リオハ(Rioja)は、スペインを代表するワインの名釀地として世界的に名高い土地です。
いち早く新しい技術を取り入れ、現在では伝統と革新が融合する産地として注目されているリオハ(Rioja)ですが、それはワイン造りだけでなく、建築や醸造施設、プロモーション活動にも取り入れられています。
今回ご紹介するリオハのワイナリー、ボデガス・ムリージョ・ビデリ (Bodegas Murillo Viteri)は、ワインの味わいはもちろんですが、時代の先を行く、「多様性に配慮した設備」も高く評価されているワイナリーです。
リオハ アルタ地方の中心部、セニセロにあるワイナリー、ボデガス・ムリージョ・ビデリ (Bodegas Murillo Viteri)が手掛ける赤ワイン、「アランスビア・クリアンサ(Aranzubia Crianza)」をご紹介します。
持続可能なワイン造りへの取り組み
ボデガス・ムリージョ・ビデリ (Bodegas Murillo Viteri)は、敷地内にスロープやリフトを設置し、テイスティングルームや生産エリアを含むすべてのエリアへ行き来ができるように配慮された、ヨーロッパで初めてバリアフリーに対応したワイナリーのひとつです。
このワイナリーでは、持続可能なワイン造りを行うために「環境に与える影響を最小限にする」という目標を掲げています。
ブドウやワインが重力によって上から下へと流れる特性を利用するために、ワイナリーは丘の中腹に建てられ、運搬に使用するポンプを大幅に削減することに成功しました。
このような効率的なワイナリー設計により、水の消費量を80%以上削減、ヨーロッパのワイナリーの平均を大きく下回っています。
この他にも、セラーの温度管理には土壌の温度を利用し自然な加湿を行うなど、徹底した「環境に影響を与えない取り組み」が評価され、グレート・ワイン・キャピタルズ(Great Wine Capitals)が主催するコンペティションにおいて、国際的にも権威のある賞「ベスト・オブ・ワイン・ツーリズム賞」を受賞しました。
この認定は、7つのカテゴリーに分けられた基準において審査が行われ、この受賞によってボデガス・ムリージョ・ビデリ (Bodegas Murillo Viteri)は、社会運動・環境運動に取り組み、成果をあげていることが世界的に認められました。
ワイン造りだけではない「伝統」と「革新」
ワインをテーマにした旅行の提案「エノツーリズム」をご存知ですか?
ワインの産地に赴き、ワイナリーや自然を楽しみながらワインを楽しむことができる、人気のある旅行プランのひとつです。
ワイン産地を観光するプランは以前からありましたが、近年では、スペインの行政が監修・認定する「スペイン ワインルート」や、世界的には「エノツーリズム」に関するコンペティションが開催されるなど、ワインそのものだけでなくワインで得られる「体験」も注目されるようになりました。
近年ではワイナリーと併設した宿泊施設も多く造られ、滞在することでより深くワインを楽しむことができるという事から、ワインと体験を結びつけたアクティビティはさらに人気となっています。
スペインでは、バスク州・アラバにある、ワイナリーに併設されたホテル「ホテル・マルケス・デ・リスカル(Hotel Marques de Riscal)」は、伝統的な石造りの醸造所と、近代的な建築の対比が美しく世界的にも有名ですよね。
ワイン造りだけでなく、ワイン振興においても新しい取り組みが絶えず取り入れられており、ボデガス・ムリージョ・ビデリ (Bodegas Murillo Viteri)でも、事前に予約をしておけばワイナリー設備を見学できるようになっています。
アランスビア・クリアンサ
【商品情報】
商品名 |
アランスビア・クリアンサ(Aranzubia Crianza) |
生産者 |
ボデガス・ムリージョ・ビデリ (Bodegas Murillo Viteri) |
地域 |
ブドウ生産地:ラ・リオハ州 D.O.Ca.リオハ(D.O.Ca.Rioja) |
ビンテージ |
2018 |
生産国 |
スペイン |
ブドウ品種 |
テンプラニージョ(Tempranillo)85%、マスエロ(Mazuelo)10%、グラシアーノ(Graciano)5% |
認証・規格 |
|
