スペイン・バルセロナ南東の地中海に浮かぶ美しい海が魅力の「マヨルカ島」。(マジョルカ島)
「マヨルカ島のワイン?」
「そんなワイン聞いたことがない」
と思う人も多いかもしれません。
それもそのはず。スペイン本土の中でも流通が少ない赤ワインです。スペイン本土より、さらに流通量の少ない日本で見かけるのは珍しいスペインワインの一つでもあります。
しかし実は、マルヨカ島のワインは非常に高品質なワインが多いのです。
本記事では、そんな稀少な「マヨルカ産ワイン」の魅力とおすすめのマヨルカ島赤ワインをご紹介します!
地中海の楽園と呼ばれるリゾート地
「マヨルカ島」とは?
スペイン・バレアス諸島最大の島「マヨルカ島」は、面積約3,640㎢、約人口96万人(2019年時点)。沖縄本島の約3倍、日本本島の1/100倍ほどの島です。
地中海に浮かぶ「マヨルカ島」は、年間300日以上の晴天に恵まれます。さらに、夏は30℃、冬は10℃と、年間を通して寒暖差が少なく、とても過ごしやすい気候であることから「地中海の楽園」と呼ばれており、日本人にとっての沖縄やハワイのような場所といわれています。
そんな「マヨルカ島」は、気候・太陽・ビーチに恵まれたヨーロッパ屈指のリゾート地。透明度が高く澄み渡った美しい海は、訪れる人々を魅了します。夏には、スペイン王室や世界各国のセレブがこぞってバカンスに訪れることでも有名な人気観光地です。
マヨルカ島赤ワインの特徴
マヨルカ島の赤ワインは、比較的タンニンが少なくフレッシュでフルーティな味わいが特徴。マヨルカ島のワインは、飲む人を選ばず、赤ワイン初心者でも美味しく飲めるワインが多くあります。
マヨルカ島には、ローマ人がぶどうの苗を持ち込んだことで、1500年頃からワインの生産が始まりました。以来、理想的な気候と石灰岩土壌のもと良質なワイン造りがされていきました。1990年代初頭には、その功績が認められ、初の原産地呼称産地(DO)に指定されました。
マヨルカ島には、2021年現在、2つのD.O.があります。
- 1991年認定:D.O. Binissalem(ビニサレム)
- 2001年認定:D.O. Pla i Llevant(プラ・イ・レバント)
D.O.ビニサレムは、島の北西から中央にかけて紀元前2世紀頃からぶどうの栽培を行っており、マヨルカ島で最も有名なワイン産地でもあります。D.O.ビニサレムの畑面積は少なく、小規模ではありますが、非常に高品質なワインが特徴です。マヨルカ島固有のぶどう品種を使用し、現代人の嗜好に合った非常に魅力的なワインが生産されています。
D.O.プラ・イ・レバントは、南東から中心にかけてブドウ栽培を行っています。「プラ・イ・レバント」はマヨルカ語で「平原・東海岸」を意味しています。白亜質の最適な土壌条件を備えており、冷涼な冬と乾燥した暑い夏が特徴です。年間の平均降水量は450mmと少なく、約250haほどの畑が広がります。小規模ですが、2001年のD.O.認定からの10年でますますそのクオリティは上がってきています。
マヨルカ島で栽培されている黒ブドウの土着品種は、以下の4つ
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マント・ネグロ
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カイエット
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フォゴネウ
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ゴルゴリャッサ
その他、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、ピノ・ノアール、モナストレル、テンプラニーリョをブレンドし、赤ワインを生産することが多くあります。
マヨルカ島のワインが日本で飲めるのは貴重!
マヨルカ島のワインは、畑が少なく、小規模であるため元々の生産量が少ないことが特徴です。
さらにスペイン随一の観光地のため、高級ホテルや一流レストランでのワイン消費率が高く、マヨルカ島産ワインの約8割は島内で消費されます。
残り、一割はスペイン本土で消費され、さらに残りの一割を海外へと輸出されます。
しかし、スペイン本土に住むスペイン人でも「マヨルカ島産のワイン」を口にしたことがないという人も多いほど、海外どころかスペイン国内でもなかなかお目にかかれるものではないワインです。日本に入ってくる「マヨルカ産ワイン」がいかに貴重であるかが分かりますよね。
そんな稀少なマヨルカ島のワインですが、なんと日本で飲むことができます!
