スペインワインをきっかけに、スペインという国についてもっと知りたい、と思うようになる方は多いのではないでしょうか。スペインは他のヨーロッパの国と比べても独特で、人や習慣にも非常に面白い特徴があります。
この記事ではスペイン人の性格や地方ごとの人の性格、スペインの習慣について解説していきます。
スペイン人の性格
スペインは多様な地形・気候の広い国土があり、地域ごとに文化や言語が異なり、当然ですが人の気質の傾向も様々です。ですから、一言で「スペイン人の性格は〇〇」と言い切ることはもちろん、できません。ですが、スペイン全土のスペイン人の性格として、ある程度共通している、とされる点をいくつか紹介していきます。
おしゃべり好き
スペイン人の性格の特徴として、まずはおしゃべり好きであることが挙げられるでしょう。老若男女、とにかくよくしゃべり、カフェやバルだけでなく、街角や家庭でもおしゃべりに花を咲かせている人々の姿をよく目にします。週末のカフェやバルでは、おしゃべりに興じている人々の声で非常に賑やかです。
感情表現が豊か
スペイン人は喜怒哀楽といった感情の表現が豊かです。感じたことを素直に表現する国民性なのでしょう。大きな声を出して驚いたり、怒りを表現したりしますが、嬉しい時も抱きついたり、飛び跳ねたり叫んだりします。それが当たり前なので、怒りの感情をあらわにする人がいたとしても、周りの人はあまり気にしません。
おせっかい
スペイン人はよく、お節介だと言われます。たとえ相手が見知らぬ人だったとしても、目の前で誰かが困っていたらスペイン人は放って置けず、助けてあげようとする人が多いのです。
自分の意見をはっきり言う
スペイン人は自分の意見をはっきり言う人が多いと言われています。もしそれが間違った主張であっても、みなそれぞれ自分の意見を堂々と言うため、遠慮して自分の意見を言わない日本人のようなタイプは「意見のない人」と思われがちです。
家族思い
スペイン人は家族を非常に大切にします。母親や父親、妻や夫、子どもだけではなく、叔父や叔母、いとこなどのつながりもスペイン人にとっては重要です。そのため、週末に実家に帰って食事したり、休みが続く際には親戚一同が大集合したりする機会も多いのです。
さびしがりや
家族のつながりを大切にするスペイン人はさびしがりやだと言われています。そのためなのか、出かける時は2人以上のグループで出かけることが多いようです。
日本で言う「おひとりさま」がスペインではあり得ない、という風潮があり、1人で行動している人を見るとほうっておけず、声をかけたりします。
働き者
スペイン人はルーズ、というイメージもかなり浸透しているようですが、実はスペイン人は非常に働き者です。ルーズ、というイメージはどうやら、スペイン人のシエスタ(Siesta/昼寝)の習慣や、長い夏の休暇をとることが影響しているのかもしれません。
スペインのバルは朝7時くらいにオープンし、閉店は夜の0時を回ってから、ということも珍しくありません。スーパーは朝9時から夜9時というのが平均的な営業時間で、非常に長いのです。
ただ、スペイン人の場合はオンとオフの切り替えがはっきりしていて、プライベートをとても大事にします。
きれい好き
働き者であることにも通じますが、家庭の主婦も非常によく働き、部屋をきれいにしている人が多いです。整理整頓やベッドメイキングにも手を向きません。ガラスや鏡、窓などもきれいに磨き、モデルルームのような家も少なくありません。
地方ごとのスペイン人の性格、土地の特徴とおすすめワイン!
ここからは地方ごとのスペイン人の性格について解説していきます。もちろん、十人十色なのは世界中どこに行っても同じことですが、通説となっているものを紹介したいと思います。
カタルーニャ地方(Cataluña)
2017年に独立宣言を行ったカタルーニャ地方。反骨精神のあるカタルーニャ人ですが、よく言われるのがケチ!ということです。そのせいで、「A la Catalana(カタラーナ)」という言葉は「割り勘」との意味で使われます。
ケチ、と言う悪評は、カタルーニャ地方のバルが原因です。近年はそうとも限らないようですが、カタルーニャ地方のバルでは飲み物を頼んでもタパスが出なかったことから「ケチ」認定されるようになったのだとか。
ケチかどうかはさておき、カタルーニャ人は勤勉で知られ、スペイン全体のなかでもカタルーニャ地方の失業率は低いとされています。一般的に時間にルーズとされるスペイン人ですが、カタルーニャ地方の公共機関は比較的時間通りに来るようです。
また、ワインの世界ではカタルーニャ地方で生産されるスパークリングワイン「カヴァ」が有名です!
スペイン語で「バラ色の人生」という意味の名前が付けられた【ラ・ヴィ・アン・ローズ】。オーガニック認証を受けたピノノワール100%のロゼカヴァです!
マドリード地方(Madrid)
首都マドリード周辺の地域の人は都会人で他の地域の人からは「気取っている」と揶揄されることも多いようです。日本で東京人を関西人がいじるのに似ていますね。
スペインの首都として観光地も多く、スペイン王宮やプラド美術館など、年中アクティビティを楽しめる都市であることが特徴です!
