スペインワイン原産地呼称のうちの一つであるD.O.リベラ・デル・ドゥエロ(D.O. Ribera del Duero)は、世界的にも高級ワイン産地として知られています。
2012年には、アメリカのワイン専門誌『WINE ENTHUSIAST(ワイン・エンスージアスト)』で世界最優勝ワイン産地に選ばれました。
今回は、そんなスペイン屈指の高級ワイン産地D.O.リベラ・デル・ドゥエロの原産地呼称の新進気鋭なワイナリーが造るモダンスパニッシュなおすすめの赤ワインをご紹介します。
D.O.リベラ・デル・ドゥエロについて
D.O.リベラ・デル・ドゥエロは、カスティーリャ・イ・レオン州内に11つある原産地呼称ワイン産地の一つです。
リベラ・デル・ドゥエロが原産地呼称名称に認定されたのは、1982年のことでした。原産地呼称名称が登録された1980年代に登録されているのはわずか12の小規模なワイナリーのみでしたが、D.O.の創設をきっかけにここ20年で急成長を果たし、現在100以上のワイナリーが登録されています。
スペイン他の地域出身の有名生産者もこぞってD.O.リベラ・デル・ドゥエロへ進出しており、近代的なワイン製造技術が発展。いまでは世界的な注目を集めるワイン産地。
また、世界90カ国に発刊されているイギリスで最も有名なワイン雑誌「Decanater(デキャンター)」誌によって、原産地呼称の上位区分にあたる「特産原産地呼称(DOCa)」への昇格準備中であると報じられています。
現時点では、まだ上位区分特産原産地呼称(DOCa)への昇格を果たしていませんが、昇格認定されることで、今後ますます人気のワイン産地となりそうです。
立地と気候
スペイン北西部にあるリベラ・デル・ドゥエロは、4つの県をまたがり、ドゥエロ川に沿っておおよそ120kmに広がっており、750〜900mとの標高が高く冷涼な地にあるぶどう畑が特徴です。
土壌は白亜質の石灰岩。年間平均雨量は400〜600mmと少なめで、夏は暑く冬は氷点下にもなる大陸性気候。このような激しい寒暖差の中で育ったぶどうは、複雑な味わいとなり、豊かな香り、濃縮された果実味に、ほどよい酸味を持った完璧なバランスを持った高品質なワインへと仕上がります。
リベラ・デル・ドゥエロの歴史
この地域でのワイン生産の歴史は大変古く、最初にワインを造られるようになったのは2500年以上前だと言われています。
12世紀にフランス・ブルゴーニュ地方の修道士ベネディクト会がもたらしたぶどう栽培技術よって本格的なワイン文化が始まります。
20世紀初頭には、ベガ・シシリア社の赤ワインがヨーロッパのワイン通に高い評価を受けていました。1981年にセント・ポール大聖堂で行われたチャールズ皇太子とダイアナ妃の結婚祝賀パーティーでベガ・シシリア社の赤ワインが使用され、この地域のワインが高品質な赤ワインの産地として世界中に知られるきっかけとなりました。
ぶどう品種
この地域で生産されている主要品種は、テンプラニーリョ。この地域ではティントフィノと呼ばれています。
原産地呼称名称ワインには、このテンプラニーリョを75%以上使用している規定があります。テンプラニーリョの他には、ガルナッチャ、マルベック、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、アルビーニョがD.O.リベラ・デル・ドゥエロのぶどう品種として認定されています。
リベラ・デル・ドゥエロの赤ワインは、果実味が高く口当たりまろやかな若い赤ワインから、香り高く複雑な味わいのある熟成赤ワイン(クリアンサ、レセルヴァ、グランレセルヴァ)までを得意としており、柔らかなタンニンとなめらかな口当たりを持つ赤ワインが特徴です。
D.O.リベラ・デル・ドゥエロのおすすめ赤ワイン
【商品情報】
商品名 |
パゴ・デ・ロス・カペジャーネス ローブレ (Pago de los capellanes Roble) |
生産者 |
パゴ・デ・ロス・カペジャーネス(Pago de los capellanes ) |
おすすめ料理 |
牛肉のカルパッチョ、鴨肉のロティ、牛タンシチューなど |
生産国 |
スペイン |
地域 |
D.O.リベラ・デル・ドゥエロ |
ぶどう品種 |
テンプラニージョ100%(平均樹齢30年) |
度数 |
14.5% |
ボディ |
フルボディ |
飲み頃の温度 |
16~18℃ |
容量 |
750ml |
今回ご紹介するD.O.リベラ・デル・ドゥエロおすすめのワインは、パゴ・デ・ロス・カペジャーネス(Pago de los capellanes)のパゴ・デ・ロス・カペジャーネス ローブレ( Pago de los capellanes Roble)です。
ワイナリーのある場所は、11−12世紀かつて修道院があった場所であり、修道士たちがぶどう栽培やワイン造りを行っていました。当時、家族が亡くなると修道院へお金や土地を収めるというしきたりがあり、地元の人々は、この土地のことを「パゴ・デ・ロス・カペジャーネス(神父たちの土地)」と呼んでいました。
この土地の一部を現オーナーのロデロ氏が手に入れ、ワイナリーの名前を「神父たちの土地」という意味の“パゴ・デ・ロス・カペジャーネス”と名付けました。
味わいの特徴
美しいルビーレッドの色調にラズベリーやカシスのようなブラックベリー系のアロマ。オーク樽由来のほのかな焙煎香やバニラ香、コンポートのようなニュアンスも感じられます。
フレッシュでありながらも口当たりはまろやかでエレガントな仕上がり。酸とタンニンのバランスが大変良く、重すぎず、まろやかで赤ワイン初心者にも楽しめる逸品です。
力強さの中にも繊細さを感じられ、滑らかな舌触りで飲み心地の良い赤ワインとなっています。
生産者について
パゴ・デ・ロス・カペジャーネス(Bodega Ramón Ramos)は、D.O.リベラ・デル・ドゥエロの中心部にあるファミリーワイナリーです。今から約20年前、樹齢100年のクルミの木に囲まれたユニークな環境でワイナリーを設立しました。
彼らは1982年のD.O.リベラ・デル・ドゥエロへ最初に登録されたワイナリーの一つ。ワイン生産地域の気候と条件により、この土地の伝統的なブドウ栽培を尊重したワイン造りを行い、果実の表現力、強さ、複雑さ、滑らかさを最大限に追求している生産者です。
ワイナリーでは、ぶどうの品質にこだわるために1ヘクタール当たり7000kgまで認められている土地であえて5000kgに抑えて収穫を行うなど、品質最優先の取り組みが認められ、さまざまなワインコンクールや有名ワイン雑誌へ特集されるなど、世界的に高い評価を受けており、1996年にワイナリーを設立して以来、数々の賞を受賞しています。
「ワイナリーの設立当初から私たちが追求してきたコンセプトは、楽しんで共有できる複雑な熟成ワインを通して、私たちの風景を表現することです」-パコ・ロデロ。
まとめ
スペイン屈指の高級ワイン産地であるD.O.リベラ・デル・ドゥエロの赤ワインは、贈り物にもぴったり!
今回ご紹介したパゴ・デ・ロス・カペジャーネス ローブレ( Pago de los capellanes)は、とっても飲みやすくエレガントなワインですので、ワイン好きな人はもちろんのこと、ワイン初心者の方にもおすすめです。
ぜひ、リベラ・デル・ドゥエロが誇る新進気鋭のワイナリー、パゴ・デ・ロス・カペジャーネスのこだわりがつまった傑作赤ワインをご賞味ください。