スペインが誇る、「シェリー(Sherry)」というお酒をご存知ですか?長い柄杓で高い位置からシェリーを注ぐパフォーマンス「ベネンシアドール」を見たことがある方も多いのではないでしょうか。
「シェリー(Sherry)」とはスペイン、アンダルシア地方の一部の地域で造られている「酒精強化ワイン」のひとつです。
「酒精強化ワイン」とは、「フォーティファイドワイン(Fortified wine)」とも呼ばれ、ワインの醸造工程中にブランデーや高アルコールの蒸留酒などを添加しアルコール度数を高め、保存性を良くしたワインのことを指します。
ブランデーを添加することで、保存性を高める以外にも味わいにコクや複雑味を持たせるというメリットもあります。
「酒精強化」というと、すごくアルコール度数が高いように感じますが、ワインよりも少し高い程度で、そこまで高く無いものも多くあり様々なシーンで楽しめるワインです。(アルコール度数15%〜22%程度のものが多く造られています。)
味わいも辛口から甘口まで幅が広く、このような多彩な味わいのシェリーはアンダルシアの気候、土壌、人の手によって生まれます。
今回は、アンダルシア地方、サンルーカル・デ・バラメダ(Sanlúcar de Barrameda)にある歴史あるワイナリー、エレデロス・デ・アルグエソ (Herederos de Argüeso,S.A.)が手がけるドライシェリー、「1822フィノ(1822Fino)」をご紹介します。
シェリーの産地
シェリーの生産地は、スペインの南部アンダルシア州・カディス県で、シェリーの熟成地はサンルーカル・デ・バラメダ(Sanlúcar de Barrameda)、ヘレス・デ・ラ・フロンテラ(Jerez de la Frontera)、エル・プエルト・デ・サンタマリア(El Puerto de Santa María)の3つの地域に限定されます。この3つの地域はヘレスの三角地帯、シェリー・トライアングルと呼ばれています。
シェリー(Sherry)の主な種類
シェリーに使われるブドウは全て白ブドウで、パロミノ(Palomino)、モスカテル(Moscatel)、ペドロ・ヒメネス(Pedro Ximenez)の3つの品種から造られます。
パロミノ(Palomino)が全体の95%を占め、造られるシェリーは辛口タイプとなり、モスカテル(Moscatel)、ペドロ・ヒメネス(Pedro Ximenez)から造られるシェリーは非常に少なく、ペドロ・ヒメネス(Pedro Ximenez)から造られるシェリーは甘口タイプとなります。
シェリーの種類 |
ブドウ品種 |
特徴 |
アルコール度数 |
フィノ(Fino) |
パロミノ(Palomino) |
無色に近い透明〜麦わら色の淡い色調で、酵母由来の香りを楽しめる。 |
15〜17% |
マンサニーリャ (Manzanilla) |
パロミノ(Palomino) |
淡い色調でアーモンドやカモミールのような香りがあり、辛口で軽い口当たり。 |
15〜17% |
アモンティリャード (Amontillado) |
パロミノ(Palomino) |
琥珀色〜淡いマホガニー色をしており、ヘーゼルナッツのような香りがある。 |
16〜22% |
オロロソ(Oloroso) |
パロミノ(Palomino) |
熟成の長いものほど濃い色調になる。 |
17~22% |
パロ・コルタド (Palo Cortado) |
パロミノ(Palomino) |
アモンティリャードのシャープな香りとオロロソのコクのある味わいを兼ね備えたシェリー。 |
17~22度 |
クリーム(Cream) |
パロミノ(Palomino) |
オロロソをベースにペドロ・ヒメネスやモスカテルで甘味を加えた、甘口タイプのシェリー。 |
15 〜 22% |
モスカテル(Moscatel) |
モスカテル(Moscatel) |
モスカテル=マスカット・オブ・アレクサンドリアを使ったシェリーで、豊かな芳香をもつ。 辛口タイプが主流だが甘口タイプもある。 |
15 〜 22% |
ペドロ・ヒメネス (Pedro Ximenez) |
ペドロ・ヒメネス |
ペドロ・ヒメネスというブドウを使ったシェリーで、極甘口タイプ。 |
15 〜 22% |
シェリーについて、ぜひこちらの記事もご覧ください。
◆合わせて読みたい記事
・世界で初めて地球を一周したワイン、シェリー酒とは
https://sukoruni.wine/blogs/wine-column/what-is-sherry-the-worlds-first-wine-to-circle-the-earth
