バスクの地酒 チャコリからオレンジワインが登場 バスクの地酒 チャコリからオレンジワインが登場

バスクの地酒 チャコリからオレンジワインが登場

チャコリ(txakoli)とは、バスク地方で古くから生産されている微発泡性のワインです。

スペイン側のバスクはピレネー山脈の西側に位置しており、海風の影響で昼夜の気温差が少ない穏やかな気候ですが、降雨量の多い地域のため糖度の低いブドウが収穫されます。

チャコリ(txakoli)は、バスクのブドウを生かした軽やかでフレッシュな早飲みタイプのワインが多く、その大半が地元で消費されていましたが、近年、栽培・醸造技術や物流の向上によって、日本でも素晴らしいチャコリ(txakoli)を楽しめるようになりました。

今回はバスク州・ギプスコア県のワイナリー、ブライ・チャコリーナ(Blai Txakolina)が手がける、チャコリ(txakoli)の中でも珍しいオレンジのチャコリ、ブライ・オレンジ (Blai Orange)をご紹介します。

 

オンダラビ・ズリ(Hndarrabi Zuri)について

チャコリ(txakoli)は白ワインのほか、わずかに赤とロゼも造られていますが、生産量の8割を白ワインが占めています。

主に使用される品種は、白ブドウのHondarrabi Zuri(オンダラビ・ズリ)と、黒ブドウ Hondarrabi Beltza(オンダラビ・ベルツァ)という品種で、白ブドウはバスクの土着新種の他、リースリングやシャルドネなどの国際品種も使われています。

現在チャコリには3つのD.O.( Denominación de Origen)があり、それぞれの地域でチャコリが造られています。

 

チャコリ 3つのD.O.

大まかな特徴

使用品種

D.O.ゲタリアコ・チャコリーナ(Getariako Txakolina)

アンチョビが有名なゲタリアのチャコリはミネラル感のある味わいで、シーフードとも好相性。

アメリカをはじめ海外への輸出が盛んに行われている。

白ブドウ:Hondarrabi Zuri(オンダラビ・ズリ)

     Hondarrabi Zuri Zerratia (オンダラビ・ズリ・セラティア)

Gros Manseng(グロ・マンサン)

Riesling(リースリング)

Chardonnay(シャルドネ)

黒ブドウ:Hondarrabi Beltza(オンダラビ・ベルツァ)

D.O.ビスカイコ・チャコリーナ(Bizkaiko Txakolina)

バスクのブドウ畑は棚仕立てが多いが、ビスカヤでは垣根仕立てで栽培するところもある。

ゲタリアのチャコリに比べるとアルコール濃度が高くコクがあり、甲殻類との相性が良い。

白ブドウ:Hondarrabi Zuri(オンダラビ・ズリ)

Hondarrabi Zuri Zerratia(オンダラビ・ズリ・セラティア)

Izkiriota(イスキリオタ)

Izkiriota Ttippia (イスキリオタ・ティッピア)

Mune Mahatsa (Folle Blanche)

Sauvignon Blanc(ソーヴィニヨン・ブラン)

Riesling(リースリング)

Chardonnay(シャルドネ)

黒ブドウ:Hondarrabi Beltza(オンダラビ・ベルツァ)

D.O.アラバコ・チャコリーナ(Arabako Txakolina)  

チャコリの生産地域の中で唯一海に面していない地域で、アラバ県北部の5市町村に限定されている小さなD.O.。

降水量が他の地域に比べて少なく、仕立ては、一部で垣根仕立てでも造られているが株仕立てが多い。

白ブドウ:Hondarrabi Zuri(オンダラビ・ズリ)

Izkiriota Ttippia (イスキリオタ・ティッピア)

Hondarrabi Zuri Zerratia(オンダラビ・ズリ・セラティア)

Izkiriota(イスキリオタ)

Sauvignon Blanc(ソーヴィニヨン・ブラン)

Riesling(リースリング)

Chardonnay(シャルドネ)

黒ブドウ:Hondarrabi Beltza(オンダラビ・ベルツァ)

                                                  

 

 ブライオレンジ

【商品情報】 

商品名

ブライオレンジ(Blai Orange)

生産者

ブライ・チャコリーナ(Blai Txakolina)

地域

ブドウ生産地:バスク州

D.O.ゲタリアコ・チャコリーナ (D.O.Getariako Txakolina)

ビンテージ

2021

生産国

スペイン 

ブドウ品種

オンダラビ・ズリ100%

認証・規格

 

