突然ですが、あなたは「千夜一夜物語」をご存知でしょうか?
千夜一夜物語(せんやいちやものがたり)はイスラム世界の逸話であり、日本では英語名「アラビアンナイト」の名前で知られています。
さらに、アラビアンナイトの中でも世界的に最も有名なのが「アラジン」です。アラジンの名を聞くと多くの人がそのエキゾチックな世界観をより具体的に想像できますよね。
本記事では、そんな千夜一夜物語(アラビアンナイト)が由来の非常にエキゾチックで魅力的なスペインワインをご紹介します。
異国な世界観を感じられる一味違うワインです。ぜひ最後までご覧ください。
千夜一夜物語って?
千夜一夜物語は、9世紀頃にアラビア語で書かれた「アルフ・ライラ・ワ・ライラ」を直訳したものです。別名は「千一夜」とも呼ばれており、物語全体が1001の夜に分けた短編集となっていることから、「千夜一夜物語」と名付けられていました。
1704年にフランス人のアントアーヌ・ガランという東洋学者が翻訳したことがきっかけとなり、多くの人へ知れ渡りました。
彼は翻訳時に、原型の「千夜一夜物語」にはなかった「アリババと40人の盗賊」や「シンドバッドの冒険」「アラジンと不思議なランプ」を書き足しており、それら3つの物語を含めた千夜一夜物語は欧米で熱狂的に迎えられ、米訳「アラビアンナイト」として瞬く間に世界中へと広がっていきます。
結果的には、翻訳者アントアーヌ・ガランによって書き足された3つの物語の方が原型の千夜一夜物語よりも有名となり、アラビアンナイトの代表作となってしまいました。
物語の概要
インドと中国を治めているペルシアの王「シャフリヤール」と王側近である大臣の娘「シェヘラザード」の2人がこの物語の主人公です。
ある日、妻の不貞を知った王は、妻と相手の奴隷たちの首をはねて殺します。女性不審に陥った王シャフリヤールは、街の娘を宮殿に呼び出して一夜を過ごしては、翌朝には殺すことを繰り返し、街からは次々に若い娘がいなくなっていきます。しかし、王を止められる者は誰もいませんでした。
そして大臣の賢い娘シェヘラザードが宮殿に呼ばれる番となりました。賢いシェヘラザードは、呼ばれた一夜を世にも不思議で面白い話を朝まで王に聴かせました。彼女は、明朝になると「続きは明日の晩に話しましょう」と王に告げます。こうしてシェヘラザードは毎晩命がけで王の興味を引く話を続け、ついに3年が経過します。その間にシェヘラザードは、王の子を宿し、王の怒りも収まったことで、ついに街の女性が殺されることを食い止めることに成功しました。
この時、シェヘラザードが王に毎夜、聴かせた物語が短編集となり1001夜の物語「千夜一夜物語」となります。
女性に人気!エキゾチックな白ワイン
「シェヘラザード」
【商品情報】
商品名 |
シェヘラザード(Serezhade) |
生産者 |
ボデガ・ラス・セパス(Bodega Las Cepas) |
おすすめ料理 |
帆立貝のレアグリル、ココナッツシュリンプ、ローストポーク、フレッシュなトロピカルフルーツ |
生産国 |
スペイン |
地域 |
D.O.Ca.リオハ |
ぶどう品種 |
マトゥラナ・ブランカ80%(樹齢35年)ソーヴィニヨン・ブラン10%、ベルデホ10% |
度数 |
13.0% |
ボディ |
ドライ |
飲み頃の温度 |
8〜12℃ |
容量 |
750ml |
そんな千夜一夜物語の主人公であり、王の悪行を食い止めることに成功した賢い女性「シェヘラザード(Serezhade)」が名前の由来となったワインをご紹介します。
ワインの顔となるラベルには、千夜一夜物語の語り手であるシェヘラザードのイラストが描かれています。
シェヘラザードのワインは、希少品種マトゥラナ・ブランカをメインに、ソーヴィニヨン・ブラン、ベルデホの組み合わせでできており、不当に苦しめられた時でも、勇ましく、エレガントでフルーティなこのワインを飲むことで心地よく幸せになれる。まさに、命がけで王に話を聴かせたシェヘラザードの勇敢さや知性を象徴するワインとなっています。
女性向けのエキゾチックなワインを造りたいというワイナリーの考えから生まれました。
一度は絶滅したリオハ最古のぶどう品種
「マトゥラナ・ブランカ」
