「夏にワインはちょっと」・・・とお考えの方も少なくないのではないでしょうか?
そこで、ビールやハイボール、サワー派の方にもおすすめのワインカクテル「レブヒート」をご紹介します!
目次
- レブヒートとは?
- レブヒートに使われるシェリーってどんなお酒?
- 現地での飲まれ方
- 作り方(レシピ)
- レブヒートにおすすめのシェリー
レブヒート(Rebujito)とは?
スペインワインの1つであり、南部のアンダルシア州名産の“シェリー”を使ったカクテルです。
シェリーには様々な種類がありますが、全ての種類が適している訳ではありません。
キリっと辛口(日本酒でいう淡麗辛口)で、透明なタイプの「マンサニージャ(Manzanilla)」もしくは「フィノ(Fino)」というタイプを使います。そこに正式には「7up!」で割って、仕上げにペパーミントを入れて作ります。
7upが手に入らない場合は、柑橘系の甘いソーダでも美味しいですよ。
ワインに慣れていない方や、炭酸で割ったお酒が好きな方にもおすすめで、夏にぴったりのワインカクテルです。
レブヒートに使われるシェリーってどんなお酒?
レブヒートで使われているシェリーというスペインワインは、英語表記ではSherry、スペイン語ではJerez(へレス)。先述したレブヒートで使われる淡麗辛口タイプの「マンサニージャ」や「フィノ」の他にも甘口~辛口まで様々な種類があります。
フィノ |
パロミノ・フィノという種類の葡萄から造られた辛口の白ワインに、ブランデーを加えて15%までアルコール度数を上げる(酒精強化)。すると、酵母が膜をはり(産膜酵母/この状態を”フロール“と呼ぶ)、その産膜酵母の元で熟成が行われる。無色透明で、淡麗辛口なタイプ。標準はアルコール度数15%程度。きりっと冷やしてストレートで飲む場合、刺身や、エビの素揚げ・塩ゆでなどと相性が良い。 |
マンサニージャ |
サンルーカル・デ・バラメダという地域で作られたフィノと同じ製法のシェリー。生産地域が海や河口沿いにある為か、フィノより塩味を感じ、より辛口であると言われている。度数は15°程度。無色透明。飲み方や合わせる料理は基本的にフィノに準ずる。 |
アモンティジャード |
フィノもしくはマンサニージャの製造途中で産膜酵母が消え、空気に触れることで酸化熟成するため、琥珀色になり、ナッツなどの風味が加わる。紹興酒に似た風味があるので、中華料理やアジア料理、たこ焼きなどとも相性抜群!実は一番万能? アルコール度数は16%~22%。 |
オロロソ |
このシェリーを作る際は、白ワインを造ったのち、ブランデーをアルコール度数が17%になるまで添加し、産膜酵母が張るのを最初から抑制し、酸化熟成をする。スパイシーで、タバコやクルミの様な風味がある。カレーや、お好み焼き、甘辛料理(すき焼きや豚の角煮)などと相性がよい。長い熟成を得るとその過程によりアルコール度数20%を超えることもある。 アルコール度数17%~22%。 |
モスカテル |
マスカット系の品種である「モスカテル」を干しぶどう状態にして作る、甘口シェリー。最初から酸化熟成をする。マホガニー色で、甘みも強いが、柑橘系のアロマや紅茶の様な香りが爽やかさを与えている。アルコール度数は15%~22%。 |
ペドロ・ヒメネス |
ペドロ・ヒメネス種を干しブドウ状態にし、酸化熟成のみで作る、極甘口のシェリー。粘性も高く、黒に近い濃いマホガニー色で、甘く力強い印象。アルコール度数は15~22%。 |
クリーム |
先述のオロロソにペドロ・ヒメネスを加えたもの。“甘口のオロロソ”とも。 オロロソの持つ、クルミなどのナッツ香やキャラメルのニュアンスにペドロ・ヒメネスの甘みとローストしたコーヒー豆やドライフルーツなどの複雑味が加わったシェリー。 氷を入れてオレンジのスライスを入れて飲むと絶品! |
パロ・コルタド |
モストの入った樽に斜め線(/, パロ)を書き、15%にまでブランデーを添加したのち、フィノやマンサニージャと同じく産膜酵母が形成され(フロール)、官能試験でパロ・コルタドと判断された場合、パロに重ねるように水平線を書く(つまり、パロを切った(Cortado,“切る”を意味する動詞Cortarの過去分詞)ので、パロ・コルタド。因みにパロにくっつけてカーブを描く(アルファベット小文字の“r”のようになる)と、フィノと判断される。パロ・コルタドと判断された樽は17%まで酒精強化を行い、フロールを消し、酸化熟成を行う。 |
上記の通り、葡萄の品種は①パロミノ②モスカテル④ペドロ・ヒメネスの3品種のみにも関わらず、ここに書ききれないほどまだ多くの種類があるシェリー。非常に奥深いワインです。
独特の風味があり、フィノやマンサニージャは非常に辛口ですので、筆者の主観ですが、シェリー単体で飲み始めるなら先ず酸化熟成タイプのアモンティジャード(シャープさが酸化熟成によりまろやかになっているため、ウイスキーなど好きな方にお勧め)、もしくは甘口のモスカテル辺りから飲み始めるのがおすすめです。
アモンティジャードは更に、紹興酒にも似た風味があるので、中華料理やアジア料理にも合うため、お家のご飯とも合わせやすいお酒だと思います。モスカテルは、フルーティさと包み込む様な甘みが疲れを取ってくれるような食後酒にも非常におすすめな、幸せな甘さのシェリーです。
現地ではどう飲まれている?