おすすめ料理

根菜のピクルス、ガーリックシュリンプ、蒸し鶏のオレンジマリネ、天ぷら(カレー塩)など

発酵容器

ステンレス・スティールタンク 最低1年

発酵期間

8〜10日間

発酵温度

16〜18°C

度数

12.5%

テイスト

オレンジ 辛口(微発泡)

飲み頃の温度

6~8°C

容量

750ml

 

ブライ オレンジ (Blai Orange)について

ブライ・オレンジ (Blai Orange)はチャコリの中でも珍しいオレンジワインです。

果汁を絞った後の果皮を取り除かずに、そのまま漬け込み発酵を進めることで、淡いオレンジの色調とフレッシュな味わいに複雑さが加わり、今までにないチャコリに仕上がります。

ワイン造りにおいて大切にしていることは、ワイナリーが持つチャコリの深い知識に基づき、ブドウの成熟度合いをしっかりと見極めること、醸造設備の衛生管理を徹底すること。

低温でのマセラシオンや澱上の熟成はブライ・チャコリーナ(Blai Txakolina)の代表的な方法で、ブライ・オレンジ (Blai Orange)も、確かな知識と経験によって造られた、無添加・無濾過のナチュラルなオレンジのチャコリです。

 

味わいの特徴

ブライ・オレンジ (Blai Orange)は、やや発泡性があり輝きのあるイエローゴールドの色調。

香りは、熟したリンゴやカリンのような、やや甘やかなアロマ。火打石やクミン、ナツメグなどのニュアンスもあります。

口に含むとわずかに発泡性を感じ、爽やかな香りが鼻に抜けます。後に柔らかな酸味、ドライな味わいでありながら果実味もあり、温度変化によってそのニュアンスを変え、時間と共に変化を楽しめるワインです。

 

おすすめのペアリング

アタックはチャコリの特徴でもあるフレッシュで軽やかな飲み口ですが、余韻はオレンジワインが持つ複雑味を感じさせます。

最初の乾杯にはもちろん、食事、おつまみから食後のチーズまで、幅広く合わせていただけます。

野菜であれば、根菜の風味と後味の程よい酸味がベストマッチな根菜のピクルスや、蒸し野菜やサラダなどのシンプルな調理をした野菜がおすすめ。

お魚は全般合うので、どれを合わせていただいても良いでしょう。中でもガーリックシュリンプや鯖の味噌煮もマッチします。

お肉を合わせるなら鶏肉などのクセのないお肉で、少し酸味のあるソースがおすすめ。

チーズはブルーチーズや白カビタイプ、ハードタイプ全般を合わせても楽しんでいただけます。

 

ブライ・チャコリナ(Blai Txakolina)について

ブライ・チャコリナ(Blai Txakolina)は、様々な企業や試飲委員会の経験を持つ ギジェルモ・カスタニョスと、醸造やクラフトビールなどの製造と研究をしていた イオン・デ・マリア の2人から始まりました。

その後、カロリナ・クルツ・カライザバル という敏腕営業ウーマンが加わり、最高の3人組によって今までにないチャコリを世界に送り出しています。

2019年に初リリースをした新進気鋭のワイナリーで、ラベルに描かれている錨は、ゲタリアのテロワール「海」や「風」を称えてデザインされています。

 

まとめ

最近は日本のスペインバルでもチャコリを見かけるようになり、ボトルを高い位置に掲げて注ぐ、エスカンシア(escanciar)というパフォーマンスを見たことがある人も多いのではないでしょうか。

この注ぎ方は、美食の街として有名な「サン・セバスチャン」という街があり、今回ご紹介したブライ・チャコリーナ(Blai Txakolina)がある県、「ギプスコア県」でチャコリを提供するときに行われている注ぎ方です。

チャコリが現地消費を中心に造られていた頃は、今ほど栽培や醸造の技術が進んでおらず、酸味の強いチャコリが飲まれていました。

その強い酸味をやわらげるため、わずかな発泡を際立たせるためにこの注ぎ方で提供されるのだそうです。

現在では栽培・醸造技術の向上によって素晴らしいチャコリを楽しめるようになりましたが、今でもパフォーマンスとして残っており、エスカンシアをしなくても美味しく飲むことができるチャコリも多くあります。

知れば知るほど深い歴史のあるチャコリを、新進気鋭のワイナリーが別の歴史ある手法で生み出した、オレンジのチャコリ、ブライ・オレンジ (Blai Orange)をぜひ味わってみてください。

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