絶滅の危機にあったリオハの固有品種の希少なマトゥラナ・ティンタワイン 絶滅の危機にあったリオハの固有品種の希少なマトゥラナ・ティンタワイン

絶滅の危機にあったリオハの固有品種の希少なマトゥラナ・ティンタワイン

マトゥラナ・ティンタ( Maturana Tinta)は、世界でただ一つリオハのみで栽培されている非常に珍しいリオハの固有の赤ワイン用ぶどう品種です。さらに言えば、このマトゥラナ・ティンタは、リオハのワイン生産全体の中でもわずかに0.5%しか栽培されておらず、スペイン国内でも入手困難であるため、世界的に貴重なワインとして知られています。

そんな希少なぶどう品種マトゥラナ・ティンタ( Maturana Tinta)を使った赤ワインはどんな味わいなのか気になりませんか?今回は、マトゥラナ・ティンタ( Maturana Tinta)100%のスペイン赤ワイン「Laertes Rey ( ラエルテス・レイ )」をご紹介します。

 

マトゥラナ・ティンタ( Maturana Tinta)について

マトゥラナ・ティンタ( Maturana Tinta)は、リオハ原産地呼称名称のみで認定が許されているリオハ固有のぶどう品種であり、リオハの独自性を証明するワインの一つでもあります。

かつて大流行したフィロキセラによる被害を大きく受けたぶどう品種で、19世紀後半〜20世紀にかけて生き残ったマトゥラナ・ティンタ( Maturana Tinta)は、わずか40株と、ほぼ全滅という危機に陥りました。しかし、その後熱心な地元のワイナリーの努力によって、見事に復活を果たし、2019年時点でリオハには155.51ヘクタールのマトゥラナ・ティンタ( Maturana Tinta)が栽培されています。とはいえ、リオハのみでしか見られない世界的にも貴重な赤ワイン用ぶどう品種の一つです。

マトゥラナ・ティンタ( Maturana Tinta)のぶどうの実は、小さくコンパクトな果実で、発芽が遅いですが、熟すのが早く、糖を蓄えやすいというテンプラニーリョと似た特徴があります。一般的にこの品種からできるワインは、酸味が高い傾向にあり、シルキーなタンニンを持つミディアム〜フルボディとなります。深みのあるガーネット色にカシス、ブラックチェリー、プラムといった黒系ベリーの豊かな果実味にカカオやトリュフ、スパイスなどの味わいから、エレガントな長い余韻を感じられるワインとなります。

 

Laertes Rey― ラエルテス・レイ  ―

 

 

 

【商品情報】 

商品名 Laertes Rey ( ラエルテス・レイ )

生産者 Bodega Las Cepas(ボデガ・ラス・セパス)

地域 D.O.Ca.リオハ 【リオハ アルタ】(D.O.Ca Rioja)ラ・リオハ州

ビンテージ 2019

生産国 スペイン 

ぶどう品種 マトゥラナ・ティンタ( Maturana Tinta)100%【樹齢35年】

おすすめ料理 生ハム、ローストビーフ、カジョス、鰻の蒲焼きなど

発酵容器 コンクリートタンク 8,000L

発酵期間 15日間

発酵温度 24°C

熟成容器/期間 フランス産オーク小樽で6ヶ月

度数 14.5%

テイスト フルボディ

飲み頃の温度 13~15°C

容量 750ml


Laertes Rey ( ラエルテス・レイ )について

Laertes Rey ( ラエルテス・レイ )には、樹齢35年のマトゥラナ・ティンタ( Maturana Tinta)を100%使用しています。貴重な品種でぶどうの樹自体が多くないため、生産量がわずかなオーガニック認定の希少ワインです。

スペイン語でRey(レイ)とは、王や国王という意味です。ワイン名であるラエルテス・レイ(=ラエルテス王)は、ギリシャ神話のトロイア戦争(トロイの木馬)などの多くの物語で知られる英雄オデュセウスの父にあたり、農業や肥料、ぶどう畑に携わる人物として語られています。