・スペインの食前酒と食後酒の文化について
https://sukoruni.wine/blogs/wine-column/spanish-culture-of-aperitifs-and-after-meals
1822Fino
【商品情報】
商品名 |
1822フィノ(1822Fino) |
生産者 |
エレデロス・デ・アルグエソ (Herederos de Argüeso,S.A.) |
認証 |
D.O.ヘレス・ケレス・シェリー(D.O.Jerez-Xerez-Sherry) |
地域 |
アンダルシア州 |
ビンテージ |
NV |
生産国 |
スペイン |
ブドウ品種 |
パロミノ・フィノ(Palomino Fino) 100% |
おすすめ料理 |
生ハム、サラミ、カラスミ、ピクルス など |
発酵容器 |
ステンレス・スティールタンク |
発酵期間 |
10日間 |
発酵温度 |
18℃〜25℃ |
度数 |
15% |
テイスト |
ドライ |
飲み頃の温度 |
5〜7℃程度 |
容量 |
500ml |
味わいの特徴
グラスに注ぐと、輝きのある美しいイエローゴールドの色調を楽しむことができます。
熟したりんごや、ドライフルーツのような蜜の香りと、フローラルでナッティーな熟成を感じさせる香りが後からやってきます。口に含むと、ドライでありながら滑らかな口当たりで、キレとコクのバランスが良く、非常に長い余韻もこのシェリーの特徴です。
洋梨、マルメロ、アーモンドの香りと、軽やかなボディ、上質で長く続く余韻にグラスを運ぶ手が止まらなくなるでしょう。冷蔵庫で冷やして、徐々に温度を上げていきながらゆっくり飲むと、香りの変化を楽しむことができます。
おすすめのペアリング
1822フィノ(1822Fino)は、爽やかな飲み口のドライシェリーなので、食前、食中、食後、どのようなシーンにも合わせていただけます。
シーフードとの相性が良く、エビ、カニ、ムール貝、カキ、魚のカルパッチョやマリネ、白ワインで煮た魚料理などと一緒に合わせると、シェリーのドライな口当たりを引き立ててくれます。
ドライシェリーはお肉とも相性が良いので、スペインの生ハムやサラミなども好相性です。
シェリーは多彩な風味を持つため、一般的に辛口のシェリーは前菜やシーフードに、甘口のシェリーはデザートに良く合いますので、ぜひお好みで合わせてみてください。
ボデガ・エレデロス・デ・アルグエソ(Herederos de Argüeso,S.A.)について
ボデガ・エレデロス・デ・アルグエソ(Herederos de Argüeso,S.A.)は、1822年にレオン・デ・アルグエソ・イ・アルグエソ(León de Argüeso y Argüeso)によって設立された歴史あるワイナリーです。
スペインの南、アンダルシア地方にあるサンルーカル・ デ・バラメダにあるワイナリーで、自慢は何といっても創業以来約200年もの間、修理・修復を重ね使い続けている樽での熟成。
ワイナリー内にある樽工場にて専属の職人が、創業当時からの樽を管理し、1,890もの樽を現在も使い続けています。
「創立当初から維持してきた品質と伝統を守ること」を哲学に、新しい醸造技術やボトリング設備を導入しつつも、主原料であるブドウ、果汁の選別を行い、ソレラ・イ・クリアデーラシステムにてフロール (産膜酵母)の下で熟成をさせる手法は250年前と変わりません。
現在は、有名ワイナリーであるボデガス・ジュステ社のグループに入り、プロモーションし易い環境となったことで、更に世界中の方から愛されるシェリーブランドとなることが期待されています。
◆こちらもおすすめ
https://sukoruni.wine/products/san_leon_manzanilla
まとめ
今回は、サンルーカル・デ・バラメダ(Sanlúcar de Barrameda)にある歴史あるワイナリー、エレデロス・デ・アルグエソ (Herederos de Argüeso,S.A.)が手がけるドライシェリー、「1822フィノ(1822Fino)」をご紹介しました。
酒精強化ワインということもあり、他のワインと比べると酸化の速度も緩やかなので、抜栓後1週間〜10日ほど楽しむことができるのも嬉しいポイントですよね。
この機会に、歴史ある老舗ワイナリーの「王道シェリー」をぜひお楽しみください。
「みんなでシェリー祭り」開催!
11月1日(水)~21日(火)、「みんなでシェリー祭り」を開催いたしました!皆様お買い求めくださりありがとうございました。