シェリーにはスッキリとした辛口タイプのシェリーから甘く食後のデザートのような感覚で飲まれるシェリーまで、さまざまなタイプがありますが実は、シェリーもワインの一種だということをご存じですか?
シェリーの製造には、指定された白ぶどうを使うことや、指定された地域のみで生産できるなど、スペインで厳格なルールが設けられており、世界中でもスペインのアンダルシア州周辺のワイナリーでしか造ることができません。
今回は、創業以来200年以上同じ樽を使用し、シェリーに定評のあるワイナリー「Herederos de Argüeso,S.A.(エレデロス・デ・アルグエソ)」が造る甘口タイプの濃厚なシェリー「1822 Cream(1822 クリーム)」をご紹介します。
クリームタイプのシェリーって?
”クリーム”と聞くと、乳製品をイメージする方も多いのではないでしょうか?しかし、シェリーのクリームには、実際にクリームを使用しているのではありません。
クリームタイプのシェリーとは、さまざまな種類があるシェリーの一つです。オロロソタイプのシェリーにMCR(濃縮果汁)といった甘みを加えたシェリーのことを言い、深みのある味わい、ビロードのような口当たり、レーズンのような甘みに、フルボディのしっかりとした味わいを特徴とします。
ちなみにクリームという名前は、Bodegas Harveys(ボデガス・アルベイス)のシェリー「Bristol Cream(ブリストル・クリーム)」が非常に人気が高かったため、製品名から付けられました。甘口のクリームシェリーは、主に食後酒として楽しまれていますが、シンプルにデザートワインとして、氷とオレンジスライスでカクテルとしてなど、さまざまな楽しみ方ができるのもクリームタイプシェリーの魅力です。
1822 Cream ― 1822 クリーム ―
【商品情報】
商品名 |
1822 Cream(1822 クリーム) |
生産者 |
Herederos de Argüeso,S.A.(エレデロス・デ・アルグエソ) |
地域 |
アンダルシア州 D.O.Jerez-Xérèz-Sherry (D.O.ヘレス・ケレス・シェリー) |
ビンテージ |
NV |
生産国 |
スペイン |
ぶどう品種 |
Palomino Fino(パロミノ)85% , Pedro Ximénez(ペドロ・ヒメネス) 15% |
おすすめ料理 |
生ハム/カラスミ/ドライフルーツ/かりんとうなど |
発酵容器 |
ステンレス・スティールタンク |
発酵期間 |
約10日間 |
発酵温度 |
18~22°C |
熟成容器 |
1822年から修理/修復を重ねて使い続ける500Lオーク樽(アメリカ産) |
熟成期間 |
最低10年 |
度数 |
17.0% |
テイスト |
スウィート |
飲み頃の温度 |
10~12°C |
容量 |
500ml |
1822 Cream(1822 クリーム )について
1822シリーズは、Herederos de Argüeso,S.A.(エレデロス・デ・アルグエソ)で2016年からボトリングされているハイレンジのシリーズです。新しい高級シェリーシリーズを造る際、会社が設立された年である1822年を名前に付けました。1822シリーズは、これまでのシリーズに比べて現代的なパッケージを使用した全く新しいアルグエソのベンチャーです。
そして今回ご紹介する1822 Cream(1822 クリーム )は、アンダルシア州のD.O.ヘレス・ケレス・シェリー(D.O.Jerez-Xérèz-Sherry )の甘口のシェリーです。“クリーム(Cream)”は、オロロソをベースにペドロ・ヒメネスやモスカテルのMCR(濃縮果汁)で甘みを付けたシェリーのことを言います。
1822 Cream(1822 クリーム )のぶどうには、最高級のペドロヒメネスが栽培できることで有名なアモンティリャードの中心部で栽培されたPalomino Fino(パロミノ)85% , Pedro Ximénez(ペドロ・ヒメネス) 15%を使用されています。収穫後は、糖分を凝縮するためにぶどうを天日干ししてレーズンにし、発酵を行います。その後、創業当初から修復を重ねて200年の間、使用し続けている500 Lの大きなアメリカ産のオーク樽で酸化熟成することで、凝縮感と複雑味のある味わいを造り出すことができます。
味わいの特徴
濃い琥珀色の1822 Cream(1822 クリーム )は、プルーンやレーズンといった凝縮されたフルーツのアロマを特徴とします。口に含むと、黒蜜やハチミツのような甘い味わいが広がり、スパイスの香りや、香ばしいトースティなニュアンスが加わります。
創業当時の1822年から続くアメリカ産オーク樽が与える濃厚で深みのある味わいで、最後の最後まで、長く続く余韻を楽しむことができるフィニッシュが魅力的なシェリーです。
おすすめのペアリング
1822 Cream(1822 クリーム )の黒蜜のニュアンスは、かりんとうとの相性が抜群です。また、レーズンやプルーンのようなフルーツの甘さは、ドライフルーツとよくマッチします。さらに深みのある濃厚な味わいは、生ハムやカラスミといった塩気を感じる食材と合わせるのもおすすめです。
甘みがあるシェリーなので、10~12°Cに少し冷やして飲むのを推奨しています。
Herederos de Argüeso,S.A.(エレデロス・デ・アルグエソ)について
シェリーで有名なアンダルシア州にある海岸沿いのサンルーカル・デ・バラメダに位置するHerederos de Argüeso,S.A.(エレデロス・デ・アルグエソ)は、、1822年にフアン・レオン・デ・アルグエソによって設立された家族経営のワイナリーです。
2016年には、Bodega Yuste(ボデガ・ユステ)のワインメーカーであり、サンルーカル出身の実業家Francisco Yuste(フランシスコ・ユステ)が、今後国際的に有名なワイナリーになることを意図し、Herederos de Argüeso,S.A.(エレデロス・デ・アルグエソ)を買収しました。これは現代的な視覚的アップデートを行う良いきっかけともなりました。
その翌年の2017年には、ロンドン開催のインターナショナル・ワイン・チャレンジにおいて最高のマンサニーリャに贈られる「Manzanilla Trophy (マンサリーニャ トロフィー)」を受賞。さらに2020年には、彼らのAmontillado(アモンティリャーダ)がスペインとポルトガルの統合国際ワインコンテスト「Vinduero-Vindouro Award(ヴィンデュエロ・ヴィンドゥロ アワード)」で最高の酒精強化ワインに選ばれています。
スペインの権威あるワイン雑誌「VINOS DE ESPAÑA誌」では、アルグエソ社全てのマンサニージャが賞を獲得するほど、品質に定評のあるボデガです。
まとめ
発酵の過程までワインと同じ工程で造られるシェリーは、熟成方法の違いによって味わいからその香り、アルコール度数に至るまで、一般的なワインと大きく異なった顔を見せる奥深い酒精強化ワインです。
今回ご紹介したシェリー「1822 Cream(1822 クリーム )」は、高い評価を持つワイナリー「Herederos de Argüeso,S.A.(エレデロス・デ・アルグエソ)」のプレミアムシリーズ1822のクリームタイプシェリーです。残糖度110gr/Lと高い糖度を持ち、しっとりと甘くも、濃厚で洗練されたエレガンスな甘美なシェリー。ぜひ、一度お試しください。