日本に住む私たちの生活は、実はいつの間にかmade in Spainの食材に支えられている、と言ったら驚かれるでしょうか?今回は、私たちの生活を支えてくれているmade in Spainのマグロ、オリーブオイル、ニンニクについて解説します。スペインワインと一緒に味わうのに最適なレシピもご紹介しておりますので、ぜひ、最後までご一読いただければと思います。
マグロ
スペインが世界4位のマグロの漁獲高を誇る国であることを知っている方はあまり多くはないのではないでしょうか(日本は2位/いずれも2020年)。そして、スペインにはフェニキア人の時代から3000年以上もの続くとされる、世界最古のマグロの漁法があるのです。その名も「アルマドラバ(Almadraba)」という定置網漁法。語源はアラブ語で「戦いの場」を意味する言葉なのだとか。
アルマドラバをおこなっているのはアンダルシア州(Andalucía)のバルバテ(Barbate)で、この地域で獲られたマグロは一時期はその8割が日本に輸出されていたそうです。バルバテで獲れるマグロは「Atún rojo(アトゥン・ロホ)赤いマグロ」と呼ばれ、最高級とされています。種類としては日本で本マグロとして知られる「クロマグロ」です。
アルマドラバは次のような工程でおこなわれます。
- マグロが通るとして知られている場所に、複数の船で定置網を使って囲いを作る。
- 小舟数隻でマグロを囲いの中に追い込んでいく。
- 網を上部に引き上げていく。
- 長い竿のついた銛を持ったダイバーが網の中のマグロを突く。
- 沈んでいくマグロをダイバーが尾の部分でつかみ、縛っていく。
- 漁師たちが船の上にマグロを水揚げする。
- 活け締めして氷水でマグロを冷やしながら港に運ぶ。
- 港に着いたら素早くマイナス60℃以下でマグロを凍結する。
ちなみに、活け締めの工程は日本のマーケット向けに刺身でも食べられる品質を保つため、近年になって採用されたそうです。脊髄を麻痺させることによって肉に乳酸が回るのを防いだり、血抜きをしたりすることにより、肉の質と新鮮さを保つのです。新鮮な天然のマグロを急速冷凍した、質、鮮度共に最高レベルのマグロが、アルマドラバのアトゥン・ロホなのです。また、アルマドラバで使われる定置網には一定の大きさで穴が開けることによって成長しきっていないマグロを逃す工夫も施されていて、サスティナブルな漁法としても知られています。
オリーブオイル
日本でも今や家庭の食卓に欠かせない食材になりつつあるオリーブオイルですが、オリーブオイルの本場はスペインです。オリーブ、そしてオリーブオイルの生産量、そしてその品質でもスペインは世界一の座をなんとローマ時代から維持していると言われているのです。その生産量は世界2位のイタリアに倍以上の差をつけてダントツのトップで、輸出量ももちろん世界第1位。あなたの台所にあるオリーブオイルもおそらく、スペイン産なのではないでしょうか。
スコルニワインがおすすめするスペイン産バージンエキストラ・オリーブオイル(Aceite de Oliva Virgen Extra)『マルケス・デ・グリニョン オレウム・アルティス(Marqués de Griñón Oleum Artis)』
産地のカスティーリャ・ラ・マンチャ州(Castilla-La Mancha)、トレド県(Toledo)のドミニオ・デ・バルデプーサ(Dominio de Valdepusa )は13世紀末にまでその起源を遡ることができる由緒正しい侯爵家のオリーブ畑です。ぶどうとともに、オリーブ栽培に最適な気候に恵まれ、ここで育ったオリーブは繊細で深い味わいを持ちます。
マルケス・デ・グリニョン オレウム・アルティスは2013年には世界一有名なオリーブオイル品評会『フロス・オレイ(Flos Olei)』で100点満点中98点を獲得、日本オリーブオイルソムリエ協会主催のコンクールでは金賞以上を10年連続受賞しています。また、2014年と2018年のヴインテージは最優秀賞、2013年、2015年、2016年、2017年、2019年、2020年、2021年ヴィンテージは金賞に輝いています。そして、2017年ヴィンテージは『特別オリーブオイルソムリエ賞』、2021年ヴィンテージは『オリーブジャパン2022』で金賞を受賞しています。
