世界には数えきれないほど多くのぶどう品種がありますが、現存しているぶどう品種の中で最も古いぶどう品種の一つにスペインワインの「ミュスカ・ド・フロンティニャン」があります。
今回は、ミュスカ・ド・フロンティニャンの特徴と古代ギリシャ時代から何世紀にも渡って愛飲されてきたその魅力についてまとめています。
さらに、そんなミュスカ・ド・フロンティニャンのぶどう品種を使い、現代のワイン離れ問題を解決するために造られたミレニ世代のモダンワイン「Like(ライク)」をご紹介します!
ミュスカ・ド・フロンティニャンとは
ミュスカ・ド・フロンティニャンは、ギリシャ産の白ワイン用ぶどう品種です。
ミュスカ・ド・フロンティニャンのぶどう品種は、マルセイユの貿易港を通じてギリシャ人によってフランスへ伝承され、後にローマ人によってガリアの征服でナルボンヌ地方へと広まりました。
ミュスカ・ド・フロンティニャンの特徴
房は中型で、円筒形でコンパクト。果実は円筒形で、サイズは小から中程度で、色は黄色から暗色から赤みがかった色をしています。
今でこそ、あまり聞くことのなくなった名前ですが、ミュスカ・ド・フロンティニャンからできるワインはアルコール度数が高く、非常に香り高い味わいになります。古代ギリシャ時代には、貴族のワインとして何世紀にも渡って愛飲されてきたぶどう品種です。
消費者がローヌのミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴェニスのようなより軽い甘いスタイルを好むようになったため、マスカット・ド・フロンティニャンのワインは前世紀に人気が落ち込みました。以後は、消費者の好みに応じて、マスカット・ド・フロンティニャンのワインは徐々にフレッシュでライトな味わいに改良されていきました。
世界で最も古いぶどう品種の一つ!
ミュスカ・ド・フロンティニャンは非常に古い品種で、その起源は古代にまで遡り、地中海地方から伝来しました。現在、現存するぶどう品種の中で最も古いぶどう品種として記録されています。
古代ギリシャ時代のローマ人の間では、Apiena Uva(アピエナ・ウヴァ)と呼ばれていました。これはギリシャ語で「ミツバチを引き寄せるぶどう」という意味を持っており、ぶどうの状態でも非常に甘く魅惑的なぶどうであることを表現しています。
ミュスカ・ド・フロンティニャンのシノニム
ミュスカ・ド・フロンティニャンには、地域によって多くのシノニムがあります。
(スペイン)
- Moscatel de Grano Menudo(モスカテル・デ・グラノ・メヌード)
- Moscatel Castellano(モスカテル・カステリャーノ)
- Moscatel Commun(モスカテル・コムン)
- Moscatel de Frontignan(モスカテル・ド・フロンティニャン)
- Moscatel deGranoPequeño(モスカテル・デ・グラーノ・ペケーニョ)
- Moscatel Fino(モスカテル・フィノ)
- Moscatel Morisco(モスカテル・モリスコ)
(その他の地域)
- Moscato bianco(モスカート・ブランコ)
- Muscat blanc(ミュスカ・ブラン)
- Muscat Canelli(ミュスカ・カネリ)
- Muscat de Lunel(ミュスカ・ド・リュネル)
- Muscat d'Alsace(ミュスカ・ダルザス)
- Muskateller(ムスカテラー)
など、組み合わせはさまざまです。日本では、ミュスカ(Muscat)をマスカットと呼ぶこともあり、約300以上の名前を持っています。
ミュスカ・ド・フロンティニャンのおすすめ白ワイン「Like(ライク)」
【商品情報】
商品名 |
ライク(Like) |
ビンテージ |
2019 |
生産者 |
ボデガス・トレ・デル・ベゲール (Bodegas Torre del Veguer) |
設立 |
1878年 |
おすすめ料理 |
前菜、タパスなどの軽い食事 |
生産国 |
スペイン |
地域 |
D.O.ペネデス(D.O.Penedès) |
ぶどう品種 |
ミュスカ・ド・フロンティニャン 50% チャレロ 50% |
発酵容器 |
ステンレス・スティールタンク |
熟成容器 |
2か月 シュールリー / 10,000Lステンレスタンク |
発酵期間 |
15日間 |
度数 |
12.5% |
ボディ |
ミディアム |
飲み頃の温度 |
8~10℃ |
容量 |
750ml |
今回は、ミュスカ・ド・フロンティニャンのぶどう品種を使用したおすすめスペインワイン「Like(ライク)」についてご紹介します。
地中海性気候由来のミネラル感が特徴で、若く、とても活気があり、心地よい酸味を感じられる、モダンでフレッシュな白ワインに仕上がっています。
Like(ライク)
近年の若者のワイン離れの問題を解決するために造られたBodegas Torre del Veguer(ボデガス・トレ・デル・ベゲール)で最初のミレニアル世代のワインです。
SNSなどで良く活用され、ポジティブな意味合いである英語表記で「LIKE」としました。
2016年のマスカット・ド・フロンティニャンと2013年のチャレッロの2種類のぶどう品種から造られています。
味わいの特徴
淡い光沢のある明るいレモンイエローに緑色の輝きがあります。
パイナップルのトロピカルな香りに、オレンジの花、りんごと洋梨の白い花のようなアロマを感じられます。
果実のフレッシュさ、しっかりした酸味に余韻が心地よく続きます。前菜のグラスワインとして活躍します。
生産者について
Torre del Veguer(トレ・デル・ベゲール)は、14世紀に修道院として設立されたことからはじまり、現在に至るまで700年の長い歴史がある家族経営のワイナリーです。
バルセロナのサンペレデリーベスにあるのどかな環境に位置しており、世界でもユニークなワインを造るワイナリーとして知られています。
独自の有機ぶどう園から高品質なワインを製造しており、ぶどう園からマーケティングに至るまでプロセス全体を通じて卓越したワイナリーを目指しています。
ガラフのユニークな有機ぶどう園
トレ・デル・ベゲールのぶどう園は、エル・ガラフというガラフの山脈内にあります。南向きの地中海に向かい、石灰質の土壌にあり、砂質ローム質のテクスチャーが特徴の有機ぶどう園です。
海岸から数十キロの距離にあるため、他のカタルーニャ地域のワインと比較すると、特にミネラル感が高く、地中海の影響がより存在感を出すオリジナルワインを創り出すことができます。
ボデガス・トレ・デル・ベゲールでは、環境と気候、土壌の肥沃度、合成化学製品の不使用を証明する有機農業証を取得しており、有機農法によるオーガニックワイン造りにこだわっています。
まとめ
長い歴史を持ちながらも、進化を止めない「ボデガス・トレ・デル・ベゲール」によって造られたワイナリー初のミレニアル世代「Like(ライク)」。
市場のトレンドに従ってワインを生産するための新しい近代的な設備が組み込まれ、若者のスペインワイン離れを解消すべく造られたデイリーワインです。
最も古いぶどう品種の一つ「ミュスカ・ド・フロンティニャン」を使用した白ワインは、フロンティニャンが持つ高い香りに、モダンかつフレッシュで飲みやすいスペインワインに仕上がっています。
高品質ながらも気軽に飲めるお手頃な値段設定も嬉しいポイント!パスタや前菜、食前酒など、気軽に飲める「Like(ライク)」をぜひお試しください。