ここからは、日本でも飲むことができるおすすめの「マヨルカ産赤ワイン」をご紹介します。
マヨルカ島の赤ワインD.O.プラ・イ・レバント
「モスルカ ティント」がおすすめ
詳細はこちら |
商品名 |
モスルカ ティント |
生産者 |
ボデガス・ビ・レイ |
おすすめ料理 |
スモークターキー・マグロの炭火焼き・いぶりがっこなど |
生産国 |
スペイン |
地域 |
マヨルカ島、リュグマジョー、バレシアス諸島自治州 |
ぶどう品種 |
マント・ネグロ10%、カイエット10%、シラー40%、メルロ40% |
樹齢 |
10年 |
度数 |
13.0% |
ボディ |
ミディアム |
飲み頃の温度 |
10℃〜20℃ |
容量 |
750ml |
今回、ご紹介するワインは「ボデガス・ビ・レイ」の「モルスカ ティント」です。
ぶどう畑は、マヨルカ島の南。海岸から4kmほどの近い場所に位置し、海風の影響が「ボデガス・ビ・レイ」の作り出すワインの味わいにも大きな影響を与えています。「モルスカ ティント」の生産者であるボデガス・ビ・レイは、2014年にオーナーのミゲル・パスクアルがワイナリー設立後、「島でとれた葡萄から高品質なワインを届ける」をモットーに日々ワイン作りに励みました。
ワイナリー設立当初から「7つの理念」を掲げ、最新の醸造設備を駆使し、収穫後からボトリングまですべての工程を自社で完結するこだわり。醸造家のイグナシオ・デ・ミゲルとともに真摯にワイン造りに向き合った結果、上質なワインであることが認められ、2001年D.O.プラ・イ・レバントに登録されています。
そんな「モスルカ ティント」は、マヨルカ島のワインらしい豊かな果実味にスモーキーさと穏やかなタンニン、綺麗な酸が感じられる赤ワインです。マヨルカ産ワインが初めての人にも、マヨルカらしさが感じられるおすすめの赤ワインです!
「モスルカ ティント」のおすすめポイントを3つご紹介します。
- マヨルカ島の固有品種ブレンドによりマヨルカ産ワインならではの赤ワインを実現
- 「モルスカ ティント」の味わい
- 7つの理念を持ちこだわりの醸造
マヨルカ島の土着品種のブレンドにより
マヨルカ産ワインならではの赤ワインを実現
「モスルカ ティント」のぶどう品種は4つ。そのうち、2種類がマヨルカ島の土着品種です。
- マント・ネグロ10%(土着品種)
- カイエット10%(土着品種)
- シラー40%
- メルロ40%
土着品種の一つである「マント・ネグロ」は、マヨルカ島でほぼ独占的に栽培されており、島全体で最も多く植えられているぶどう品種です。
マントネグロをブレンドすることにより、非常に香り高い赤ワインを造ることができますが、熟成スピードが早いため、他の品種とブレンドしてワインを作ることが多いのが特徴です。
2つ目の土着品種である「カイエット」は、淡く鮮やかな色を持ち、ベリー系の優しい果実味と綺麗な酸が特徴のぶどう品種です。
これら土着品種をブレンドすることで、「モルスカ ティント」は、マヨルカ産らしい香り高く、新鮮な果実味で心地よいタンニンのなかに綺麗な酸が広がるワインを作り出すことができます。
「モルスカ ティント」の味わい
ワインを注ぐと、鮮やかなチェリーレッドの美しい色が目に入ります。
プラムやイチヂクのアロマが心地よく、タイムやグローブのようなスパイシーさとスモーキーさをもち、ビスケットのような甘みが感じられます。
マヨルカ島土着品種「マント・ネグロ」由来の新鮮な果実と香りりと、「カイエット」が持つスモーキーさとベリー系の優しい果実味に「シラーとメルロー」をブレンドすることにより、豊富な果実味の中に丸みを帯びたタンニンと柔らかな酸、スモーキーさが感じられるバランスの良いワインに仕上がっています。
とても飲みやすいワインなので、「普段は、赤ワインが苦手」という人にもおすすめしたい1本です!
7つの理念を持ちこだわりの醸造
引用元https://bodegasvirei.com/bodegas-vi-rei-mallorca/
生産者である「ボデガス・ビ・レイ」は7つの理念を持ってこだわりの醸造を行っています。
- 葡萄の熟成が最良の時を見極めた収穫
- 液体の抽出圧縮時は最大限まで行わない
- 新鮮さを損なわないように過度な熟成期間を行わない
- 熟成用小樽のトースト、細やかさなどの選定
- 必要以上の熟成期間を小樽で行わない
- アサッブラージュ時には、それぞれの品種の良さを損なわない
- 固定概念なく仕事に取り組む
設立当初からブレないこの「7つの理念」が「ボデガス・ビ・レイ」が作り出すワインの美味しさに繋がっています。
まとめ
マヨルカ島のワインは、日本での流通量が大変少ないため、スペインワイン好きの方でも「なかなかお目にかかる機会がない」レアワインの一つです。ワイン会などに持ち込めば注目の的に。ワイン通の人にプレゼントしても喜ばれる1本です。
そんな中「モスルカ ティント」は、稀少なマヨルカ島ワインかつD.O.プラ・イ・レバントに認定されている赤ワインであるにもかかわらず、お手頃な価格で提供されています。バランスの取れた味わいは、ワイン通な人もそうでない人もきっと美味しいと感じるはず。
稀少なマヨルカ島のワインは、飲める機会があるときに、ぜひ飲んでいただきたいおすすめの赤ワインです。