古くからあるスペインの土着品種マトゥラナ・ティンタ( Maturana Tinta)とギリシャ神話の英雄の父であるLaertes Rey ( ラエルテス・レイ )どちらもメインキャラクターではないものの、欠かすことのできない存在であることを重ね合わせ、名前をLaertes Rey ( ラエルテス・レイ )としました。ワインの顔であるラベルのデザインもラエルテス・レイ王をモチーフにしたもので、品のあるデザインとなっています。

 

味わいの特徴

Laertes Rey ( ラエルテス・レイ)は、落ち着きのあるルビーレッドの色調に、熟したレッドチェリーやザクロのような赤系果実の味わいとともにブラックベリー、プルーンといった黒系果実のアロマも感じられます。その後に、チョコレートやほんのりスモーキーなフレーバーが続きます。

口当たりは滑らかでシルキー。味わいは濃厚ですが、心地よい酸味や柔らかいタンニンとのバランスが非常に取れています。一旦は絶滅の危機にあったぶどう品種が見事に再生したその背景を知ると、一口一口飲むごとにより深い味わいを楽しめます。

 

おすすめのペアリング

マトゥラナ・ティンタ( Maturana Tinta)のぶどう品種は、酸味が特徴です。Laertes Rey ( ラエルテス・レイ )にも程よい酸味があり、しっかりとした果実を感じられるフルボディに仕上がっています。ペアリングには、基本的に生ハムやローストビーフ、トマトソースでホルモンを煮込んだカジョスといったお肉料理がおすすめですが、鰻の蒲焼きなど濃厚なタレを持つ日本料理との相性も抜群です。

 

Bodega Las Cepas(ボデガ・ラス・セパス)について

Bodega Las Cepas(ボデガ・ラス・セパス)は、リオハの中心ログロニーリョから南に25kmの場所に位置するラ・リオハ州アルタにある家族経営のワイナリーです。

1995年からオーガニック農業を開始し、2003年まではぶどうの栽培のみを行っていましたが、若きオーナー兄弟の兄サンティアゴ(畑担当)と弟アルベルト(醸造家)の『代々続くこの土地の限られた生産だが、上質な土壌と環境を自然派ワインという形で、兄弟で作り届けたい』という想いのもと、認定を受けたぶどうを用いたワイナリーを立ち上げました。

畑の合計面積は52haですが、ぶどう畑は1箇所ではなく、複数の周辺地域に区画ごとに所有しています。ぶどう畑の土壌は、石灰岩が豊富にあり、深い土壌で育ちます。この辺りの降水量は非常に少なく、乾燥した地域となっていることからガルナチャの栽培にも適しています。さらに、高地にあるBodega Las Cepas(ボデガ・ラス・セパス)のぶどう畑は、低地よりも気温が低く、高品質のぶどうを栽培することができます。

彼らのぶどうの平均樹齢は、テンプラニーリョで40〜100年、ビウラで50年、ガルナチャで40年以上、ベルデホで5年となっています。ワイナリーでは、樹齢100年以上の歴史あるぶどう畑をより多く手に入れることを目標にしており、最近でも60〜100年のぶどう畑を12ha追加されました。

オーガニック農業からはじまったワイナリーであるため、特に醸造家のアルベルト・ラミレス氏は、自然に配慮したワイン造りに力を入れており、共存を理念とし、土壌と環境の自然生命力を大切に、ぶどう栽培・ワイン醸造はもちろんのこと、パッケージまでオーガニックにこだわった自然に優しいワイン造りを行っています。

 

まとめ

わずか40株の絶滅の危機から再生したマトゥラナ・ティンタ( Maturana Tinta)。その味わいには生命の力強さも感じられます。Laertes Rey ( ラエルテス・レイ )は、マトゥラナ・ティンタの持つポテンシャルを最大限に活かしたリオハの素晴らしいワインとなっています。

大変貴重なぶどう品種ですので、日本で見かけられるのはここだけかもしれません。ぜひ、一度ここで希少なワインLaertes Rey ( ラエルテス・レイ )をお楽しみください。

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