ぶどう品種マトゥラナ・ブランカは、事実上リオハ地域では絶滅していました。
しかしその後、古いぶどうの木から回復した品種であり、リオハで最も古いぶどう品種の一つとされています。
マトゥラナ・ブランカは、日本ではあまり出回っておらず、リオハ地域でも少量しか栽培されていない希少なスペイン固有品種をシェヘラザードでは贅沢に80%使用しています。
シェヘラザード(Serezhade)の味わい
シェヘラザードの色調は凝縮された輝く黄金色。
口に含むと、完熟したパイナップルや黄桃、洋梨のコンポートなど甘みを帯びた黄色系果実のフルーティーなアロマが広がります。
さらにアフターには、リンゴやカリンのニュアンスにハーブの香りが加わり、涼しげな印象を与えます。
また、時間の経過につれて樽由来の優しいココナッツやバニラの香り、バナナやマンゴーなどの南国系の香りが心地よい余韻をもたらします。
豊かな果実味にたっぷりと凝縮したエレガントな味わいに程よい酸味がバランス良く、冷やして飲むとミネラル感のあるドライな味わいに、温度を上げるとふくよかな果実味にオイリーでまろやかなコクを感じられるワインです。
生産者「ボデガ・ラス・セパス
(Bodega Las Cepas)」について
「ボデガ・ラス・セパス(Bodega Las Cepas)」のワイナリーは、リオハ中心都市から南に25kmの場所に位置しており、2003年に若きオーナー兄弟の2人によって創設されました。
創業から20年弱の比較的若いワイナリーですが、兄のサンティア(畑係)と弟のアルベルト(醸造家)の2人は「代々続くこの土地の上質な土壌と環境を自然派ワインという形で届けたい」という自然への共存と配慮に強い信念を持ち、1995年よりオーガニック農業を開始しました。
100%オーガニックワインであることへのこだわり
畑のあるリオハアルタは、夏は暑く、冬は寒い大変寒暖差のある乾燥地帯。さらに乾燥地帯のため、降水量も非常に少ないなどの厳しい気候条件にあるため、害虫がつきにくく、有機ぶどう園を育てるのに最適な地域です。
このことに着目した醸造家の弟アルベルト・ラミレス氏の指揮のもと、畑を併設する農場でも環境に配慮、共存を理念に100%オーガニックワインを造っています。
除草剤や合成農薬は使用せず、殺虫剤の代わりに合成性フェロモン※を使用しています。(※ご性フェロモンによって交尾を撹乱。直接殺すことはせず、次世代の発生を抑制することで害虫を減らしていく方法)
そして、ワインに天然のコルクを使用しているのは当然のこと、発送時のダンボールではリサイクルのものを使うなどの徹底ぶり。彼らの環境への配慮は、ボデガ・ラス・セパスのワイナリー随所に伺えます。
さまざまな賞を受賞している実力派ワイナリー
そんなこだわりの詰まった彼らのワイン作りは、自然派の有機ワインであるだけでなく、高品質なワインを提供していることが世界的にも認められています。
彼らのワイナリーは、Biocordoba、BioMillesime、BioFach、International Wine Challenge、Ecovinoなど現在5つの権威ある国際的ワイン機関からメダルを受賞しておりDECANTER、GUIAPEÑIN、JAMESSUCKLINGなどのワインレビューサイトでも高い評価を受けていることからも、ボデガ・ラス・セパスで造られる有機ワインがいかに素晴らしい品質であるかが分かります。
ボデガ・ラス・セパスは、土壌と環境の自然的生命力を大切に最大限ワインに還元するための努力を日夜惜しまず、ぶどう畑とワイン品質どちらにもこだわったワイナリーです。
まとめ
千夜一夜物語に出てくる勇敢で知的な女性「シェヘラザード」を象徴する女性向けに作られたエレガントでエキゾチックなワインをご紹介しました。
シェヘラザードの白ワインは温度変化の影響を受けて変わる味わいやコク、余韻が楽しめる表情豊かなワインです。このようなワインは、ゆっくりと時間をかけて変化を感じながら飲むのがおすすめです。
さらに、日本では中々飲めない希少な品種マトゥラナ・ブランカを使用しているのもこのワインの魅力です。
このワインを飲む時には、ぜひ千夜一夜物語のシェヘラザードを思い浮かべながらたっぷりと凝縮された果実の味わいとその余韻をお楽しみください。