また、「メセタ地形」と呼ばれる台地の中心部に位置するマドリードは、ヨーロッパ諸国の中で最も標高が高い地域として知られています。
【30000マラヴェディエス】は、マドリードから70km南部の標高800mに位置する27ヘクタールほどの畑で、ヴィオディナミ製法に則り、フィロキセラの猛威以前からある、高樹齢(60~80年)のブドウを使用して生産されています。
バスク地方(País Vasco)
バスク地方の人は自らを「バスク人」と自認し、言語も特殊だとされるバスク語を話します。内気で生真面目、働き者、とされています。バスク人の1人あたりの所得はスペインの州の中でなんとトップです。
また、なんといってもバスク地方は美食の町!!小皿料理とお酒を楽しむバル文化が栄えているサンセバスチャンをはじめとして、美味しいレストランが軒を連ねています。バスク州で生産される代表的なワインは【チャコリ】と呼ばれ親しまれています。
バスク州でもスペイン人たちに親しまれるレストランが併設したワイナリーが生産する【チャコリ・カチニャ】
ガリシア地方(Galicia)
ガリシア地方の人は日本人に似ている、とよく言われます。無口で内気、他の地域のスペイン人からは「優柔不断」と言われてしまうようです。仲良くなってみると人懐っこく親切、とも言われています。
ガリシア地方は乾燥しているスペインの中では降水量が多く、海にも面している地域のため水資源が豊か。「リアス式海岸」の由来ともなっている【リアス・バイシャス】という入り江が特徴的で、タコやヒラメ、アサリ等の海産物をたくさん食べる文化です。
ガリシア地方の代表的な土着品種(地ブドウ)「アルバリーニョ」を使ったワイン【マルケス・デ・ビソハ】。ミネラル感を感じる爽やかな味わいが魅力です!
アンダルシア地方(Andalucía)
「スペイン人は情熱的」ですとか「スペイン人はルーズ」と言われることが多いのですが、それはスペインで最も人口の多いアンダルシア地方の人の特徴だと思われます。アンダルシアの方は陽気で、感情の起伏が激しく、時間を守らない人も多いようですがイスラム教文化の影響や暑い気候なども影響しているのでしょうか。
アルハンブラ宮殿を擁するグラナダやフラメンコで有名なセビージャなど、魅力いっぱいのアンダルシア地方は、ワインの世界では世界三大酒精強化ワイン「シェリー」の産地として知られています。
プルーンやイチジクのような凝縮されたドライフルーツのアロマと黒糖や黒蜜を思わせる濃厚で甘美なニュアンスを楽しめるシェリー酒【1822 ペドロ・ヒメネス】
スペイン人の習慣
スペインにはさまざまな独特の習慣があります。その代表的なものを紹介していきます。
シエスタ
シエスタはもともと、13:00から16:00くらいの昼休憩を意味する言葉で、昼寝をしなくてもシエスタと呼ばれます。日照時間の長いスペイン生まれの習慣で、企業や店では従業員の休憩時間にしているところが多く存在します。シエスタの時間には昼寝をしたり、家に帰って家族と食事をしたり、そのほか自由に過ごします。
1日5回の食事
スペイン人は1日に5回食事をします。7時から8時くらいに軽い朝食をとり、昼食の前にサンドイッチなど軽食を食べます。昼食は午後2時頃、シエスタの時間にゆっくり食べます。その後、夕食の前におやつのようなものを食べたり、バルでワインやビールなどとタパスを食べたりします。そして最後は夕食で夜9時以降に食べることが多いようです。夕食は軽めに、サラダやスープだけだったり、お酒とおつまみを楽しんだりするだけだったりします。
タパス(Tapas)
スペインバルといえばタパスですね。すでに述べたスペインの食事習慣に合わせ、無料のおつまみを提供したことが発祥と言われています。タパスは店ごと、地域ごとにそれぞれ特色がありますが、定番なのがトルティージャ(Tortilla/スペインオムレツ)やパタタス・ブラバス(Patatas Bravas フライドポテトのピリ辛ソーズがけ)、ハモン・セラーノ(Jamón Serano)などです。
【アラグ・ロゼ フォルカリャ】は、スペインの希少な土着品種【フォルカリャ】を使用した、生ハムと相性ピッタリのロゼワインです!
スペイン人には苗字が2つある
スペインでは結婚しても妻と夫は元々の苗字を名乗ります。生まれた子どもは父親と母親、両方の苗字からそれぞれ一つずつ(父母の父方の苗字)を受け継いで名乗ることになります。
例をあげると、太郎山田佐藤さんと花子鈴木高橋さんが結婚してもそれぞれの名字は変わりません。それぞれが名乗っている名字の一番目は父方の苗字、2番目が母方の苗字です。そして、その2人の子どもの名前は一郎山田鈴木、となります。また、シングルマザーから生まれた子どもは、母の苗字を2つとも受け継ぐこともできます。ちなみに、18歳以上になると自分で自分の苗字の順番を変えることもできます。
「こっちこっち」は「あっちいけ」
日本で「こっちこっち」と手のひらを下にして手招きするジェスチャーは、スペインでは「あっちいけ」の意味になってしまいます。気をつけましょう。スペインで「こっちこっち」は手のひらを上に向け、軽く指を曲げ伸ばしするようにします。
まとめ
スペイン人の性格や地方ごとの人の性格、スペインの習慣について解説しました。スペインはワインや食べ物、人や文化、どれをとっても本当に魅力的な国です。ぜひ本場のスペインワインを味わいに行ってみていただきたいと思います。きっとスペインの魅力の虜になることでしょう。