カヴァとは?その特徴とカヴァを醸造するおすすめのボデガをご紹介 - SUKORUNI WINE カヴァとは?その特徴とカヴァを醸造するおすすめのボデガをご紹介 - SUKORUNI WINE

カヴァとは?その特徴とカヴァを醸造するおすすめのボデガをご紹介

「おしゃれ」、そして「お手頃価格で味わえる」というイメージの“カヴァ”。

カヴァは、フルーティ且つ軽やかな口当たりなので、アルコールが苦手な方でも気軽に飲めます。

 この記事では、カヴァの歴史や定義、カヴァの造り方、カヴァを造る主なボデガ(ワイナリー)、カヴァのおいしい飲み方についてご紹介したいと思います。

 この記事を読んだら、もっとカヴァが飲みたくなってしまうかも。

 

カヴァとは?

 カヴァはスペイン産のスパークリングワインで、フランス・シャンパーニュ地方のシャンパンと同じ製法で作られます。

 カヴァは、1870年ころ、ペネデス(Penedès)に住むホセ・ラベントス(Josep Raventós)がシャンパーニュ地方に旅行に行き、シャンパンの造り方の本を買ってきたことに始まります。

 1872年に初めて造られ、スペイン産シャンパンとして販売されていましたが、シャンパーニュ地方に裁判を起こされたため、1970年からカタルーニャ州の言葉で「洞窟」や「地下貯蔵室」などを意味するカヴァ(Cava)に名前が変更になりました。

 2021年現在、カヴァは120ヶ国以上に輸出されています。

 

カヴァの定義

スペインワイン カヴァ D.O. カヴァ

 スペイン産のスパークリングワインの内、伝統的製法(シャンパーニュ方式)で作られたものをカヴァと呼びます。

 カヴァ以外のスペイン産のスパークリングワインは、エスプモーソ(Espumoso)と呼ばれています。

 カヴァは、1986年にD.Oカヴァという原産地呼称の認定を受けました。

 バルセロナ近く、ペネデス地方のサン・サドゥルニ・ダノイア(Sant Sadurní d’Anoia)で85%のカヴァが造られていますが、生産方法でD.Oカヴァかどうかが決まるため、バレンシア州やアラゴン州、リオハなどが産地のカヴァもあります。

 D.Oカヴァは4つのカテゴリーに分かれていて、製品にはカテゴリー別のシールが貼られています。

 

カテゴリー

最低熟成期間

シールの形・色

カヴァ(Cava de Guarda

9ヶ月

円形(白)

レセルバ(Reserva

15ヶ月

円形(緑)

グラン・レセルバ(Gran Reserva

30ヶ月

円形(黒)

パラヘ・カリフィカード(Paraje Calificado)(特選区画カヴァ)

36ヶ月

菱形

 

D.O.カヴァには、

 ・ぶどうの収穫量

通常のカヴァならば、1ヘクタールあたり白・黒の合計で10,000kg未満

レセルバやグラン・レセルバは、1ヘクタールあたり10,000kgまで

パラヘ・カリフィカードは、1ヘクタールあたり8,000 kgまで

 ・ぶどうの木の植栽密度

1ヘクタールあたり1,500本から3,500本まで

・ロゼを造る

赤ワイン用の品種を25%以上使うこと

 など、様々なルールが決められていますが、規則が少し緩いので、より高品質なカヴァ造りを目指すボデガの中には、D.Oカヴァからあえて脱退するところもあります。

 ホセ・ラベントスがかつて当主を務めた「コドーニュ」(Codorníu)から独立した「ラベントス・イ・ブラン」(Raventós i Blanc)は、現在はD.Oカヴァから抜け、「コンカ・デル・リゥ・アノイヤ(アノイヤ川流域)」(Conca del Riu Anoia)というD.Oの認定を目指しているところです。

 D.Oカヴァから脱退した複数のボデガが2019年に新しく結成した「コルピナット」(CORPINNAT)では、ぶどうは100%オーガニックで手摘み、最低18ヶ月以上の熟成など、D.O.カヴァよりも、厳しめの規則を定めています。

 

カヴァの種類

 カヴァは甘口~辛口のレベルによって、7つの種類に分かれています。

甘味のレベル

カヴァのタイプ

糖の含有量(1ℓ中)

超辛口

ブリュット・ナチュレ(Brut nature

0-3g

極辛口

エクストラ・ブリュット(Extra brut

0-6g

辛口

ブリュット(Brut

最大12

やや辛口

エクストラ・セコ(Extra seco

12-17g

やや甘口

セコ(Seco) 

17-32g

甘口

セミ・セコ(Semi Seco

32-50g

極甘口

ドゥルセ(Dulce

50g以上

 

カテゴリーがグラン・レセルバの対象となるのは、ブリュット・ナチュレ、エクストラ・ブリュット、ブリュットタイプのカヴァに限られます。

 

カヴァの造り方

スペインワイン カヴァ オーガニック

 カヴァは、シャンパンと同じ製法で作られます。

 カヴァに使われるブドウは、白はマカベオ(Macabeo)、チャレロ(Xarel-lo)、パレリャーダ(Parellada)、マルバシア(Malvasia)、黒はトレパット(Trepat)、ガルナチャ・ティンタ(Garnacha Tinta)、モナストレル(Monastrell)などのスペイン産の品種です。

 スペインがEUに参加した1986年以降は、フランス産の品種であるシャルドネ(白ブドウ)(Chardonay)とピノ・ノワール(黒ブドウ)(Pinot Noir)も使われるようになりました。

