わらせて残りを勉強するのであれば、食事時間の50分を切り捨てなければならない。夜、そして土日に勉強をするのであれば、自分のプライベート時間を切り捨てなければならない。これができるかどうかは、腹が括っているかどうかのモチベーションと比例してくる。私の場合は朝7時過ぎには息子を送り出していたので、そこから始業時間までの時間を確保した。お昼ご飯もなるべく手短に終わらせ、残りを勉強にする。夜と土日の休みはできる限り勉強に当てた。家族にも宣言をしていたので、理解をしてくれて協力的であった。

     

    「試験のための勉強」

    3番目に重要なことは、ソムリエの試験と実践は違うと割り切って、「試験のための勉強」をしなければならないということ。これは非常に重要で、どんなに知識があろうが、マニアックなことを知ってようが、実践から学んだことであろうが、当たり前ではあるが試験に出なければ、それは全く役に立たないということである。よって、試験申し込みをする際にソムリエ協会から届く、約830ページもある厚さ3.5cmの教本を全部読む必要もなく、覚える必要もない。必要なのはテストに出る重要な箇所だけを勉強するということ。

     

    一次試験へ

    三つの試験の中では、一次試験が一番の難関である。一次試験の対策としては、手っ取り早いのは試験対策用の学校である。私はアカデミー・デュ・ヴァンのオンラインコースで紫貴あき先生のコースを受験した。金銭的に高いと感じる人もいるが私は全く思わない。あの830ページもある教本を要約してくれ、かつ先生の手書き入りで重要度などを示してくれていたのは非常に助かった。どれだけの膨大な時間を要して、全てをまとめてくれているのかを考えるだけで、高いどころか安く感じてしまう。また、過去の試験の傾向からまとめてくれている実践問題が多いに役立った。試験範囲を要約をして、テストに出そうな箇所を示してくれているので、試験の難易度的には高校時代の期末テストぐらいの印象である。ただし、学校で言えば7科目はお酒の基本及びサービス等があり、26科目はそれぞれの国の歴史及びワインについての合計33科目を勉強する必要があり、26科目平均が75点を越えなければ合格ができない。人によっては相当、苦労することになる。

     

    「近道はない」

    一次試験には、いやそもそも試験には、近道というのは存在しない。コツコツと日々努力を積み上げていくしか無いのである。しかしながら、辛くなってくるとネットや噂に耳を傾けてしまい、無駄に何かを読んだり、見たりしてしまう人をみかけた。そしてモチベーションが下がっていくと毎日勉強をしなかったり、しまいには脱落してしまう人も多々いた。これらは非常に時間がもったいない。まずは自分の決意を信じること。一度、決意をしたのだから、自分にとっての誘惑を全て排除する必要がある。例えば、それがテレビなのであれば、テレビを押し入れに仕舞い込んでしまうか、カバーをかけてみれないようにするべきである。

     

    「過去問から勉強をする」

    勉強の仕方としては、非常にシンプルである。まずは、先生から頂く実践問題や過去問からやる。1つは、単語に慣れること。1つは、問題の形式を理解すること。1つは、どの内容がどれだけたくさん問題がでているかを理解すること。一旦、答えを見ながら問題をやり終えたら、今度はその問題一つ一つを見ながら教科書のどこに該当する内容なのかをチェックする。内容をチェックしていくと、点と点が繋がり、線となり、面となっていく。これを繰り返すことによって、記憶が定着をしていく。人はただ読んでいくよりも、疑問に思いながら調べものをしていき、問題を繰り返し行った方が記憶に残りやすい。

    問題から手を付けると見慣れない単語がたくさんで、チンプンカンプンでストレスが溜まり、どうしても先に教科書から「読みたく」なってしまう。しかしながら、これが大きな過ちなのである。私たちは試験勉強をしているのであって、「読書」をしているのではない。例えば、辞書(今となっては辞書を持っている人もいないと思うが)を見る時に「あ」から全てを読むのだろうか。そんな人はいない。自分が調べたい箇所を探し、それに関連する所を読むだけなはずだ。試験勉強も全く同じなのである。もう一度考えてみよう。試験に出てくる傾向と内容がわかれば良いのであって、全てを読んで満足をしても意味がないのである。

    過去問は何を、そして何冊必要なのか?という質問もよく出た。私の実感としては、先生の実践問題と過去問の本は一冊で充分であると断言できる。学校に通わない人は、過去問は2冊で充分でしょう。私が使用していた過去問は「ソムリエ試験対策問題集 1200問」であった。授業では毎週1及び2科目を、多い時は5、6科目を勉強の範囲としていた。私は授業が始まる前までには、一度実践問題と過去問を解き、二度目に教科書に線を弾きながらチェックをしていた。そして、授業を聞いていると腑に落ちるところが出てきたり、勉強したところ!(この気持ちが重要)と落ち着いて参加することができた。授業の終わりには小テストが毎回開催され、私は9割以上を目標にし、実際にやり遂げた。