非常に飲みやすく、夏に最適、またお酒にそこまで強くない日本人にもぴったりのレブヒートですが、現地ではどう飲まれているのでしょうか?
現地のアンダルシア州では実は年間を通して飲まれるカクテルでは無いそうで、いわゆる「春を告げる飲み物」だそうです。
というのも、もっぱら飲まれるのは4月~5月にかけてアンダルシアで行われる3大祭り「4月祭り」「馬祭り」「マンサニージャ祭り」で振舞われるお酒だからです。
この時期になると、アンダルシアのバルでもこのカクテルが提供されるようになるそうで、レブヒートを見ると「春が来たなあ、祭りの時期か・・・」と思う、いわゆる“春を告げるカクテル”といっても過言ではないでしょう。
そう、つまり現地の方は基本的にシェリーは割って飲まないそうで、そのままストレートで飲むのが通常だそうです。シェリーに誇りをもっていますし、お酒にも強いアンダルシア人にとって日常はストレートで、レブヒートは祭りで踊りながら、楽しんで飲むお酒なのでしょう。
しかし、日本では年中氷入りのカクテル・サワーなどを飲む人も多いですし、ほのかに甘くて飲みやすい日本人にぴったりのカクテルであること間違いなし!特に暑い夏の時期には非常におすすめのお酒です。
作り方(レシピ)
〇フィノもしくはマンサニージャ・・・30ml※濃さはお好みで調整してください。
〇柑橘系ソーダ(あれば7up!かスプライトがおすすめ)・・・200ml
〇ペパーミント・・・適量
〇氷・・・適量
お好みで、辛口のソーダも中々いけます。色々なソーダで試して、自分御好みの味を見つけるのも楽しいですね♪
シェリーを初めて飲んだ方は、独特の風味があり、苦手意識を持たれた方もいるかもしれませんが、レブヒートの様な飲み方にすれば大変飲みやすく暑い夏には重宝するカクテルです。
レブヒートにおすすめのマンサニージャ
レブヒートに使用するシェリーのおすすめは「ラス・メダージャス マンサニージャ(Las Medallas Manzanilla)」です。
グアダルキビル川河口であり、北大西洋に面した“サンルーカル・デ・バラメダ”という地域で作られるこの辛口タイプのシェリーは、土地柄かどこか塩味を帯びた味わいで、エビの素揚げや、かき揚げ、天ぷらにぴったりのシェリーです。
キリっと冷やしてそのまま飲んでも美味しいですし、先述のレブヒートにしても美味しい、多様な飲み方が出来ます。
品名 |
Las Medallas Manzanilla ラス・メダージャス マンサニージャ |
産地 |
D.O.へレス及びマンサニージャ・サンルーカル・デ・バラメダ |
生産者 |
エレデロス・デ・アルグエソ |
葡萄品種 |
パロミノ・フィノ |
テイスト |
ドライ |
アルコール度数 |
15% |
お料理 |
シュリンプカクテル、シーフードマリネ、イカ・白身魚のフリット、焼き鳥(塩あじ)、寿司、天ぷらなど。 |
ノート |
繊細なアロマで清涼感があり、花の様な香りが特徴。口当たりは滑らかで清涼感があり、どこか塩味を感じる。また、ほんのりと苦みがある。和食との相性もばっちり。 |
いかがだったでしょうか?レブヒートやシェリーに少しでも興味をおもちいただけましたでしょうか?