 

収穫

8月ごろに、ぶどうを手摘みか機械で摘みます。

 圧搾

ぶどうを品種別に圧搾機で搾ります。ぶどうの皮からなるべく色が出ないよう、ギュッとではなく、軽めに搾ります。

 一次発酵

搾り汁(ベースワイン)を品種ごとにタンクに入れ、発酵させます。

 ブレンド

品種の異なるベースワインをブレンドした後、澱(おり)をろ過します。

 

瓶内二次発酵 

 瓶に詰めたベースワインに糖分と酵母を加えて、自然に炭酸ガスを発生させます。

瓶は貯蔵庫に9ヶ月以上寝かした状態で保管します。

 瓶内二次発酵で作られるスパークリングワイン(シャンパンやカヴァ)は他の製法で作られるスパークリングワインよりも瓶内のガス圧が高く、通常のスパークリングワインが3気圧以上なのに対し、56気圧に達します。気圧が高いほど、シュワシュワとした口当たりが強く味わえます。

 動瓶

 瓶の口を下に向けた状態(45度)で澱下げ台に差し込み、手で瓶の底を毎日8分の1ずつ回転させます。または、ジャイロパレットに瓶を入れて電動で回転させて、澱を瓶の口部分に移動させます。

 ジャイロパレットは「コドーニュ」が開発した機械で、今では極めて高価格のスパークリングワインを作るボデガを除き、多くのメーカーが使用しています。

 澱抜き 

 瓶の口部分に溜まった澱を、手動か機械で取り除きます。瓶の口部分をマイナス20度のブライン(brine)(塩化カルシウム水溶液など)に浸して凍らせた後、瓶を上に向け、栓をはずして、凍った澱を飛び出させる方法が一般的です。

 リキュール添加 

 澱抜きして減った分量や甘味を補充するため、ベースワインや砂糖を添加します(ブリュット・ナチュレを除く)。

 仕上げ

 瓶にコルクをはめ、ミュズレ(針金)やキャップシールを巻き、エチケット(ラベル)を貼れば完成です。

 

カヴァを醸造する主なボデガ

 

スペインワイン カタルーニャ オーガニック

 

 ・エウダルド・マッサナ・ノヤEudald Massana Noya

 エウダルド・マッサナ・ノヤは、月の満ち欠けに合わせて農作業を行うビオディナミ農法でオーガニックなカヴァを造るボデガです。

 マッサナ家は9代続くぶどう農家で、30ヘクタールの畑で、10種類以上のぶどうを栽培しています。

 エウダルド・マッサナ・ノヤ カバ・ブルット・ロサード(Eudald Massana Noya Cava Brut Rosado)は、ピノ・ノワール100%のカヴァです。

 ロゼならではの淡いピンク色とさわやかな酸味、フルーティな香りが特徴で、カルパッチョやチーズなどのおつまみに合わせやすいカヴァです。

 

・アグスティ・トレジョ・マタ(Agustí Torelló Mata

 1950年から続く家族経営のボデガです。

 カタルーニャの土着品種であるマカベオ、トレパット、パレリャーダ、チャレロを使い、レセルバとグラン・レセルバタイプのカヴァのみを醸造しています。ぶどうは手摘みで収穫。ラインナップは、ヴィーガン認定されたカヴァが中心です。

 アグスティ・トレジョ・マタ ブルット・レセルバ(Agustí Torelló Mata Brut Reserva)は、樹齢30年以上の木から採れたマカベオ、パレリャーダ、チャレロを絶妙なバランスでブレンドしたカヴァです。

 辛口ですが、フルーティーな香りや味がするので、りんごなどの果物やデザートなどにも合います。

 

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https://sukoruni.wine/collections/sparkling_wine

 

カヴァのおいしい飲み方

カヴァ 女子会 乾杯

 カヴァは、辛口は8度、甘口は4度くらいが適温です。レセルバやグラン・レセルバは、10度くらいがベストです。

 冷蔵庫で冷やす場合、ワインのように横に寝かさず、立てた状態で保管しても問題ありません。振動すると炭酸が抜けやすくなるので、あまり開け閉めしない野菜室のほうが、保管場所としておすすめです。

 冷蔵庫で冷やす時間がない場合は、氷と水を3分の1ずつ入れたワインクーラーの中に2530分くらい入れておくと、飲み頃になります。

 飲みきれなかった場合はシャンパンストッパーなどで栓をして保管することもできますが、炭酸が抜けたり、酸化したりしてしまうので、なるべく12日で飲み切ったほうが良いでしょう。

 余ってしまったカヴァは、料理酒として使っても良いですし、オレンジジュースで割ってカクテルにするのも良いですよ。

 ヴィンテージ以外のカヴァは、開栓していない場合もなるべく早めに、遅くとも出荷後12年までに飲み切るようにしましょう。

 カヴァを飲む時のグラスは、泡が消えにくく、香りも保てるのは、細長いフルート型のグラスや、底がふくらんだチューリップグラスです。

 アルコールに弱い方や乾杯用には、アルコール分が抜けやすく、一気に飲みやすいソーサー型のクープグラスを使うと良いでしょう。

 

まとめ

 シャンパンに比べ、カジュアルなイメージが強いカヴァ。

今回の記事を読んで、そのイメージは少し変わりましたでしょうか。

 スペイン産のチーズやナッツなどをつまみに、味わいながら楽しんでみてください。

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