グリーントマトやハーブ、緑茶、アーモンドなどを感じさせるフレッシュでパワフルなアロマで、口内では凝縮したみずみずしい野菜の香りと、心地よい苦味がバランスよく長く余韻として残ります。
収穫はオリーブの果実が最高の状態になった頃をピンポイントで狙い、一気に収穫してわずか2時間以内にオイルを抽出します。原材料に用いられているピクアル種(Picual)のオリーブはポリフェノールが豊富で酸化しにくいため保存にも非常に適しています。また、使用されている最新の圧搾機は最大限に酸化を抑えられるので、採れたてのオリーブのアロマをそのまま、楽しむことがで機きるのです。
マルケス・デ・グリニョン オレウム・アルティスは火を通して使う以外にもぜひ、パンにつけるなどしてそのままの味わいを楽しんでいただきたいオリーブオイルです。マルケス・デ・グリニョン オレウム・アルティスを使うのにおすすめな簡単レシピを2種、ご紹介します。
お刺身カルパッチョ
作り方はとても簡単です。新鮮なお刺身に、お好みの薬味を載せ、塩、レモン果汁、そして、マルケス・デ・グリニョン オレウム・アルティスを回しかけるだけです。おすすめの薬味は、刻んだネギやショウガのみじん切り、大葉の千切り、ミョウガの千切り、かいわれ大根、大根おろしなどです。合わせるワインはエウダルド ブルット・ナトゥレ(Eudald Brut Nature)などのドライなカヴァやスパークリングワインがおすすめです。
パン・コン・トマテ
カタルーニャ地方の名物、パン・コン・トマテ(Pan con tomate)をぜひマルケス・デ・グリニョン オレウム・アルティスでお試しください。こちらも作り方は簡単です。ハード系のパンをスライスしてカリッと焼き、その表面に熟したトマトをすり付けます。そして、お好みの塩を少々、マルケス・デ・グリニョン オレウム・アルティスをお好みの良回しかけたら出来上がりです。さらに、生ハムをトッピングしたらそれだけで絶品のタパス(Tapas)になります。合わせるワインはアラグ・ロゼ フォルカリャ(Alagú Rosé Forcallat)のような、フルーティなロゼワインがおすすめです。
ニンニク
スペイン産のニンニクは中国に次いで世界第2位の輸出量を誇ります。日本の市場ではいまだ中国産のシェアはダントツトップであるものの、スペインは第2位、近年徐々にそのシェア率を上げているのです。
スペイン料理ではほとんどの料理において使われる、と言ってもいいほど欠かせない食材です。同じく、スペイン料理には欠かせない存在であるオリーブオイルで熱されると非常に香ばしく食欲をそそる香りが立ち、料理の味の重要な要となるのです。
スペイン産のニンニクはモラード種という種類で、国産が白い色であるのに対し、少し紫がかっています。特徴は加熱した時の強い香りと辛味です。すりおろして生で、というよりはやはり、油で熱した時にその良さを発揮するニンニクなのです。もちろん、オリーブオイルとの相性は抜群です。ニンニク特有のコクや旨味となるアリシンの含有量は、国産や中国産と比べても大変多くなっています。そのため、多くの一流シェフたちのスペイン産のニンニクへの評価は大変高くなっているのです。
スペイン産のニンニクを使うのにおすすめのレシピをご紹介します。
シシャモのガーリックソテー
材料
- シシャモ・・・8尾
- ニンニク・・・1片
- トマト・・・1個
- タマネギ・・・1/8個
- 大葉・・・2〜3枚
- オリーブオイル・・・適量
◉合わせ酢・・・適量
酢・・・大さじ3
水・・・大さじ3
砂糖・・・大さじ3
塩・・・小さじ1
- 合わせ酢を作ります。材料をすべて鍋に入れ、ひと煮立ちさせたら出来上がり。
- トマト、タマネギ、大葉をみじん切りにし、合わせ酢で和えます。
- ニンニクをスライスし、熱したオリーブオイルの中できつね色になるまで熱し、ガーリックチップにします。
- 3のガーリックチップを取り出したらシシャモを焼き色がつくまでソテーします。
- シシャモを皿にのせ、2の野菜とガーリックチップをのせ、仕上げにオリーブオイルを回しかけて出来上がり。
まとめ
私たちの生活を支えてくれているmade in Spainのマグロ、オリーブオイル、ニンニクについて解説しました。この記事で紹介したおいしいmade in Spainの食材を、ぜひ、スペインワインとともに味わっていただければと思います。