スペイン北西部に位置しポルトガルと国境を接するガリシア地方は、良質な白ワインが生産されていることで有名な土地です。
ガリシア地方の中でも最西端に位置するリアス・バイシャス(Rias Baixas)では、アルバリーニョ種(Albariño)から生み出される良質な白ワインが世界的な評価を受け、現在では総生産量の8割以上がアメリカやドイツなどに輸出されているほどの人気です。
今回は、リアス・バイシャス(Rias Baixas)で600年に渡りワインを造り続けている老舗ワインメーカーが生み出す至高の白ワイン、「パソ・デ・ルビアネス (Pazo de Rubianes)」をご紹介します。
リアス・バイシャス(Rias Baixas)
リアス・バイシャス(Rias Baixas)はスペインの北部、大西洋とカンタブリア海に接しているガリシア州の西側に位置するワイン産地です。リアスは「入り江」、バイシャスは「下部・南部」を意味しており、狭い湾が複雑に入り組んだ地形からその地名が付けられました。複雑な入り江は水質や水温を安定させることから養殖漁業などに適しており、ガリシア州の河口では世界最大規模のムール貝の養殖が行われています。
現在ではスペインの良質な白ワイン産地であることや、新鮮な魚介が獲れることで有名なガリシア州ですが、かつてはスペインの中で最も貧しい土地だったと言われており、ブドウも自家消費用ワインだけを造るような小規模な生産者が多く、栽培されている品種もバラバラだったといいます。
リアス・バイシャス(Rias Baixas)のワインが世界的に注目されるようになったきっかけは、生産者の意識改革にありました。スペインがE Uに加盟することによってワインの需要が高まることを見込んだ一部の生産者たちが、バラバラだった品種の見直しや栽培方法について議論を重ね、管理委員会を設立し栽培や品種について基準を設けます。スペイン国内でも厳しい内容だったという基準をクリアするべく、生産者たちは一丸となり良質なワイン造りに励みました。その結果、1988年にリアス・バイシャス(Rias Baixas)はD.O.(原産地呼称ワイン)に認定されることとなったのです。
認定後も目覚ましい発展を遂げているリアス・バイシャス(Rias Baixas)のワインは、認定直後は30件程度だったワイナリーが現在では179件にまで増え、10年前と比較して3倍の輸出量を誇る人気のワイン産地となりました。
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主要品種とサブ・ゾーン
リアス・バイシャス(Rias Baixas)で栽培される品種の9割以上は白ブドウのアルバリーニョ(Albariño)が占め、その他の品種はトレイシャドゥーラ(Treixadura)やロウレイラ(Loureira)など、古くからガリシアやポルトガルで栽培されてきた品種を中心に、白ブドウは6品種、黒ブドウは8品種の使用が認められています。
主要品種として使われるアルバリーニョは、ガリシア地方かポルトガルが原産と言われている白ブドウ品種です。小さな果粒で糖度が高く、アルバニーリョから造られる白ワインは緑がかった色調に豊かな果実味と高いアルコール、他の品種では味わえない複雑さが特徴です。
リアス・バイシャス 5つのサブゾーンと特徴
リアス・バイシャスでは5つに分かれたサブゾーンでブドウ栽培が行われており、ゾーンによって気候に違いがあり仕上がるワインにも個性があります。
リベイラ・ド・ウリャ (Ribeira do Ulla) |
ウリャ川流域のサブゾーン。 |
バル・ド・サルネス (Val do Salnés) |
冷涼で湿潤な気候のサブゾーン。 |
ソウトマイオール (Soutomaior) |
ベルドゥーゴ川流域のサブゾーン。アルバリーニョ100%のワインが造られている。 |
コンダード・デ・テア (Condado de Tea) |
温暖な気候で雨が少なく力強いワインを生み出す。アルバリーニョとトレイシャドゥーラを70%以上使用したワインが造られている。 |
オ ロサル (O Rosal) |
