ワインに関する資格を初心者向けから上級者向けのものまで紹介 ワインに関する資格を初心者向けから上級者向けのものまで紹介

ワインに関する資格を初心者向けから上級者向けのものまで紹介

スペインワインをきっかけにワインに関してさまざまな知識を深めていくなか、ワインエキスパートやそのほかのワインの資格に興味が出てきた、という方もいるのではないでしょうか?

ワインは非常に奥深く、その種類や選び方、料理との合わせ方など、知れば知るほど面白いものです。ワインの資格はワインを職業にするためだけでなく、ワインについての学びを深め、ワインをより楽しむためにも非常に役立つ資格です。

この記事ではワインに関する資格を初心者でも挑戦できるものから上級者向けのものまで、いくつか紹介していきます。


J.S.A.ワイン検定

J.S.A.ワイン検定とは、一般の方にワインを広めることを目的に、2012年から実施されている検定試験です。主催しているのは一般社団法人日本ソムリエ協会(JAPAN Sommelier Association)で、同団体主催のJ.S.A.ワインエキスパート有資格者が講師として検定を担当します。

普段の生活でワインを楽しむ際に役立つ基礎知識を得ることが目的で、ワインについて学びを深めたい、という方にはまさに入門編となる資格です。また、満20歳以上の方なら誰でも受験可能です。

検定の内容はワインの分類や選び方、料理とのペアリング、ワインの歴史やぶどうの品種、醸造の方法などで、テイスティングはありません。

J.S.A.ワイン検定には「ブロンズクラス」と「シルバークラス」に2つのレベルがあります。


ブロンズクラス

家庭でワインを楽しむ飲むために知識を習得することを目的とした資格。


シルバークラス

レストランでソムリエにワインを相談したり、販売店でワインアドバイザーにアドバイスをもらったりする際に好みのワインを選ぶための知識を習得することを目的とした資格。対象はブロンズクラス取得者。


ワイン検定(ANSA)

ワイン検定は全日本ソムリエ連盟(ANSA)が主催するものもあります。2015年から実施されていて、消費者がワインをさらに楽しむことを目的にしています。ワイン検定が初めての人は5級、4級、3級から受験が可能で、その後2級、1級と挑戦することになります。20歳以上なら誰でも受験可能で、どの級の試験にもテイスティングはありません。


ワイン検定・5級/4級

ワインの基礎知識と周辺知識を活用し、ワインの魅力を自身で楽しめることを示す資格。


ワイン検定・3級

ワイン及び周辺知識に関する基礎知識を習得していることを示す資格。


ワイン検定・2級

ワインに関する法律と地理、またその特徴と魅力を理解し、第三者に提供できることを示す資格。


ワイン検定・1級

ワインとソムリエ、およびワインの周辺知識のあらゆることに精通していることを示す資格。

 

 

J.S.A.ワインエキスパート、J.S.A.ソムリエ

一般社団法人日本ソムリエ協会が実施する試験で、酒類、飲料、食全般に関しての専門的な知識とテイスティング能力を試されます。

ワインエキスパート、ソムリエは両方とも共通したマークシート式の一次試験、テイスティングの二次試験がおこなわれます。論述試験とワインの開栓及びデカンタージュの実技試験、書類審査の三次試験はソムリエにのみおこなわれます。

また、受験資格はワインエキスパート20歳以上であることのみですが、ソムリエはアルコールに関連した業界で3年以上の職務経験も受験資格に加わります。


ワインコーディネーター、ソムリエ(ANSA)

全日本ソムリエ連盟が実施する資格で、ワインコーディネーターとソムリエ、どちらも内容はほぼ同等です。好感度の高い接客力やワインの特性を見抜くテイスティング能力、保存管理を実行できる知識と劣化ワインの判定ができるテイスティング力、TPOに合わせたサービスができる技術力、効果的なメニューやPOP作成などのセールス力が試されます。受験資格は20歳以上であることのみとなっていて、日本ソムリエ協会の資格に比べるとより一般向け、と言えるでしょう。