おすすめ料理 |
ローストポーク、チキントマト煮、チェリーパイ など |
発酵容器 |
ステンレス・スティールタンク |
発酵期間 |
10日間 |
発酵温度 |
24°C |
度数 |
13.5% |
テイスト |
ミディアムボディ |
飲み頃の温度 |
16~18°C |
容量 |
750ml |
アランスビア・クリアンサ(Aranzubia Crianza)について
アランスビア・クリアンサ(Aranzubia Crianza)は、平均樹齢35年のブドウの樹から収穫される最高のブドウを使用して造られています。
テンプラニージョ(Tempranillo)を主体に、マスエロ(Mazuelo)、グラシアーノ(Graciano)の3種類の品種から造られるこのワインは、【朝10時から飲めるワイン】を目指して作られた、繊細でエレガントな仕上がりの赤ワインです。
ブドウは全て家族経営の畑から手作業で収穫され、収穫後は、アメリカ・ペンシルバニア州のオーク小樽で14ヶ月の熟成、2ヶ月ごとにスティラージュを行い、4ヶ月ごとに澱引きを行います。その後8ヶ月間のタンク内熟成、そして瓶内熟成6ヶ月を経てリリースされます。
ラベルデザインにもこだわりが詰まっています。ラベルを伝い落ちる雫のデザインは赤ワインの特徴を表しており、背景にはセニセロにあるワイナリーのスケッチが描かれ、テロワールへの愛情とこだわりが表現されています。
味わいの特徴
紫がかった濃いルビー色。グラスの中心から縁にかけて色調が淡く変化していき、熟成を感じさせる外観です。
鼻を近づけると、木苺やチェリーのような赤い果実の香りが広がり、2018年とは思えないほど若々しい香りを楽しむことができます。口に含むと滑らかな酸と心地良いタンニン、後にスパイスを思わせるニュアンスが続きます。樽熟成からくるバニラの余韻が長く、酸味、果実味、タンニンのバランスが取れた、非常に良い仕上がりの赤ワインです。
おすすめのペアリング
アランスビア・クリアンサ(Aranzubia Crianza)は、バランスの取れた味わいで、どんなお食事とも相性が良い赤ワインですので、渋みや酸味と相性の良いお肉料理を合わせると良いでしょう。コショウを効かせたステーキや、ローストポーク、ワインの酸味と合わせてチキンのトマト煮などもおすすめ。
お肉料理の中でも、ミートボールにパン粉を付けて揚げるスペインの郷土料理「アルボンディガス」は特におすすめです。ソースに使う赤ワインに少量のアランスビア・クリアンサ(Aranzubia Crianza)を入れると、よりマッチするでしょう。
ミディアムボディで飽きのこない味わいなので、色々なお料理に合わせて楽しんでみてくださいね。
ボデガス・ムリージョ・ビデリ (Bodegas Murillo Viteri)について
“ボデガス・ムリージョ・ビデリ (Bodegas Murillo Viteri)は、ラ・リオハの中心に位置するセニセロの町で、5世代にわたってワイン造りに専念してきた小さな家族経営のワイナリーです。
滑らかでまろやか、飲みやすく、優れた品質のワインを造ることを目標に、また、持続可能でリサイクルやエコロジー、透明性といった社会的責任の概念を、すべての行動に取り入れています。
明確なオープン・ドア・ポリシーを掲げ、ヨーロッパで初めて、移動が困難な人々や目の不自由な人々が利用しやすいよう、建築上の障壁を撤廃したワイナリーのひとつです。“
徹底した環境への配慮と持続可能なブドウ栽培、ワイン造りに力を注いでいるボデガス・ムリージョ・ビデリ (Bodegas Murillo Viteri)は、決して規模の大きなワイナリーではありませんが、伝統と革新を融合させたリオハの偉大なワイナリーであると言えます。
まとめ
今回は、ボデガス・ムリージョ・ビデリ (Bodegas Murillo Viteri)が手掛ける赤ワイン、アランスビア・クリアンサ(Aranzubia Crianza)をご紹介しました。
生み出されるワインの品質はもちろん、小規模なワイナリーでありながら、徹底して環境に配慮した構造・仕組みでも注目されているワイナリーです。
ぜひこの機会に、製造過程においても環境にやさしいワイン、「アランスビア・クリアンサ(Aranzubia Crianza)」を味わってみてください。