リオハはスペインで最も有名なワイン産地といっても過言ではないでしょう。
ワインの地リオハに、伝統的な製法と最新の醸造技術を融合させたワイン造りを行うワイナリー、ヴィニャ・ブハンダ (Viña Bujanda)はあります。
今回は、ヴィニャ・ブハンダ (Viña Bujanda)が手がける、D.O.Ca.リオハ(Rioja)ヴィニャ・ブハンダ テンプラニージョ(Viña Bujanda Tempranillo)をご紹介します。
D.O.Ca特選原産地呼称ワインとは
スペインワインのラベルに表示されているDenominación de Origen Calificadaというアルファベット。
表のラベルに書かれていることもあれば、裏ラベルに小さく表示されていることもあるこの文字は、産地や品質を保証する重要な目印です。
ワインがお好きな方であれば「原産地呼称」と呼ばれる、ワインに関わる法律があるということについて、なんとなく聞いたことがあるという方も少なくないのではないでしょうか。
品質を守るためにとても大切なものですが、この法律がワインを少し難解にしている部分でもありますよね。
スペインのワイン法と、D.O.Ca.とD.O.について簡単に解説します。
ワイン法の制定と発効
1926年、原産地名保護のための「統制委員会」 Consejo Regulador(コンセホ・レグラドール)がリオハ地方に設立されました。
その後、1932年に国が「ワイン法」Estatuto del Vino (エスタトゥート・デル・ビノ)を制定し、これに基づき「原産地呼称」Denominación de Origen (デノミナシオン・デ・オリヘン)が制定されます。
フランスよりも先に行われた法整備
ヨーロッパのワインは伝統的に「産地」で分類する方法が取られていましたが、産地の知名度や人気には偏りがあり、あまり有名ではない産地のワインボトルに、売れる産地名を載せ偽装して売る、というような不正が横行していたと言います。
このような不正を防ぐため考案されたのが、1935年に制定されたフランスのA.O.C.(Appellation d’Origine Controlée /アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ)です。
A.O.C.は、定められた地区で一定の条件をクリアしたワインにのみ、「伝統的な産地名」の記載が許されるというもので、いろいろな側面から見て大変整備された制度でした。
スペインでは1932年に国でワイン法を制定しており、フランスよりも早い時期に法整備が行われていました。
さらに法改正が行われ、現在ではスペインでもA.O.C.をもとにしたワイン法が制定されています。
D.O.Ca.ワインとは
D.O.Ca.とは、Denominación de Origen Calificada(デノミナシオン・デ・オリヘン・カリフィカーダ):特選原産地呼称ワインを指します。
1991年にリオハ(Rioja)が認定され、2009年にプリオラート(Priorat)が加わり、現在認定されているのは2地域のみです。
D.O.Ca.に認定されるためには段階があり、まずはD.O.に認定されないとD.O.Ca.に昇格することはできません。
D.O.ワインとは
D.O.とは、Denominación de Origen(デノミナシオン・デ・オリヘン):原産地呼称ワインを指します。
原産地呼称統制委員会(コンセホ・レグラドール)が設置された地域で、厳しい基準に基づき生産されたワインを指し、高級ワインの中心的なカテゴリーとなっています。認められたワインには、ラベルに産地名+Denominación de Origenと表示をすることができます。
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ヴィニャ・ブハンダ Viña Bujanda Tempranillo
【商品情報】
商品名 |
ヴィニャ・ブハンダ テンプラニージョ(Viña Bujanda Tempranillo) |
生産者 |
ヴィニャ・ブハンダ (Viña Bujanda) |
地域 |
ブドウ生産地:ラ・リオハ州 D.O.Caリオハ(D.O.Ca Rioja) |
ビンテージ |
2022 |
生産国 |
スペイン |
ブドウ品種 |
テンプラニージョ(Tempranillo) 100% |
認証・規格 |
|
おすすめ料理 |
フィレステーキ、鴨のロースト、ハモン・イベリコ、ラタトゥイユ、魚介のフリットなど |
発酵容器 |
ステンレス・スティールタンク |
発酵期間 |
14日間 |
発酵温度 |
25°C |
度数 |
13% |
テイスト |
