グルメ会で人気のジビエとは?ジビエと相性の良いスペインワインもご紹介します グルメ会で人気のジビエとは?ジビエと相性の良いスペインワインもご紹介します

グルメ会で人気のジビエとは?ジビエと相性の良いスペインワインもご紹介します

グルメ好きな人たちの集まる会で近年人気が高まっているジビエは、ワインとの相性が良い食材としてヨーロッパでは古くから親しまれてきました。また、ジビエは栄養価に優れていて、しかも環境問題の解決にも可能性のある食材としても注目されつつあります。

今回はジビエについてその種類や味の特徴、そして、ジビエと相性の良いスペインワインを紹介します。


ジビエとは

ジビエ(gibier)はもともとフランス語で、狩猟によって得られた野生の鳥獣、またはその食肉を意味する言葉です。

フランスなど、ヨーロッパの国ではその昔、その領内で狩りができるような上流階級の人たちだけがジビエを口にすることができました。そのため、フランス料理の世界ではジビエは貴重な高級食材として扱われてきた歴史があります。現代では一般市民も口にすることができる食材として普及しています。とくに、フランス料理やイタリア料理では秋冬の旬のものとして提供されることが多い食材です。


ジビエの種類

世界にはさまざまな種類のジビエがありますが、ここでは日本で狩猟が許可されている48種類のジビエを紹介します。

 

野鳥

カワウ

ゴイサギ

マガモ

カルガモ

コガモ

ヨシガモ

ヒドリガモ

オナガガモ

ハシビロガモ

ホシハジロ

キンクロジロ

スズガモ

クロガモ

エゾライチョウ

ヤマドリ

キジ

コジュケイ

バン

ヤマシギ

タシギ

キジバト

ヒヨドリ

ニュウナイスズメ

スズメ

ムクドリ

ミヤマガラス

ハシボソガラス

ハシブトガラス

人気者のカルガモや可愛らしいスズメ、そしてなんとカラスまでもジビエとして狩猟が許可されているんですね。驚きです!


野獣

タヌキ

キツネ

ノイヌ

ノネコ

テン

イタチ

チョウセンイタチ

ミンク

アナグマ

アライグマ

ヒグマ

ツキノワグマ

ハクビシン

イノシシ

ニホンジカ

タイワンリス

シマリス

ヌートリア

ユキウサギ

ノウサギ

イノシシやシカはジビエとしてよく知られていますが、ノイヌやノネコ、シマリスもジビエとして認められていることを知っている方は少ないのではないでしょうか。


ジビエは臭い?

ジビエというと、臭かったり、クセが強かったり、というイメージを持っている方も多いかもしれません。しかし、最近は食べやすいジビエが入手しやすくなってきたと言われています。

ジビエの臭いやクセはその獣の性別や年齢に影響されるほか、捕獲して解体されるまでの時間や処理の方法、血抜きや凍結、解凍の方法も大きく関係しています。近年は技術の発達やグルメとしてのジビエに対する意識が高まったことなどもあり、それぞれの肉が持つ繊細な味わいを楽しめるクセのない、美味しいジビエが増えてきました。

また、ジビエは高タンパクで低カロリーであるとして、美容や健康への意識が高い方やアスリートなどからも注目されています。


ジビエの特徴

数多くあるジビエのなかから、代表的なものについてそれぞれの特徴を紹介していきます。


イノシシ(猪)

ぼたん(牡丹)とも呼ばれるイノシシは豚肉よりもあっさりとしていて、脂身が柔らかく、甘味があります。また、鉄分やビタミンB12は豚肉よりも多く、カロリーは豚肉とほぼ同等です。秋から冬にかけ、木の実などを食べて栄養を蓄えるため、11月下旬から12月までが脂が乗って食べごろです。

食べ方としてはぼたん鍋がよく知られています。イノシシは煮込むと出し汁に旨味がとてもよく出るため、鍋の後はうどんやおじやなどでしめるのもおすすめ。また、鍋物の他にも生姜焼きやカツなどにするとイノシシのジューシーさを存分に味わうことができます。


シカ(鹿)

もみじ(紅葉)とも呼ばれるシカはジビエのなかでもとくにクセがなく、牛肉に味が近いのでさまざまな料理に使いやすいことで人気です。また、タンパク質を多く含み、低脂肪なためダイエット食としても人気ですし、鉄分も多いため、貧血が気になる方や女性にはもってこいの食材です。