     

    「忘れるのは当たり前。復習がポイント」

    しかしながら、毎週テストをしながら進めていっても、授業の中間テストと総合テストでは想像以上に点数が悪かった。それもそうなはずで、直前の復習対策を全くしていなかったためである。そしてここにもポイントが1つある。それは、毎週勉強をしていたことは無駄ではなく、後日総合復習をするための一つのステップだと思わなければならないということである。一度勉強をしているので、復習をする時は「あー、これあった」とか「あれ?こんなのあったっけ」となる。復習をすればするほど、「あー、これあった」という箇所が増えていき、問題ももっと多く解けるようになる。

     エビングハウスの忘却曲線」

    エビングハウスの忘却曲線は有名だが、「忘却曲線」という名前から勘違いをする人がいる。1時間後、1週間後、1ヶ月後にどれくらい「忘れたか」ではなく、再度勉強をした時にどれくらいの「時間を要して記憶できるか」というのがエビングハウスなのである。それを「節約率」として表現している。このあとの総合復習に述べる内容に重要なことなので、簡単ではあるが説明をする。エビングハウスで20分後の節約率58%について。10分かけてある内容を記憶をしたとする。20分後には全てを記憶している人は少ないでしょう。再度記憶するにはまた10分必要なのでしょうか?すでに覚えている箇所もあるので、10分もかからないはずです。実際には4.2分で記憶できる人が多いでしょう。そして、この時に節約をした時間は5.8分なのである。これがエビングハウスの忘却曲折の節約率という考え方なのである。つまり、復習をする際の間隔時間が短ければ短いほど、より短時間で覚えられるようになるということである。

     エビングハウスの忘却曲線

     

    総合復習

    ここまで来るとあとは勢いでいける。しかしながら、一つの科目(国)にこだわって先に進めないで総合復習ができない人もいる。それでも先に進み全体を早く終わらせるようにした方がよい。そういう意味でも学校に通った方が進行してくれるので良い。総合復習、つまり全ての科目の一気に問題解きをすることによって最後の仕上げをする。ここで重要なのが上記で述べたエビングハウスの忘却曲折である。総合復習は本試験まで5回はやるようにしましょう。私は1回目と2回目は、1週間かけて全ての科目の実践問題及び過去問題集をおこなっていた。実際、間違えたところを教科書で確認する作業を含めるとそれぐらいかかった。しかしながら、3回目の時には1日でそれを終わらすことができる。間違えたところでも全てを教科書で確認する必要がなく、頭のどこかに記憶をしているためだ。4回目、5回目は間違っていた箇所のみの問題を解いて、それぞれ数時間で終わるようになる。残りの時間は自分の苦手な科目やパターンを復習していた。このように最後の仕上げは、このように試験日当日から逆算をし、必ず全ての科目の問題を一気に解くことを強く勧める。

     

    最後に

     

    一つの試験で最大2回受験ができる。これを最大に活用するべきである。私はソムリエとエキスパートの2つを受験していたので、合計3回の試験を申し込んだ。エキスパートの試験を8月初めに、そしてソムリエの試験を中旬、そして月末へとスケジューリングした。試験合格をするにはA判定もしくはB判定が必要となり、不合格はCもしくはD判定となる。ただし、AやBで合格をしたからといって、特に何か次の二次試験が有利になるなどのメリットはない。私は8月初めはB判定合格となり、中旬の試験ではA判定合格となった。これは、2回試験をしたことによって、自分が苦手な科目がわかること、本試験ではどのような問題が出るかわかることにより自分なりに2回目私見の時には対策ができていたためである。また、私の周りでは8月初めにはD判定不合格となり、1ヶ月集中勉強をして見事B判定合格でパスをした者もいる。初めにお伝えした通り、テストのレベルは高校の期末試験ぐらいだと私は思う。33科目もあるので一夜漬けはできなくとも、1ヶ月の集中期間があれば合格への道は見えてくる。ただし、重要なのはすでに一度全てを勉強している上での1ヶ月集中期間だということを忘れないように。どんなに沢山勉強をしても、試験の合格という文字が出るまでは不安でしかない。自分の心のどこかにもっと勉強をしていれば良かったという後悔があればあるほど、その不安はもっと大きくなっていく。そんな気持ちでは睡眠もままならず、悪循環となる。重要なのは3つ。「強い決意」、「時間確保=切り捨てる」、そして「試験のための勉強」。あとは自分を信じて、勉強をするのみ。今後、受験をされる方は是非頑張ってください。

     

    山村健児のおすすめのワインはこちら

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