WSET®️認定資格

ロンドンに本部がある国際的酒類教育機関『WSET®️(Wine & Spirit Education Trust』によるワインに関する認定資格で、Level 1からLevel4までのレベルがあります。


Level 1

ワインの初心者向け講座・資格です。主要なワインのタイプとスタイル、主要なぶどう品種とその個性、ワインの保管とサービス方法、ワインと料理のペアリング原則、テイスティングを学びます。


Level 2

初心者から中級者向けの講座・資格です。スティルワイン、甘口ワイン、スパークリングワイン、酒精強化ワインの造り方、主要な白・黒ぶどうの品種とその個性、重要なワイン産地、ラベルに使われる用語、ワインと料理のペアリング原則、主要なスピリッツ・リキュールの造り方、テイスティングを学びます。


Level 3

上級者向けの講座・資格です。ワイン生産に関するぶどう栽培や醸造、熟成などの基礎知識とそれらの要素がワインの個性に与える影響、ワインに関する知識の活用方法、テイスティングを学びます。


Level 4 Diploma

ワインとスピリッツについて精通している専門家向け講座・試験で、以下6分野に分かれています。

  1. 酒類飲料のグローバルビジネス
  2. ぶどう栽培・醸造
  3. 世界のスティルワイン
  4. 世界のスピリッツ
  5. 世界のスパークリングワイン
  6. 世界の酒精強化ワイン

国際ソムリエ協会認定資格「Internatinal A.S.I. Sommelier Diploma」

国際ソムリエ協会(A.S.I.)が、2012年から年1回、ヨーロッパ、アメリカ大陸、アジア・オセアニア地区の3地域でおこなっている国際的なソムリエの資格試験です。ASIには一般社団法人日本ソムリエ協会も加盟していて、世界61カ国が所属しています。

テイスティングと筆記試験による一次試験と、口頭試問とサービス実技の二次試験があります。試験は母国語では受けられず、日本の試験では英語、フランス語、スペイン語のいずれかを選択しなければなりません。

受験資格としては、日本ソムリエ協会の正会員または賛助会員であり、ワインに関する職業での実務経験が4年以上あることです。外国語での試験ということもあり、かなり難関の資格と言えるでしょう。

 

 

ベネシアンドール公式資格称号、シェリー・アンバサダー資格称号(シェリー委員会認定資格)

シェリー委員会は2002年から、ベネシアンドール(シェリーの樽からワインを汲み出し、グラスに注ぐ特別な技術を持つ人)の技術とともにシェリーに関する知識とテイスティング能力を持つ人たちに向けて、「ベネンシアドール公式資格称号」の認定試験を実施しています。日本では、毎年春に郵送でおこなわれる筆記の一次試験がおこなわれ、合格者は東京で秋に実施される、筆記とテイスティングの二次試験を受けます。

二次試験に合格して資格認定を受けた人を対象として、二次試験当日に最終実技審査がおこなわれ、その年の最優秀者1名が選ばれます。資格認定の合格率は例年で6~7%と低く、取得が非常に難しい資格です。

ベネンシアドール公式資格称号は、満20歳以上でワインに関する職業についている人しか受験資格がありません。いっぽう、2015年から認定が実施されている「シェリー・アンバサダー資格称号」は、満20歳以上であれば誰でも受験ができる資格です。シェリーの知識を持ち、シェリーの愛好者をさらに増やすため活動する人向けの称号、という位置付けです。試験はベネンシアドール公式資格称号と同じ時期に実施されますが、ベネンシアを使った実技試験はなく、出題の傾向も少し異なります。


まとめ

ワインに関する資格を初心者でも挑戦できるものから上級者向けのものまで、いくつか紹介しました。スペインワインだけでなく、世界中のワインについてもっと知りたい、ワインをもっと楽しみたい、という方にも、ワインの資格取得に取り組むことは非常に大きな糧になることでしょう。気になる、という方は是非、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?

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