食べ方としてはじっくり火を通したローストがおすすめです。なお、7種あるニホンジカのうち、よく出回っているのがエゾシカとホンシュウジカです。


クマ(熊)

最近、人を襲う事件などで知られるクマですが、日本では昔から食肉として親しまれてきました。また、体を温め、滋養がある薬膳の食材としても知られ、熊の手は栄養があるとして中華料理では高級食材とされています。冬眠前はどんぐりなどの木の実や果物をたくさんたべるため美味しいと言われています。クマの肉はブタでもウシでもない、独特の「熊味」だと言われていて独特の乳臭さがあり、人によって好き嫌いが分かれるようです。

調理法はしぐれ煮などの煮込み料理や、炒め物など。脂身の融点が低く、口溶けが良いとのことで脂身の多いものが好まれます。なお、ヒグマもツキノワグマも雑食ですが、より雑食性の強いツキノワグマがより美味しい、とされています。

 

ウサギ(兎)

ウサギも古くから狩猟の対象とされ食肉として昔は日本でも親しまれてきました。

ウサギの肉は「脂身が少なくて柔らかく、淡白な味わいが特徴」とされることが多いようですが、それはフランスではラパン(lapin)、に分類される家畜のウサギ肉、つまり厳密に言うとジビエではないウサギの肉に対する説明のようです。いっぽう、フランスでリエーブル(lièvre)と呼ばれる野ウサギは血の匂いが濃い赤身肉で野性味があり、熟成期間が必要とされます。また、フランス料理では血をソースのつなぎ目に使う調理法でより野性味を強調した味わいに仕上げられることもあります。

家畜の方のウサギは焼いても煮ても美味しく、フランス料理ではコンフィやローストで食べられます。また、日本ではぶり大根ならぬ、ウサギ大根という郷土料理があります。


カモ(鴨)

フランス料理で人気のカモは、和食でも鴨南蛮や鍋などの料理で親しまれています。スーパーなど一般市場で流通している鴨肉の多くはジビエではなく、合鴨などがほとんど。ジビエのカモはマガモが多く、猟期である冬には脂が乗って旨味がたっぷり、汁物に使うと大変美味しい出汁が出ます。


キジ(雉)

キジの肉はカモに比べるとクセがあり、硬めであっさりとした淡白な味です。フランス料理では熟成させる肉として知られていて、キジはフランス語で「フザン(faisan)」、ジビエの熟成を意味する言葉は「フザンタージュ(faisandage)」といいます。和食では鍋料理に使われるのが一般的です。


ハト(鳩)

ハトというと日本では街中や公園にいるものが連想されるかと思いますが、そのようなハトは

「トバト」と呼ばれ、ジビエの対象ではありません。日本でジビエとして食べられるのはキジバトという種類です。

ハトはエジプトや中国などでも食べられますが、特にフランスでは定番のジビエです。味はあっさりとしていて食べやすく、オスは脂が乗っていて、雌は肉が柔らかだとされています。調理法はローストや赤ワイン煮などがおすすめです。旬は餌となるとうもろこしや大豆のできる夏で、サマージビエ、とも呼ばれます。


カラス(烏)

日本では「カラスを食べるなんて!」と思う方がほとんどだと思いますが、フランス料理では昔から高級食材として扱われていました。カモよりも濃い味わいで、筋肉質の赤身。砂肝のようなザクザクとした食感です。

 


ジビエに合うおすすめのスペインワイン

グラン・アバデンゴ(Gran Abadengo)

スペイン北西部のカスティーリャ・イ・リオン州(Castilla y León)、サラマンカ県(Provincia de Salamanca)の新鋭、ボデガス・リベラ・デ・ペラサス(Bodegas Ribera de Pelazas)による樹齢100年もの土着品種、フアン・ガルシア(Juan García )100%仕様の赤ワインです。濃い真紅の色合いで、赤系果実の凝縮感あるアロマに濃厚なカカオ、ハーブのニュアンスがあり、鹿肉のグリルや猪のラグー、小鳩のロースト、鴨の燻製などに良く合います。

 

まとめ

ジビエについてその種類や味の特徴、そして、ジビエと相性の良いスペインワインを紹介しました。ジビエはワインととても相性が良く、栄養価や味の面でも大変優れています。現在はまだまだ入手するのは難しい食材ですが、もっと気軽にジビエに親しみ、ワインとの組み合わせも楽しめるようになるといいですね。

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