中華料理と飲むお酒はビールや紹興酒と思う方も多いかもしれません。しかし、中華とペアリングできるワインも数々あるのです。
今回は中華料理の味わいや代表的な料理と歴史と代表的な中華料理とワインのペアリングについて解説し、おすすめの中華レシピとスペインワインのペアリングを紹介します。
中華料理の味わいや代表的な料理と歴史
広い国土を持つ中国には地方ごとに食材、調理方法、味付けの特徴が異なる料理があります。日本で展開している中華料理の4大流派と呼ばれる料理について説明し、中華料理の地方ごとの特色や歴史を知っていただければと思います。
北京料理
北京料理は山東料理がルーツだとされます。明朝・清朝の時代に、中国東部の山東などから乾燥したフカヒレ・干しアワビ・干しナマコ等の食材や珍味食材や調味料が北京の皇帝に献上されるようになりました。そしてその頃、山東地方の料理人たちが北京に招集され、宮廷料理を作ったものが北京料理として発展をとげたのです。
北京料理の味付けは、塩味を基調としたあっさりした味です。北京料理として代表的なものとして北京ダックが挙げられます。北京ダックは丸ごと焼いたアヒルの皮を削ぎ、葱やきゅうりの千切りと甜面醤ソースを添え、パピオンという小麦粉の皮で巻いて食べる高級料理です。
上海料理
上海料理は、中国東部の江蘇省発祥の江蘇料理が原型です。江蘇料理は長江や東シナ海の魚介類や水鳥などを使った料理です。江蘇料理の味付けの特徴は全体的に淡白、上海料理は甘く濃厚な味付けです。
上海料理で日本でもよく知られる料理として、小籠包や豚の角煮などがあります。また、紹興酒に上海蟹を漬けこんで食べる酔蟹も人気です。
広東料理
広東料理は中国南部の広東省や香港、マカオで発展してきた料理です。北京からの宮廷料理人により急激に発展しました。フカヒレやツバメの巣、伊勢エビ、アワビなどの高級食材が使われるのが特徴ですが「飛ぶものは飛行機以外、泳ぐものは船や潜水艦以外、四つ足は机と椅子以外、二本足は人間以外なんでも食べる」などと言われるほどさまざまな物を食材にすることでも知られます。また、米で作った麺や小麦粉の麺料理も数多くあり、日本でおなじみの酢豚やシュウマイも広東料理の一種です。
四川料理
四川料理は、中国大陸の西南部、四川省とその周辺で発達した郷土料理で、その原型は秦の始皇帝の時期から三国時代にかけて形成されたと言われます。
四川省は穀倉地帯であり、盆地のため夏は湿度や温度が高く、保存が効くように唐辛子や香辛料を多用した料理が発達しました。豆板醤や魚醤、椒麻醤などの調味料が使われ、四川料理としてよく知られる料理に回鍋肉や麻婆豆腐などがあり、またエビのチリソース炒めは四川料理の乾焼蝦仁が日本でアレンジされ、誕生した中華料理です。
代表的な中華料理とワインのペアリング
ここからは代表的な中華料理とワインのペアリングの例を紹介します。
八宝菜
白菜やニンジンなどの野菜の食感や甘味、繊細な味わいを引き出す優しい塩の味付けに合うのはフレッシュでみずみずしい白ワインやスパークリングワインがよく合います。
餃子
香ばしい皮の食感と、肉の旨みとジューシーさが味わえる餃子には、ボリューム感のあるロゼワインや軽めの赤ワイン、すっきりした泡が油分をさっぱりさせてくれるスパークリングワインがよく合います。
麻婆豆腐
唐辛子と山椒の辛味が聞いた麻婆豆腐には、ミディアムボディからフルボディの赤ワインがよく合います。
青椒肉絲
濃厚な味わいの青椒肉絲には色の濃いロゼワインや赤ワインがよく合います。
小籠包
豚肉や野菜、スパイスなどさまざまな食材が渾然一体となった小籠包にはさまざまな食材を受け止められるスパークリングワインやロゼワインがおすすめです。
おすすめの中華レシピとスペインワインのペアリング紹介
おすすめの中華レシピ①豚肉の角煮
材料(2人分)
l 豚バラブロック・・・300g
l ねぎ・・・1/4本
l しょうが・・・1/2片
l ちんげん菜・・・1株
l 塩・・・少々
l 油・・・少々
※煮汁
l 水・・・1/3カップ
l 酒・・・1/4カップ
l みりん・・・大さじ1
l 砂糖・・・大さじ1
l しょうゆ・・・大さじ2
作り方
