カタルーニャといえばスパークリングを想像する人が多いかもしれません。それもそのはず、カタルーニャ地方ではスペイン国内におけるスパークリングワイン「カバ(CAVA)」の生産量の約95%を占めています。
しかし、ワイン造りも盛んに行われており、伝統的な白ワインや高品質な赤ワインを生産する、高級ワイン産地の一つでもあります。
今回は、そんなカタルーニャ地方においてワイン造りの先駆者であり、1世紀以上にわたる長い歴史を持つ伝統のワイナリー「カステル・デル・レメイ(Castell del Remei)」をご紹介します。
カタルーニャのワインについて
スペイン北東部に位置するカタルーニャ地方。
ピレネー山脈と地中海に面しており、地中海性気候の影響を強く受けています。山岳地域から平野にかけてD.O.認定地域を含むほぼ全ての州でワイン造りが行われています。
ぶどう品種
カタルーニャでは、代表的なスパークリングワインをはじめ、辛口の白ワインから力強い赤ワインまでさまざまなワインが造られています。それぞれの主なぶどう品種はこちら。
カバおよび、白ワインの主なぶどう品種
- マカベオ種
- パレリャーダ種
- チャレロ種
赤ワインの主なぶどう品種
- テンプラニーリョ種
- ガルナチャ種
- カリニェナ種
カタルーニャの原産地呼称認定産地
カタルーニャ州の産地は、11のD.O.(原産地呼称認定産地)と、1つのDOCa(特別原産地呼称認定地域)があります。
D.O. (原産地呼称認定産地) |
(上記原産地呼称認定ワインに該当しない場合に使用される) |
DOCa(特別原産地呼称認定地域) |
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D.O.コステルス・デル・セグレについて
D.O.コステルス・デル・デグレは、カタルーニャ州において最も内陸に位置するワイン産地であり、ブドウ栽培に理想的な大陸性気候かつ、年間降水量は385mm~450mmとかなりの乾燥地帯です。この地域特有の凍えるほど寒い冬と、35℃を超える暑い夏との激しい寒暖差によって、果実味の凝縮された高品質なぶどうを造ることができます。
2企業の先駆者によって大きく発展したワイン産業
スペイン国内で最も早くカベルネ・ソーヴィニヨン種やセミヨン種を取り入れた国産品種の先駆者「カステル・デル・レメイ(Castell del Remei)社」と時期を限定した灌漑により乾燥したこの地域でも高品質なぶどう生産を可能にした「ライマット社」。
1980年代まではボトルワインを生産するワイナリーはこの2社以外にほとんど存在しないほどの大きな存在感を誇っていましたが、1986年にカタルーニャ州の原産地呼称認定を受けて以降は、ワインを生産するワイナリーが増えていきます。
D.O.カステル・デル・デグレは、これら2つの先駆者企業の牽引によって大きく発展し、今ではカタルーニャ地方ほぼすべての州でワイン造りが行われるまでになりました。
カステル・デル・レメイの造る白ワイン「オーダ ブラン(Oda Blanc)」
【商品情報】
商品名 |
オーダ ブラン(Oda Blanc) |
生産者 |
カステル・デル・レメイ(Castell del Remei) |
設立 |
1780年 |
おすすめ料理 |
帆立貝のレアグリル、ポークソテー、山芋やホワイトアスパラガスのプランチャなど |
生産国 |
スペイン |
地域 |
D.O.コステル・デル・セグレ(D.O.Costers del Segre) |
ぶどう品種 |
マカベオ 51%(樹齢32年)、シャルドネ 49%(樹齢22年) |
発酵容器 |
フレンチ及びアメリカンオークの新樽/8ヶ月間(定期的なバトナージュ) |
度数 |
12% |
ボディ |
ドライ |
飲み頃の温度 |
12~13℃ |
容量 |
750ml |
今回ご紹介するワインは、Odaシリーズの白ワインと赤ワインです。
「Oda(オダ)」とは、レメイ聖堂で奉られている、ビルヘン・デル・レメイ聖母像に捧げる)頌歌”の意味。頌歌(しょうか)とは、神の栄光や人の功績などを褒め称える歌のことです。 この場合、レメイ聖堂の聖母に捧げる賛美詩(ポエム)を表します。
味わいの特徴
オーダ ブラン(Oda Blanc)は、スペインの先駆者から生まれた洗練されたアロマティックな白ワインです。
色は透明感と輝きのあるレモンイエロー。非常に香り高く、熟したパイナップルなどの甘みを帯びたトロピカルフルーツを感じられます。
少し時間をおいて空気に触れることで、オーク樽由来の香ばしいスモーク香にミネラル感、柑橘系の果実味が大変バランス良く、ややナッティーなニュアンスも感じられます。
ファーストアタックで甘みとボリューム感を感じます。酸味が心地よく、クリーミーで焼きリンゴ、バター、トースト香といった複雑味のある豊かな長い余韻を楽しむことができる贅沢な白ワインです。
濃厚なクリーミーソースで煮込んだ豚肉や鶏肉、白身魚との相性も抜群です。
生産者について
カステル・デル・レメイ(Castell del Remei)は、1780年からのとても長い歴史あるワイナリーです。ロナの北西120kmにあるD.O.コステル・デル・セグレ(D.O.Costers del Segre)に位置します。
カステル・デル・レメイでは、海抜600メートルの場所に345エーカーのブドウ園を持ち、テンプラニーリョ、ガルナチャ、シラー、メルロー、カベルネソーヴィニヨンを栽培しています。
ブドウの木の平均樹齢は20年ですが、一部のガルナチャは40年以上前のもの。 土壌は主に石灰質(チャルキー)で石灰岩が含む多様さがあり、カステル・デル・レメイのワインに典型的な非常に豊富なニュアンスに貢献しています。
カタルーニャ最古のワイナリー
カステル・デル・レメイの設立当初、パリ大学で農業工学を学んだビジネスマンが情熱をもって、既存のぶどう品種のほか、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、セミヨンなどのいち早く外来品種の栽培も始めました。スペインでは、まだ外来ぶどう品種の栽培がされていなかったため、カステル・デル・レメイはスペイン国内へ取り入れた最初の企業となります。
さらに、カタルーニャ地方で熟成タイプのワインを初めて造ったのもこのカステル・デル・レメイです。外来品種のパイオニアであると同時に熟成ワインのパイオニアでもあり、他のワイナリーからも一目置かれる存在です。
先駆者「カステル・デル・レメイ」のこだわり
カステル・デル・レメイのフィロソフィー(哲学)は、「高品質にこだわり、ひとつひとつのプロセスに手間ひまをかけて丁寧に醸造し、ワインの持つ存在力を最大限に引き出し、国内で受け入れられるワインを造ること」。
1887年にはブリュッセル万国博覧会で金メダルを獲得した最初の賞を受賞。現在も変わらず、スペインワイン界で有名なワインメーカートマス・クシネの指揮により、熟成したぶどう畑から深みのある高品質のぶどうを生産し続けており、数々の国際的な賞を受賞しています。
まとめ
今回は、スペイン外来品種のパイオニアである「カステル・デル・レメイ」が造るアロマティックな白ワイン「オーダ ブラン(Oda Blanc)」をご紹介しました。
カタルーニャ地方で一目置かれる存在である彼らが造る白ワインは、世界的にも高い評価を受ける贅沢な逸品です。
ぜひこの機会に、カタルーニャ先駆者が造る洗練されたワインをお楽しみください。