暑さのため成熟が進み酸味の穏やかなワインになる。アルバリーニョとロウレイラを70%以上使用したワインが造られている。 |
パソ・デ・ルビアネス
【商品情報】
商品名 |
パソ・デ・ルビアネス (Pazo de Rubianes) |
生産者 |
パソ・デ・ルビアネス (Pazo de Rubianes) |
地域 |
ガリシア州(Galicia) |
ビンテージ |
2022 |
生産国 |
スペイン |
ブドウ品種 |
アルバリーニョ(Albariño)100% |
おすすめ料理 |
帆立貝のミキュイ、温野菜のサラダ、平目のポワレ、白子のフリット、洋梨のタルトなど |
発酵容器 |
ステンレススティールタンク |
発酵期間 |
6〜8週間 |
発酵温度 |
16 ~17℃ |
度数 |
13.5% |
テイスト |
ドライ(弱発泡) |
飲み頃の温度 |
8∼12℃ |
容量 |
750ml |
パソ・デ・ルビアネス (Pazo de Rubianes)のについて
パソ・デ・ルビアネスは1411年にD.ガルシア・デ・カアマニョによって設立されました。17世紀、ルビアネス卿は植物公園造園を開始し、2014年に「Jardín de Exelencia Internacional(国際卓越性の庭園)」と名付けられます。
現在、敷地内には地域最大のブドウ畑と椿が咲く植物公園があって、ワイナリーはスペインでユニークなプロジェクトとなり、パソ・デ・ルビアネスのワインは「アルバリーニョ・デ・ラス・カメリアス」=「椿のアルバリーニョ」と名付けられました。
バル・ド・サルネスの畑で行われるアルバリーニョの収穫は、全て手作業で行われ、収穫後3時間以内にワイナリーで次の工程に進みます。低温で醸し低い圧力で圧搾した後、天然酵母のみで発酵させ、温度管理されたステンレス・タンクで発酵が進められます。発酵が終わるとワインは澱の上で3ヶ月間熟成された後に瓶詰めされます。
「椿のアルバリーニョ」と称されるパソ・デ・ルビアネス (Pazo de Rubianes)は、日本人女性による国際ワインコンペティション「サクラアワード」でゴールドメダルを獲得し、2021年にはスペイン国内のコンテストで「ガリシア最高の白ワイン 」に選ばれるなど、数々のコンテストで受賞歴のある白ワインです。
味わいの特徴
輝きのある、やや緑がかったイエローゴールドの色調。グラスに鼻を近づけるとリンゴや熟したパイナップルのような甘やかな香りが広がります。口に含むと、豊かな果実味としっかりとした酸がバランスよく広がり、後味の微かな塩味が豊かなミネラルを感じさせます。ステンレスタンクで発酵させた後、澱とともに3ヶ月間熟成させることで、複雑で深みのある味わいを表現しているパソ・デ・ルビアネス (Pazo de Rubianes)は、フルーティーな香りとミネラル、引き締まった酸味のバランスが良く、色々なお料理とのペアリングを楽しむことができる白ワインです。
おすすめのペアリング
クリアで透明感のある味わいのパソ・デ・ルビアネス (Pazo de Rubianes)には、野菜や新鮮な魚介を使ったお料理を合わせていただくのがおすすめです。
特に貝類やタコ、イカ、エビを使ったお料理との相性が良く、新鮮な生の帆立や牡蠣を合わせていただくと、ワインの酸味が貝の甘味をより引き立ててくれます。このほか、サーモンや平目を使ったカルパッチョやポワレなど、お魚にはどんな調理法でも良く合います。後味の上品なミネラル感が和食ともマッチしますので、エビや白子の天ぷらや魚の塩焼きなど、色々なお料理と合わせてみてください。
まとめ
今回は、リアス・バイシャス(Rias Baixas)の老舗ワインメーカーが手がける白ワイン、パソ・デ・ルビアネス (Pazo de Rubianes)をご紹介しました。牡蠣の他にタコの養殖も盛んで、どこか日本と似た食文化を持つガリシアのワインは普段のお食事に合わせやすい1本です。ぜひ一度ご賞味ください。
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