- ねぎの青い部分と白い部分を切り分けます。しょうがは皮をむいて薄切りに、豚バラブロックは4cm角に切ります。
- フライパンを熱し、豚肉の表面に焦げ目をつけます。鍋に沸かした湯に焼いた肉、ねぎの青い部分、しょうがの皮を入れて2~3分間茹でてから肉を引き上げます。
- 鍋に2の豚肉、ねぎの白い部分を叩きつぶしたもの、薄切りのしょうが、煮汁の材料を入れ、煮立ったら落としぶたをして弱火で約1時間、柔らかくなるまで煮て、途中で煮汁が少なくなったら、水を足し、最後は煮汁を煮詰めて照りを出します。
- ちんげん菜は6つ割りにして、塩と油少々を入れた熱湯で色よくゆで、角煮とともに盛り付け、完成。
豚の角煮のペアリングにおすすめ
「エステバン・マルティン レセルバ(Esteban Martín Reserva)」
色調濃い目のチェリーレッド。黒系ベリーのような凝縮感のあるアロマにスミレの花やカカオのニュアンスも感じられる濃厚さが特徴です。 熟成感があり、タンニンと酸が絶妙なバランスで、余韻も楽しめます。豚の角煮のほか、牛バラ肉の赤ワイン煮込み、仔羊のグリルなどの濃厚な肉料理に合わせるのがおすすめです。
おすすめの中華レシピ②エビのチリソース炒め
材料(4人分)
l 殻つきブラックタイガー・・・160g
l 片栗粉・・・大さじ1・1/2
l にんにくのみじん切り・・・小さじ1
l しょうがのみじん切り・・・小さじ2
l ねぎ・・・1/2本
l 酒・・・大さじ1
l 油・・・大さじ1
l 純正ごま油・・・小さじ1
※チリソース
l 鶏がらスープ(類状)・・・小さじ1
l トマトケチャップ・・・大さじ2
l 水・・・大さじ5
l 片栗粉・・・小さじ2
l 砂糖・・・小さじ1
l 豆板醤・・・大さじ2
※エビの下味
l 塩・こしょう・・・少々
l 酒・・・大さじ1
作り方
- エビの殻を剥き、背わたをとって水洗いして水気を拭き取り、下味の塩・こしょうを振り、酒も入れて粘りが出るまで揉み込みます。ねぎをみじん切りにします。
- チリソースの材料をボウルに入れてよく混ぜます。
- 1のエビに片栗粉をまぶします。
- フライパンを熱して油を入れ、にんにくとしょうがを入れて香りを出し、2のエビを1尾ずつ並べて弱火にして8割程度熱を通したら豆板醤を加えます。
- 1のねぎを加えてさっと炒め、酒を振ったら2を加えてとろみがつくまで炒め合わせます。
- 盛り付けてごま油を振り、お好みで香菜(分量外)を飾り、完成。
エビのチリソース炒めのペアリングにおすすめ
「エステバン・マルティン ロサード(Esteban Martín Rosado)」
淡いサーモンピンクの色合いがチャーミング。フルーティでキャンディーのようなアロマが特徴で、ライトな口当たりでありながらしっかりとしたコクも備えた辛口ワインです。
おすすめの中華レシピ③焼豚
材料(2人分)
l 豚バラブロック・・・300g
l カイワレ菜・・・1パック
l くこの実(お好みで)・・・適量
※つけ汁
l オイスターソース大さじ・・・1・1/2
l しょうゆ大さじ・・・1・1/2
l 紹興酒大さじ・・・1/2
l ごま油大さじ・・・1/2
l 黒砂糖・・・大さじ2・1/2
l たまねぎのみじん切り・・・1/4個分
l 香菜の茎または青じそのみじん切り・・・小さじ1
l にんにくのみじん切り・・・小さじ1/2
作り方
- 豚肉は、3cm幅に切ります。
- つけ汁の材料を合わせて、豚肉を一晩漬けておきます。
- 2の豚肉を取り出し、170℃に熱したオーブンか魚焼きグリルで中まで火が通るように焼きます。カイワレ菜は根元を切り、長さを半分に切ります。
- 豚肉が焼けたら1cm厚さに切り、カイワレ菜、くこの実といっしょに盛り付けて完成。
焼豚とのペアリングにおすすめ
色合いは輝きがあるイエローゴールド。花のような、そしてナッツのような熟成感があります。滑らかで、口当たりでキレとコクのバランスが良く、余韻も楽しめる辛口シェリーです。
まとめ
中華料理の味わいや代表的な料理と歴史と代表的な中華料理とワインのペアリングについて解説し、おすすめの中華レシピとスペインワインのペアリングを紹介しました。中華料理とワインの組み合わせ、ぜひ、お試しください。