ミディアムボディ |
飲み頃の温度 |
12~14°C |
容量 |
750ml |
ヴィニャ・ブハンダ テンプラニージョ (Viña Bujanda Tempranillo)について
ヴィニャ・ブハンダ(Viña Bujanda)は、カルロスとラピール・マルティネス・ブハンダ夫妻の出身地である、オヨンの町で始まりました。
ヴィニャ・ブハンダ (Viña Bujanda)を所有するワインメーカー、ファミリア・マルティネス・ブハンダ(Familia Martínez Bujanda)は、
スペイン国内4つの州に5つのワイナリーを構え、リオハ(D.O.Ca.Rioja)には127ヘクタールのブドウ畑を所有しています。
リオハのブドウ畑は28の区画に分かれており、それぞれの区画ごとに別々のタンクで栽培、醸造されます。
「持続可能なブドウ栽培」をコンセプトに、ブドウ畑の肥料に自然の有機物(果皮や剪定枝など)を使用し、代々受け継いだ伝統的な「不干渉主義」を尊重し、自然なブドウ栽培を行ってきました。
家族ワイナリーの伝統と現代的な醸造技術を組み合わせ、高品質なテンプラニーリョ(Tempranillo)は生み出されています。
味わいの特徴
輝きのあるルビーレッドの色調で、グラスの中心からフチにかけて透明感のあるグラデーションが美しい赤ワインです。
チェリーやラズベリーのような若々しい赤いフルーツのアロマに、オレンジの果皮や黒コショウなどのニュアンスを感じ取ることができ、口に含むと優しい甘さと心地よい酸味、なめらかなタンニンが心地良く広がります。
余韻にはキャラメルやバニラといった香りが広がり、リオハの良さを存分に楽しむことができるフレッシュでフルーティーな赤ワインです。
おすすめのペアリング
フルーティーさとタンニンのバランスが良い赤ワイン、ヴィニャ・ブハンダ テンプラニージョ(Viña Bujanda Tempranillo)には、シンプルな調理、味付けをしたお料理がマッチするでしょう。
お肉であれば、シンプルな味付けの赤身のお肉のステーキがおすすめです。ワインの渋みがそこまで強くないので、ソースは軽めにすると、お互いがより引き立ちます。
お魚料理には、こちらもシンプルにオリーブオイルでソテーした白身魚や、魚介のアヒージョなどがおすすめ。
そのほか、ワインの持つ心地よい酸味に合わせて、トマトを使った煮込み料理や、酸味と相性の良い、魚介やお肉のフライなども合うでしょう。
ファミリア・マルティネス・ブハンダ(Familia Martínez Bujanda)について
マルティネス・ブハンダ家は、ラ・リオハ州のフィンカ・ヴァルピエドラ(Finca Valpiedra)、ルエダ州のフィンカ・モンテペドロソ(Finca Montepedroso )、ラ・マンチャ州のフィンカ・アンティグア(fincaantigua)の土地に加え、リオハ(D.O.Ca.Rioja)に127ヘクタールのブドウ畑を所有しています。
クリアンサとレセルバをベースとしながら、伝統的なリオハのDOCaワイン(赤、ロゼ、白)を忘れることなく、より伝統的なリオハ・ワインの表現をする、というコンセプトのもと、ファミリア・マルティネス・ブハンダ(Familia Martínez Bujanda)のワインは造られています。
ファミリア・マルティネス・ブハンダ(Familia Martínez Bujanda) 5つのワイナリー
州 |
ワイン法上の分類 |
ワイナリー |
開園 |
|
アラバ州 |
I.G.P. Vinos de la Tierra de Castilla |
コセチェロス・イ・クリアドーレス |
1951 |
|
リオハ州 |
D.O.Ca.Rioja |
フィンカ・ヴァルピエドラ(Finca Valpiedra) |
1997 |
|
ヴィニャ・ブハンダ (Viña Bujanda) |
2009 |
|||
ラ・マンチャ州 |
D.O.La Mancha |
フィンカ・アンティグア(fincaantigua) |
2003 |
|
ルエダ州 |
D.O.Rueda |
フィンカ・モンテペドロソ(Finca Montepedroso ) |
2012 |
まとめ
今回は、ヴィニャ・ブハンダ (Viña Bujanda)が手がける、ヴィニャ・ブハンダ テンプラニージョ(Viña Bujanda Tempranillo)をご紹介しました。
創業以来守ってきた極力人の手を加えない製法で、名釀地と言われるリオハ(Rioja)の伝統的な味わいを楽しむことができます。
すぐに飲んでも楽しめますが、若々しいワインなので、少し寝かせてから飲んでも、また違った表情を見せてくれるでしょう。
この機会にぜひ一度、「伝統的リオハ」を味わってみてください